空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

町本会と本屋会議がテーマのトークイベント、無事に終了となりました

昨日、西荻窪のブックカフェ、beco cafeで開催されたトークイベント「『本屋会議』ができるまで〜「町には本屋さんが必要です会議」の1年を振り返る〜」、無事に終了となりました。


今回のテーマは『本屋会議』。書き手3人のうち、往来堂書店の笈入さんと空犬がそれぞれ相手のパートを読み込んできて、質問をしながら、文章にこめた思いや、書きたかったこと、書けなかったことなどを語り合うというものでした。


笈入さん空犬の2人だけで話をする予定だったんですが、夏葉社島田さんも駆けつけてくれたため、最後の20分ほどは島田さんにも加わってもらい、島田さんが担当したパートや全体についての補足をしてもらい、3人でトークをまとめました。


『本屋会議』の話は、90分ではぜんぜん足りなくて、もっともっと話をしたい、それもお客さんと一緒に話をしたい、そんなふうに思わされました。昨日は、現役の書店員さん、出版関係者のほか、新聞社の方、読者の方、隣接業種の小売に関わっている方、図書館の方など、本をとりまくいろいろな立場の方が集まってくれました。本屋さんの話をしたい人、聞きたい人は、まだまだいるのだなあ、と実感できたひとときでした。


当日、資料として「新文化」に掲載されたシンポジウムの紹介記事をお客さんに紹介したのですが、お客さんとして参加してくださった東京新聞の方が、先日の記事で紹介したシンポジウム紹介記事の掲載紙を持ってきてくださったので、会場でお客さん全員に配布することもできました。


トーク終了後は、いつものように交流会。今回は、町本会の打上、ということで、夏葉社の島田さんのあいさつと乾杯の音頭でスタート。たくさんの方が遅い時間まで残ってくださり、打上のためだけに駆けつけてくれた方も加わって、あちこちで本と本屋さんをめぐる話題が飛び交うにぎやかな会になりました。あらためて、昨日、悪路のなか、トークと町本会打上に駆けつけてくださったみなさんにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。


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「はじめての海外文学」について語りたい!……beco talkのご案内です

西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。3月の回のご案内です(今年は隔月、奇数月開催を予定しているため、2月はお休みとなります。)


    beco talk vol.22
    読みたい! 売りたい! 海外文学
    〜フェア「はじめての海外文学」を振り返る〜

    日時:3月27日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:00)
    会場:beco cafe(西荻窪)
    出演:酒井七海(丸善津田沼店)、空犬太郎(本屋図鑑編集部)
    *2/1(日)から予約受付開始となります。

ツイッターで話題を呼んだフェア「50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア」(ちょっと長いのですが、これが正式名称です)。その仕掛け人で、海外文学をこよなく愛する書店員、酒井七海さんが、企画を思い立ったきっかけや実現までの経緯などフェアを振り返りながら、海外文学の魅力について、また、本屋としてどう売っていくかについて、徹底的に語ります。


「50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア」については、こちらの記事をご覧ください。


一昨年は、作り手である翻訳出版編集者を招いてトークをしたことがありますが、今回は売り手によるトークです。フェアのタイトルにもありますように、「はじめての海外文学」ということで、ふだんは翻訳ものは読まない、なんとなく苦手、なにを読んだらいいかわからない、といった読み手の方にも楽しんでいただけるような、参考にしていただけるようなトークにしたいと思っています。もちろん、海外文学をどんなふうに売っていったらいいか、悩んだり考えたりしている現役書店員さんや、作り手である出版関係者の方も大歓迎です。


トークの予約は、2月1日(日)に受付開始となります。予約は、空犬ではなく、お店での受付になりますので、beco cafeにご連絡ください。


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町本会シンポジウムの様子が東京新聞で紹介されました

昨年の12/12に開催した町本会シンポジウム先日の記事では、業界紙と書評紙で取り上げていただいたことを報告しましたが、今度は、東京新聞・中日新聞で取り上げてもらいました。(紙面の写真は発行元の許可を得て掲載していますが、本文が読めないよう、サイズを落としてあります。ご了承ください。)



