空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

2014年の読書を振り返りつつ

2014年は、なんというか、忙しい1年でした。


イベント「ブックンロール」を企画・主催、西荻窪のブックカフェbeco cafeで10回ほどのイベントを企画・主催。ムック『本屋はおもしろい!!』の執筆に関わりました。夏には異動で、20年以上関わってきた編集の仕事を離れることにも。


と、いろいろありましたが、今年いちばん大きかったのは、なんといっても、町本会の活動と『本屋会議』の企画・執筆に関わったこと。達成感もありましたが、同時に、自分の限界を思い知らされた1年でもありました。


今年は、『本屋会議』の調査・執筆に時間をかけたために、資料本以外のふつうの読書の量が激減してしまいました。本の世界、本屋さんのことをいろいろな人に伝えたくて、イベントをしたり、ものを書いたりしているのに、肝心の本が読めていないのでは意味がない。その点、猛省しています。来年は(このblogも含め)もう少し本業外の活動を控え、本を「買う」と「読む」にしっかりとお金と時間をかけようと、そんなふうに思っています。


さて、少ない読書量ではあったものの、ゼロではありませんから、自分の覚えも兼ねて、印象に残ったものをちょっとだけあげておきます。別に、年間ベストとか、そういう主旨のものではないですし、今年は忙しくて、何年も続けてきた読書メモすらきちんととれていないので、記録をあたって書くこともしていません。その程度の、適当なものではありますが、たまたま本記事を目にしてくださった方の、年末年始の読書の、参考ぐらいになればうれしいなあ、と思いながら書いています。


日本の小説で印象に残ったのは、朝井まかてさんの『阿蘭陀西鶴』(講談社)。まさか、自分がその年の1冊に時代ものを選ぶ日がくるとはと自分でも驚いています。それぐらい、時代ものって苦手だったんです。


この本がすっかり気に入ってしまったので、朝井まかてさんの過去作を遡って読んでみたら、闊達な文章に活き活きとした台詞回し、魅力的な人物造形と、どれもこれもいい。出会いという意味では今年最大の収穫かもなあ、などと思いながら、この年末年始は、いよいよ直木賞受賞作の『恋歌』(講談社)、そして現時点での最新作『御松茸騒動』(徳間書店)を読むつもりです。ちなみに、前者『恋歌』は装丁・造本もすばらしくて、手に持っているだけでうれしくなるような1冊になっています。


時代ものと言えば、今年の作品ではありませんがOsaka Book One Projectの大賞受賞作、高田郁さんの『銀二貫』(幻冬舎文庫)や、柴田錬三郎賞他複数受賞の木内昇さん『櫛挽道守』(集英社)も強く印象に残りました。


翻訳小説はSF以外あまりたくさんは読めなかったけど、今年4月になくなってしまった全米図書賞受賞作家、ピーター・マシーセン『黄泉の河にて』(作品社)が印象に残っています。同じ版元、同じ翻訳家(東江一紀さん)の『ストーナー』は、原書で読み始めたのですが、静かでとてもいい感じなので、読了後に翻訳でも読むつもりでいます。


SFでは、1冊ならば、アンディ・ウィアー『火星の人』(ハヤカワ文庫SF)かな。火星上でトラブルに巻き込まれた男が火星を脱出する、それだけの話を、最後までこれだけわくわく感を持続しながら読ませるとは。最新理論がばんばん出てくる小難しい作品も嫌いじゃない、というか、けっこう好きだけど、こういう「ザ・宇宙SF」みたいなのを読みたかったんだなあ、とあらためて。


SF読みの女の子が主人公という、設定だけでSF中年が萌えそうなジョー・ウォルトン『図書室の魔法』上下巻(創元SF文庫)も、すばらしかった。70年代から80年代初めぐらいの海外SFに親しんできた人なら、作中に出てくる作家名・作品名や、それらに関する記述を読むだけでも幸せな気分になれそう。内容紹介や表紙だけだと、おばかSFっぽい感じがどうしてもしてしまう、ジョン・スコルジー『レッドスーツ』(早川書房)は思わぬ拾いもので、まさか最後に泣かされることになるとは思いませんでした。各ジャンル1冊のつもりが、SFは放っておくとこのようなことに(苦笑)。