東京新聞 町本会シンポジウム 150122

Web版で読める冒頭部分だけ引用しておきます。《「町には本屋さんが必要です会議」と銘打ち、全国で小さな町の書店の魅力や今後の展望などについて話し合ってきたグループが、約一年間の活動を書籍『本屋会議』(夏葉社)=写真=にまとめた。東京都内で刊行記念シンポジウムが開かれ、登壇した書店員が店の実情などについて語った》。


町本会発足の経緯、『本屋会議』の内容、町本会シンポジウム当日の様子が、簡潔に、バランスよく紹介されていて、シンポジウム出演お三方の写真に『本屋会議』の書影まで掲載されているなど、とてもうれしい記事になっています。


先週の記事ですので、Web版でユーザ登録をしてご覧になるか、図書館など、東京新聞・中日新聞のバックナンバーが見られるところをあたってみてください。ぜひ読んでみたいという方は空犬までコメント欄などでご一報ください。1/30に西荻窪のbeco cafeで行われる町本会・本屋会議のトークイベントでも、この記事については紹介する予定です。


沖縄書店大賞、木村聖文堂、ブックス玉手箱……書店関連のニュースをまとめました

週に一度の書店関連ニュースのまとめです。 (昨年まで平日朝にツイートしていた出版・書店業界情報のうち、書店関係をまとめたものです。網羅的に調査したものではなく、新聞報道・Webのニュースなどで目についたものをまとめています。)




本屋大賞が始まって以来、各地でその地方版とも言える賞が創設されていますが、沖縄でも書店大賞が始まったようです。《県内の書店員が「今、いちばん読んでほしい本」を選ぶ第1回沖縄書店大賞(同実行委員会主催)が創設され、第1回候補作に小説、郷土書の2部門で計10作品が選出された》。


記事にもありますが、《郷土書部門を設けたのが特徴》で、郷土書出版のさかんな同地らしいところですね。《実行委員会には沖縄教販やジュンク堂書店那覇店、リブロ、TSUTAYA那覇新都心店など県内書店が参加した》とあります。


その参加書店のうち、ジュンク堂書店那覇店について、同店を訪問した内沼晋太郎さんが、前回のまとめで紹介したJTBパブリッシングの「たびのたね」の連載にくわしい訪問記を寄せています。


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西荻窪beco cafe他で予定している2015年の出版・書店・音楽関連イベントです【更新】

西荻窪のブックカフェ、beco cafeでのものが多いんですが、出版・書店関連(ときどき、音楽関連も)のイベントを企画・主催しています。ご興味のある出演者、テーマなどがありましたら、ぜひ遊びに来てください。(予約などの詳細、出演者のプロフィールなどは、イベント一覧の後にあげてあります。)



◆これからのイベント◆


2015年のイベントはすべて終了となりました。



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本屋の旅、ガケ書房、阪神・淡路大震災20年の歩み……書店関連のニュースをまとめました

週に一度の書店関連ニュースのまとめです。 (昨年まで平日朝にツイートしていた出版・書店業界情報のうち、書店関係をまとめたものです。網羅的に調査したものではなく、新聞報道・Webのニュースなどを目についたものをまとめたものです。)



紀伊國屋書店の高井昌史会長の、悠々会の新年懇親会での発言を紹介する記事。有料記事なので、冒頭だけになりますが、《縮小する出版市場を復活させるには、再販制度の弾力運用、時限再販制、一定の返品を認める買切制の導入に……》と紹介されています。



「ザ・本屋さん」は今回の新店を含め10店を展開する北海道のローカルチェーン。《帯広市に本部を置くザ・本屋さん(高橋千尋代表)は2014年12月18日、室蘭市中央町にある商業施設スーパーアークス室蘭中央店3階に「ザ・本屋さん室蘭中央店」をオープンした》。



《日本出版販売(日販)は1月13日、出版社向けの情報提供サービス「オープンネットワークWIN」をリニューアルし、データ保持期間の延長や受注・在庫情報の開示、パブリシティ情報の提供など機能強化を実施した》。リニューアルについては、同社のニュースリリースに詳細がまとまっています。



書店の減少について、数字をあげて、いついつには1万店を割り込むなどとし、アルメディアのデータを引いて、人口減少にコンビニにネット通販などを理由にあげてまとめるこの手の記事には、もううんざりという出版・書店関係者も多いでしょう。誰がどう書いても同じ切り口で、はっとするような視点や、解決・改善策の提示などを含むものはついぞ目にしたことがない気がします。


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まもなく始まります!……「50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア」【更新】

業界紙に取り上げられ(「売れないのは高いから? 1月から「はじめての海外文学」フェア」(12/18 新文化))、ツイッターでも多くの反響を呼んだフェア「50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア」がまもなく始まります。(開催中の店舗も1店あり。)


はじめての海外文学

↑フェアのパネル。


フェアの仕掛け人である丸善津田沼店の酒井七海さんがご自身のツイッター(@onakaitaichan)で、「#はじめての海外文学フェア」のハッシュタグ付きで、熱心に情報発信していますので、フェアの詳細はそちらをどうぞ。まとめ「海外文学を愛する書店員が考えた「海外文学が売れないのは値段の問題では?」」「「はじめての海外文学」フェアまとめ」も、フェア開始までの経緯や書店員さんたちの思いがよくわかるので、参考になるでしょう。(2つとも、まとめを作られたのはふくろうさん(@0wl_man)。)


酒井さんから、開催店舗と開催期間の情報をいただきましたので、紹介します。お近くに開催店舗がありましたら、ぜひのぞいてみてください。(店名・所在地・期間・補足などは、いただいた情報そのままですが、一部、表記や所在地などをこちらで調整しました。)


【東京都】


  • オリオン書房ノルテ(立川市)→1/26ごろより開催
  • くまざわ書店東大和店(東大和市)→1/25ごろより開催
  • 伊野尾書店(新宿区)→2/1ごろより、文庫のタイトルを中心に点数を絞って開催

【千葉県】


  • 丸善津田沼店(習志野市)→1/26ごろより2Fロイヤルホスト前フェア台にて開催
  • 堀江良文堂書店松戸(松戸市)→1/26ごろより開催
  • 蔦屋書店イオンモール幕張新都心(千葉市)→1/26ごろより開催

【神奈川県】


  • 紀伊國屋書店横浜店(横浜市西区)→1/19ごろより開催
  • 紀伊國屋書店横浜みなとみらい店(横浜市中区)→1月下旬より開催
  • 未来屋書店海老名店(海老名市)→1/26ごろより開催

【大阪府】


  • 紀伊國屋書店グランフロント大阪店(大阪市北区)→開催中(小冊子・推薦コメントがまだ出来上がっていないため、1/19現在商品展開のみ)

【愛知県】


  • 精文館書店本店(豊橋市)→1/19ごろより1Fレジ前催事コーナーにて展開
  • 七五書店(名古屋市)→1/19ごろより開催

【福岡県】


  • 丸善博多店(福岡市)→3月初旬より展開

【福島県】


  • 鹿島ブックセンター(いわき市)→1/26ごろより開催

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米出版社の「子どもと家庭の読書に関する報告書」が

図書館関連の情報がまとまっていてとても便利なポータルサイト、カレントアウェアネス・ポータル(サイトでは《図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです》と説明されています)にこんな記事がありました。



日本でもよく知られている米国の児童書出版社、スカラスティックによる子どもの読書関連調査の紹介です。記事を引きます。《児童向けの出版・教育などを手掛ける米国のScholastic社が、 子どもとその保護者を対象とした、読書に関する調査報告書 “Kids & Family Reading Report”を公表しました》。


レポートはこのような内容だそうです。《0歳から5歳の子どもの保護者506人、6歳から17歳の子ども1026人とその保護者を対象として、2014年8月29日から9月10日にかけて行われた調査の報告書とのことです。子どもと読書の状況、家庭での読み聞かせ、学校での読書、子どもが図書に求めるもの等の項目で、調査結果がまとめられています》。


読書調査は、毎日新聞の全国学校図書館協議会と毎日新聞が共同で行っている「学校読書調査」など、日本にも類似のものはありますが、この記事で紹介されているスカラスティックのものは、児童と保護者の両方が対象で、1000超と母数も大きく、調査レポート自体も非常に見やすくまとまっています。