エッセイでは、黒岩比佐子さん『忘れえぬ声を聴く』(幻戯書房)が、もう「新刊」は読めないものと思っていただけに、思わぬ贈り物が届いたようで、幸せな読書になりました。


特撮関連(というジャンルを独立させているあたり、趣味丸出しですが;苦笑)は選ぶのが難しい。というのも今年は、ハリウッドゴジラに初代ゴジラ50周年というアニバーサリーイヤーということで、怪獣関連・特撮関連の本がとにかくたくさん出ましたからね。「怪獣」と入っている本はたいがい買ってきましたが、さすがにゴジラ関連は全部は買ってられませんでした。1冊を選ぶならば、やはり『成田亨作品集 The Art of Tohl Narita』(羽鳥書店)。特撮関連に入れていいかな、樫原辰郎さんの『海洋堂創世記』(白水社)も、ぼく自身はガレージキットにははまったことがないにもかかわらず、大変おもしろく読めました。切通理作さんの『本多猪四郎 無冠の巨匠』(洋泉社)は未読ですが、特撮者としては読まないわけにはいかないでしょう。


それほど熱心なコミック読みではないんですが、この記事を書くのに周りを見渡してみたら、意外に買ったり読んだりしていました。単独作品では田島列島さん『子供はわかってあげない』(講談社)かなあ、と思っていたんですが、丹羽庭さん『トクサツガガガ』(小学館)を手に取ったら、もう1話目読了時点で年間個人ベスト決定ということに。趣味に生きるというのがどういうことなのかを描いた、オタク(だけでなく、それっぽい傾向があると少しでも自覚のある方)なら、あるある必至の、身につまされ系の作品ではないかと思います。いまいちばん次の巻が楽しみな作品です。


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江戸川乱歩生誕120周年……乱歩本いろいろ

乱歩ニュースです。今年は、江戸川乱歩生誕120周年(乱歩は1894年生まれ)ということで、関連本がいくつか続きましたね。ごくごく簡単に紹介だけ。



江戸川乱歩とその時代 書影迷宮世界 乱歩書影江戸川乱歩 映像 書影
ミステリマガジン 乱歩 書影みんなの少年探偵団 書影

まずはPHPの『江戸川乱歩とその時代』。《妖しくもロマンあふれる乱歩の作品はいかにして誕生したのか。描き下ろしの挿画と時代背景でたどっていく、これまでにない乱歩案内》とあります。ざっと全体を見渡したかぎりでは、帯にある《これまで誰も書かなかった乱歩論》というほどの目新しさは感じませんが、昭和風のイラストを多用したユニークな乱歩本ではあるのかもしれません。


洋泉社からはムック2点。『迷宮世界』は《“探偵小説の鬼”江戸川乱歩の生誕120周年にあわせて、乱歩の人と作品を徹底解説。全小説114作品のマニアックレビューから、乱歩ファンの三上延氏や綾辻行人氏などの作家インタビュー、乱歩作品に登場する美女、探偵、怪人名鑑など、これまでの乱歩本とは違った視点から乱歩ワールドの魅力に迫る。陰獣、盲獣が跋扈し、蜥蜴や蠍と戯れる迷宮世界を、ご堪能あれ!》という内容。


『映像読本』のほうは、《浪漫・幻想・美女・怪奇! 映像化された乱歩の世界を徹底研究! 陣内孝則、夏木陽介、佐野史郎、嶋田久作、溝口舜亮、五十嵐めぐみ、黒沢 浩、星護、吉田秋生、丸尾末広、大槻ケンヂ各氏ほか貴重インタビュー&資料が詰まった、ミステリファン必携の書!》という内容で、おなじみ天知茂の「美女シリーズ」や映画作品など乱歩関連映像作品の情報が200頁超にぎっしり。今回紹介する5点のなかではいちばん読み応えのありそうな1冊になっています。