書店の児童書・教育書などのご担当の方、図書館関係者、児童書・教育書関連の出版関係者の方には、いろいろ参考になるでしょうし、また、幼児から小中高の子どもがいる方にも得るところが大きそうそうです。


子どもの本に興味のある方はのぞいてみてはいかがでしょうか。レポートはこちら(レポートは英文で、100頁超と一見分量もありそうに見えますが、専門用語などが出てくる難しいものではなく、平易な英語でビジュアルが多いので、比較的簡単に読めると思います。)こちらからPDFがダウンロードできます。(過去のものもあがっています。)


アンケートで得られたものなのでしょう、子どもたちのかわいい声(保護者のものもあります)が、関連する統計の脇にときどき添えられているので、情報として有益なだけでなく、読んでいて楽しいものにもなっています。たとえば、「家庭での読み聞かせ」の章には、こんな声が載っています(訳は空犬による超適当訳)


《“My mom doesn’t read to me anymore, but when she reads to my little brother, sometimes I read alongside because I like the books.”—9-year-old boy, NJ》(ママはぼくにはもう読み聞かせをしてくれないけど、弟にはするから、ときどき横に座って本を読むんだ。ママが弟に読む本が好きだから。9歳の男の子)


《“It was nice to be close to my mom or dad when they read to me. It made me want to know what was to come. I still listen when they read to my little brothers.” —14-year-old girl, FL》(読み聞かせをしてくれるときに、ママやパパにくっついてるのってよかった。次にどんなのが出てくるか知りたくなった。ママとパパが弟たちに読み聞かせをするときは今でも聞いてる。14歳の女の子)


子どもたちの声を拾って読むだけでも楽しいかもしれませんね。


「図書館の民営化-図書館が本を販売していいの?」を、町の本屋さんへの影響を含めて考えさせる講義動画が

リクルートの受験生向けサイト「受験サプリ」に、藤原和博先生による「よのなか科」の講座動画があがっていますが、そのなかに「図書館の民営化-図書館が本を販売していいの?」という、図書館関係の方はもちろん、出版・書店関係者にも気になるテーマのものがあります。


この講座ですが、ワークシートがダウンロードできるようになっています。ワークシートを見ると、「本屋さんについて考えてみましょう」というセクションがあり、
「あなたは、どこで本を買いますか」
「あなたは、どこで雑誌を買いますか」
という設問があり、さらに、
「あなたが考える街中の本屋さんの魅力は、どんなところですか」
と、町本会で考えてきたことに通じる設問もあります。


もちろん、これはディベートの素材として、視聴者が自身でこのテーマについて考えるためのものとして提供されていますので、明快な回答・解答が用意されているわけではありません。わずか8分ほどの動画ですし、短い講義のなかに図書館および町の本屋さんの問題がぎゅっと詰め込まれていますので、このテーマに関心のある方は、講義を見て、ワークシートの課題について考えてみるのもいいでしょう。


「受験サプリ」自体は、受験生向けのサイト・サービスですが、受験生以外の人でも登録すれば無料で動画を見られるようです。


書店空白、仮想書店、取次年頭所感……書店関連のニュースをまとめました

昨年までは、出版・書店業界の情報を、平日は毎朝大量にツイートしていたんですが、同種の情報を流している方も増えたようで、速報性や情報量ではるかに劣る当方が同じことをすることもないかなと思い、朝の連投はやめることにしました。これまで、出版・書店関係は割に幅広く情報収集してきましたが、これからは書店関連に絞り、1週間に1回程度、blog記事にまとめることにします。



日書連の会長、舩坂良雄さんの話をまとめた記事です。日書連傘下組合加入書店数は昨年時点で4224店。組織の規模が縮小していることについて、どのような組織強化策を考えているかを問われ以下のように答えています。


《舩坂組合の中に取引取次別のグループを作ることも1つの方法ではないかと思います。仕入れは各店別で行うけれど、売上金額は一本化する。そうすれば出版社や取次との交渉でスケールメリットを追求できる。1店では1冊しか入荷しなかった本が、10店のグループで100冊入荷するかもしれない。その代わり情報はすべて共有する。最初は各都道府県組合ごとに始めて、行く行くは全国規模のグループにすれば、大きな力を持つことができるでしょう。それが日書連傘下組合への加入メリットにもなります》。NET21のようなグループが組合加盟店の間に複数生まれるようなイメージなんでしょうか。


《これからの書店は1店舗ずつ、一国一城の主では難しいと思うのです。でも、取次という基盤、そして志を同じくする仲間が集まってグループを作り、お互いの個性を尊重しながら力を合わせれば、生き残りの道もより開けてくるのではないでしょうか》。



この種の、毎日書店が閉店になっているといった書き方の記事には、またかという感じを受ける関係者も少なくないと思いますが、今回の記事は、書店のない自治体の数や名前を具体的なあげたものになっています。《新刊本を扱う書店が地元にない自治体数が、全国で4市を含む332市町村に上り、全体の5分の1に上ることが、書店情報を集計している出版社の調査で分かった。東京への一極集中や人口の急減によって、将来的に生活基盤が失われる恐れがある「消滅可能性都市」と一致する自治体が多い。一方、「地方の活字文化の拠点を残そう」と書店を復活させる動きも出ている。》


ベースになっているのは《書店のデータベース「ブックストア全ガイド」を発行する出版社アルメディア(東京都)》の調査で、《取次店から仕入れている書店を対象に実施》したものだとあります。それによれば、《「書店空白」の4市は、北海道歌志内(うたしない)▽茨城県つくばみらい▽宮崎県串間▽鹿児島県垂水(たるみず)》で、推計人口が約47,000人の《つくばみらいを除けば、有識者でつくる日本創成会議が昨年、「消滅可能性都市」と指摘した自治体》だそうです。


記事の最後に、《作家で、文字・活字文化推進機構副会長の阿刀田高(あとうだたかし)さん》のコメントが引かれています。《町の本屋が減れば子どもたちが紙の書物に触れる機会が減り、今後さらに活字離れに拍車がかかるだろう》。この後、よくある文化云々の発言が続くんですが、それついてはともかく、子どもたちが日常的に寄れる範囲に絵本や図鑑、また漫画本やコロコロやジャンプを扱っているお店がないと、学校の図書室や公共図書館でふれられる可能性の高い前者はともかく、後者のような出版物については、そもそも子どもたちの意識にのぼることすらなくなってしまうかもしれません。文化云々の話からは漏れ落ちがちな、しかし、子どもたちにとっての本との接点としてはより重要かもしれないコロコロやジャンプのような出版物にふれられる場所があるかどうかのほうが、今後の本の売れ方への影響は決定的に大きいはずだと思うのですが、文化の話になったとたん、そういう視点が抜け落ちてしまう気がします。



ここでいう仮想書店は、通常の通販中心のオンライン書店と違い、書店の空間がバーチャルに再現されたもののようです(記事でイメージが見られます)。《「オキュラス書店」は、CGで作り出した仮想書店を自由に歩いて書籍情報をチェックできるアプリ。現時点では、Amazonのベストセラー書籍のタイトル・内容・発売日を閲覧でき、今後は書籍の購入機能などを実装する予定。》


《同社は「現実店舗を持たずに理想の店舗を持つことができ、利用者も実際に出向かずに店舗の雰囲気を楽しめる」と説明しており、バーチャル書店の構築についても100万円から請け負っている》。


こういう試みを否定するつもりはまったくありませんし、先の記事のような事態を考えれば、書店のないところで、書店の雰囲気を、場所の感じを、本が物理的に並ぶ様子を楽しむ手段が確保されるのであれば、それはそれですばらしいことのように思えなくもないのですが、それはやはりリアルな店舗を回遊する楽しみとは、等価なものにはなりにくいでしょう。というのも、提供者側に《利用者も実際に出向かずに店舗の雰囲気を楽しめる》、つまり、実際に出向くのがあたかも面倒で手間のかかることであるかのような感覚が少しでもあるとしたら、そのような感覚で作られたアプリは本当の楽しみの提供にはなりにくいのではないかと、そんなふうに思われるからです。



年始の二大取次の社長あいさつ関連の記事。まずトーハンから。《1月5日、仕事始式を行い、藤井武彦社長が年頭の挨拶を行った。同社長は、最優先すべきは「エリア書店の販売を底上げすること」とし、「新しいリアル書店の形を確立していく必要」を指摘した》。