『ミステリマガジン』の特集は「幻想と怪奇 乱歩生誕120周年」。「短篇競作」として、乱歩の「目羅博士の不思議な犯罪」、エーヴェルス「蜘蛛」、エルクマン=シャトリアン「見えない眼 三人の首吊り人の部屋」、竹本健治「月の下の鏡のような犯罪」他を収録。


ポプラの『みんなの少年探偵団』は、《5人の人気作家が怪人二十面相に挑む! 傑作ぞろいのオマージュ・アンソロジー!》。

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来年こそは訪問レポを?!……若葉台のコーチャンフォーと神保町の書泉ブックマート

この2、3日は、今年訪問したお店で、年内にアップしておきたかった訪問レポートをせっせと上げていますが、少し前までは、町本会と『本屋会議』を理由に書店レポートを長らくさぼっていたので、ごくたまに「最近、blogに本屋さんのネタがあんまり出ませんね」などという主旨のことを言われたりすることがありました。


たしかに、blogの更新という点ではそうなんですが、この空犬通信「以外」のところで、本屋さんのことはいろいろ調べたり書いたりしていたりしていたものですから(それがムック『本屋はおもしろい!!』であったり、単行本『本屋会議』だったりしたわけです)、本人の意識のうえでは、書店に関する文章から離れたわけでもなんでもなかったんですが、たしかに、この半年ほどを振り返ると、書店に関する文章はずいぶん少なかったなあと我ながら思わざるを得ません。


さて、この数日で、少しは取り戻した感じなんですが、残念ながら、訪問自体ができなかったり、まとめることができなかったりしたお店もあります。なかには調査をしたり下書きを書いたりと準備をしていたものもあるので、それらについて、書店記事の落ち穂拾いの最後にちょっとだけふれておきたいと思います。まずは、超のつく大型店の東京エリア初進出ということで業界内外で話題を呼んだこちら。「リライアブル、コーチャンフォー若葉台店の初日は文具好調」(10/10 文化通信)。


記事の一部を引きます。《リライアブルは10月8日、初の首都圏店舗として1フロアでは本州最大級の複合店舗となるコーチャンフォー若葉台店を2013坪でオープンした》。


コーチャンフォー若葉台店は、京王相模原線の若葉台駅から徒歩5分。駅名を言われても東京西部エリア在住の方以外にはわかりにくいかもしれませんが、新宿から快速で40分ほどの駅で、住所でいうと稲城市になります。


若葉台 全面

↑全国紙にこんな全面広告も出ました。


早速同店を訪問した知り合い書店員や出版営業マン数人から、感想は聞いているのですが、伝聞をここで披露しても意味がありませんので、やはり実際に訪問してから、あらためて機会があれば取り上げたいと思います。


もう1つ、紹介しておきたいのは、こちら。「本の街・神保町にある大型書店「書泉ブックマート」が10月4日に大幅リニューアル! BLなどに特化した女性向け店舗に」(9/2 アキバ総研)。


記事の一部を引きます。《"本の街"として知られる神保町のなかでも一際目立つ大型店である書泉ブックマート。2012年9月に"神保町最大級のコミック/ラノベ館"としてリニューアルしたが、2014年10月4日に女子向け店舗に生まれ変わるという》。


神保町で女子(女性)向けに特化した例としては、東京堂書店の支店、シェ・モアの例がありました。途中リニューアルもはさみながら、神保町にはそれまでなかったユニークな品揃え・雰囲気のお店としてしばらくがんばっていましたが、結局2013年に閉店。ターゲットを絞ったお店の難しさが露呈した例となってしまいました。今回も同じ神保町・すずらん通り沿いで、女性向けではありますが、シェ・モアとは方向性がかなり異なるようです。


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神楽坂の話題の本屋さん、かもめブックスを訪問してきました

今年、とくに後半に東京近郊にできた新刊書店のなかでは、もっとも話題を呼んだものの1つでしょう。「神楽坂に校閲会社が手掛ける新書店「かもめブックス」-カフェなども併設」(12/5 市ヶ谷経済新聞)