「新しいリアル書店の形の確立」、ことばにするとシンプルですが、それがどのようなものかがなかなかわからなくて苦労しているのがこの業界です。具体的にはどんなことが考えられているんでしょうか。《そのための施策は、客注対応と複合化。客注促進では、昨年12月からパイロット店を決めて強化キャンペーンを展開し、実際に増加しているという。複合化では、文具雑貨のパッケージをトーハンが提供したKaBoS宮前平店(川崎・宮前区)の事例を報告。リニューアル後、本の売上げは落ちず、文具・雑貨、カフェを加えた全体の売上げは2ケタの伸びとなっている》。


起死回生のものすごいプランが簡単に出てくるわけがないことは十分に承知しているつもりですが、それでも、やはり大手取次が年頭あいさつで述べる施策が《客注対応と複合化》だと言われてしまうと、あまりにも当たり前に過ぎることに、これまでと変わらないことに、がっかりしたり、心配になったりする書店関係者の方も多いのではないかなどと思ってしまいます。


続いて日販。《平林彰社長は1月7日に行った「新春を祝う会」で、顧客の求める価値に合わせた書店の新たな売場づくりについて言及、その方向性を示した。書店の価値は、(1)従来からある「知的」「安心」、(2)不足している「早さ」「確実性」、(3)失われつつある「調べる」「探す」など。これから生み出すべき価値として「楽しさ」「居心地の良さ」「つながり」などを挙げ、顧客と接点のある新たな空間づくりが必要であると述べた》。


《顧客と接点のある新たな空間づくり》。こちらも、トーハンのそれと同様、では具体的にどのような空間づくりなのかが気になり、その中身こそが問われるわけですから、



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町本会シンポジウムが取り上げられました

昨年の12/12に開催した町本会シンポジウム。当日の様子を、業界紙と書評紙で取り上げていただきました。(いずれも、紙面の写真は発行元の許可を得て掲載しています。)



町本会シンポジウム 記事 新文化町本会シンポジウム 記事 図書新聞


いずれも、出演の3人、田口幹人さん(さわや書店フェザン店)、星真一さん(紀伊國屋書店グランフロント大阪店)、笈入建志さん(往来堂書店)の発言をコンパクトにまとめていただきました。記事はWeb版にはあがっていませんが、発行元の好意で、本文が読めるサイズで画像をアップしていますので、当日シンポジウムに参加されなかった方も、ぜひ3人の書店員がどのような話をしたのか、当日、どんな話題が出たのかを、お読みいただければと思います。


また、新聞の記事ではないのですが、『本屋会議』関連で、こんなうれしいものも作っていただきました。「川崎、本の森へ 枝葉便り15号」。


川崎、本の森へ 枝葉便り15 表川崎、本の森へ 枝葉便り15 裏

丸善ラゾーナ川崎店で発行しているフリーペーパーです。ご覧の通り、表には《永久欠番的大推薦図書》とあり、裏面には文芸ご担当の小川英則さんによる推薦コメント・感想がぎっしり。ここまでのものを作ってくださる書店の方がいらっしゃるとは……。感激です。ぼくは夏葉社島田さんからもらったんですが、同店を利用される機会のある方はぜひ店頭で手に入れてください。(さらに、『本屋会議』本体も手にとってもらえるとうれしいです!)

ビブリオバトル in 有隣堂……『本屋会議』刊行記念トーク+ビブリオバトルのイベントが開催されます

来月2月に行われる「珍書ビブリオバトル」については昨年の記事でご案内済みですが、奇しくも同じ2月、「珍書ビブリオバトル」の翌週にも、こんなビブリオバトルが開催されます。「ビブリオバトル in 有隣堂」(1/7 有隣堂)。


こちらは、わたくし空犬は出演・参加はしませんが、後述の通り、『本屋階美』関連のイベント。ビブリオバトルに関わること自体、2/7の会が初めてなのに、2週続けて、自分に多少なりとも関係のあるビブリオバトルが開催されるということになりました。単なる偶然ではあるのですが、びっくりしている次第です。


さて、その有隣堂でのビブリオバトル、「『本屋会議』スペシャル!やっぱり、町には本屋さんが必要です談義×ビブリオバトル in 有隣堂」ですが、こんなイベントだそうです。



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仕事始めは本屋さんへ、のはずが……『本屋会議』のうれしいまとめが

今日から仕事です。仕事始めの日は、これまでは毎年、仕事でお世話になっている書店さんにあいさつ回りをするのを恒例にしていたのですが、昨年の異動で仕事が変わり、今年からはそのようなこともできなくなってしまいました。仕事帰りに、ここだけは毎年の年始のあいさつを欠かしたことのない、吉祥寺のBOOKSルーエに寄り、社長さん、店長さん、顔見知りの店員のみなさんに年始のあいさつをし、ルーエでの初買い物もしてきました。


年始にお会いした書店員のみなさんには、年末年始のお店の様子や本の動きを尋ねるようにしているのですが、どこも厳しいようで、なかなかいい話が聞けません。今日のルーエでも、残念ながらいい話は聞けませんでした。本作りの現場=編集から離れはしましたが、本の送り手=版元の一員であることには変わりありません。本の世界、とくに小売の現場が少しでも潤うよう、今の立場で自分にできることをがんばらねば、と、そんな思いを新たにさせられました。


昨晩、翌日から仕事ということで、自分が関わった本でなんなんですが、『本屋会議』(夏葉社)を読み返しました。本が大好きな広島の中学生(執筆時)、為石夢実さんが寄せてくれた一文を読み直しました(当方の担当した駄文はともかく、この為石夢実さんの文章だけは、本を愛する人、本屋を愛する人にできるだけ多く読まれるといいのになあ、と思っています。島田さんとはそのような相談はしていないのですが、この文章だけでも、公開したいぐらいです。ぜひぜひ、立ち読みでもかまいませんので、読んでみてください)


全国には、きっと為石夢実さんのような本好きの子どもたちが今もいるはず。そのように信じたい。そして、そのような読者に本を届けるのが自分たちの仕事なのだと思えば、不況だの苦戦だの毎日閉店だのなんだのと言われようとも、まだまだがんばれる気がするのです。自分が関わった本なのに、他の人が書いた文章に力をもらっています。まったく、出版業界20年超のオールドタイマーがなんたるていたらくかと思わされたりもしますが、でも、ほんと、大いに刺激を受けたのです。この一文を読めただけでも、そして世にとうことができただけでも、町本会と『本屋会議』に関わった価値と意味とがあったのではないか、今はそんなふうに思っています。


その『本屋会議』、年末の刊行なので、2014年の収穫みたいな記事に言及されることもなく、おそらく、来年の同種の記事からも漏れてしまいそうで、いったいどこにどのように届いていて、どんな反応反響を呼んでいるのかいないのか、さっぱりわからなくて、刊行以来、落ち着かない日々を送っているのですが、少なくとも、本屋さんの店頭でどんなふうに扱われているかを知ることができる、こんなうれしいまとめを作っていただきました。「『本屋会議』を売る本屋さんたち」。まとめてくださったのは、町本会の大阪での公開会議にも出演してくださったmori009(@mori0099)さん。ありがとうございました。そして、『本屋会議』を並べてくださった全国の本屋のみなさま、ほんとうにありがとうございます。うるさくなるかと思いますので個別にお礼のコメントはしませんが、いずれも感激しながら拝見しました。


あけましておめでとうございます

今年の予定というか、抱負というか、そのようなものです。


  • 1月 西荻窪のブックカフェbeco cafeでのイベントbeco talkで、『本屋会議』に関するトークを開催します。
  • 2月 阿佐ヶ谷ロフトAで開催される「珍書ビブリオバトル」に司会として参加します。
  • 3月、5月 西荻窪のブックカフェbeco cafeでbeco talkを開催予定です(詳細未定)
  • 4月 荻窪のルースターノースサイドで、出版・書店仲間とライヴイベントを開催予定です。

このほか、個人的には今年の最大の目標の1つなんですが、秋頃(?)に空犬名義で関わっている本を出せればいいなあと、がんばっているところです。(昨年からずっと作業を進めてきた本なんですが、町本会と『本屋会議』ですっかり遅れてしまっていたのでした。)


2015年が、出版・書店の世界にとっていい年になりますように。今年もよろしくお願いします。