かもめブックス 1かもめブックス 5かもめブックス 4

↑夕暮れなので、まっ暗ですが、お客さんがたくさんいるのがわかります。


かもめブックス 2

↑「週刊新潮」「新潮文庫」の看板に前の店の面影が……。


かもめブックスは、地下鉄東西線の神楽坂駅近く、4月に閉店となった文鳥堂書店の跡地にできた新刊書店。文鳥堂時代にはなかったカフェとギャラリーが併設されています。


Webでは実にたくさんの関連記事を目にしましたが、上のものがよくまとまっていて、お店の様子がよくわかるようですので、少し引いてみます。


《店名は同店を運営する書籍校閲専門会社「鴎来堂(おうらいどう)」(矢来町)の鴎(かもめ)から。2014年4月5日の文鳥堂書店閉店から3日後に、その跡地での開店を決めたという。売り場面積は約41坪。ショップインショップとして、カフェ「WEEKENDERS COFFEE All Right」とギャラリー「ondo kagurazaka」を併設する》。カフェとギャラリーはショップインショップなんですね。


気になる書店部分の品揃え・方向性についてはこんなふうに書かれています。《「本を読まない人に、読書という習慣を取り戻してもらう入り口になれば」と店主の柳下恭平さん。新刊書店だが、良い本をじっくりと紹介し、新しい本との出会いを丁寧に提供。書店従来の新刊を優遇した売り場作りとは異なる、「レコメンド/感動を伝える」と「リマインド/感動を想起させる」を意識した売り場を目指す》。


《「本を選ぶよりも棚を編集するほうが苦労した」という本棚では、大小さまざまな特集を行う》。ここでいう「特集」は新刊書店でいうフェアのことと思っていいでしょう。《店頭の大きな棚では「雑誌の巻頭特集」ならぬ「本屋の店頭特集」を展開。最初の特集は、校正・校閲の会社が始めた書店らしく「日本語のこと」「本を作ること」。特集は3〜4週間ごとに更新する予定だ》。ぼくが訪問したときは、いわゆる本の本だけでなく、専門的な本にフィクションなども混ぜたおもしろいセレクトになっていました。残念ながら『本屋図鑑』は見当たらず。


《書店のスペースを20坪ほどに絞り込んで併設したカフェやギャラリーは、「本を読まない人のための入り口」でもある。「コーヒーを好きな人がカフェの雰囲気のまま奥へ入って来てくれたらうれしいし、ギャラリーのアートで日常とちょっと違う体験をした後に本を見てもらうのもいい。いろんな入り口を用意して、日々地元の人たちに立ち寄ってもらえる場所にしたい」という》。それが日常の光景なのかどうかはわかりませんが、ぼくが立ち寄ったとき(土曜日の午後でした)は、店内はたくさんのお客さんでいっぱいで、驚いたのは、ベビーカーをおした若いお母さんが複数いたこと。カフェの席も埋まっていましたし、奥のギャラリーにも複数のお客さんがいました。


Webでの取り上げられ方や周囲の評判・感想などを聞くと出足は好調のようで、驚いたことにすでに拡張の予定もあるようです。記事には《2015年には、同ビル2階にコミック専門フロアもオープン予定》とありました。


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都内の有隣堂といえばこのお店……アトレ恵比寿店リニューアルオープン

ひと昔前までは、神奈川の本屋さんというイメージの強かった有隣堂ですが、気がつけば都内にいくつもお店ができていて、しかも、それらがみな個性的ですてきなお店ばかり。なかでも、このアトレ恵比寿店は、都内の本好きにも人気の高い、有隣堂の都内の店舗を代表するお店の1つといっていいでしょう。恵比寿にはあんまり用事のない身なんですが、有隣堂アトレ恵比寿店に寄りたくて恵比寿で降りたりすることがあるほどです。


そんな有隣堂アトレ恵比寿店がこの秋、改装に。いっときは、店内の一部を囲った状態で、営業しながらの改装工事が進められていましたが、10/30にリニューアルオープンとなりました。忙しくてなかなか訪問の機会を作れずにいたのですが、先日、町本会シンポジウムの前に時間がとれたので、大急ぎでのぞいてきました。


有隣恵比寿 リニューアル3有隣恵比寿 リニューアル2有隣恵比寿 リニューアル1

↑通路から撮らせてもらいました。左はスタバとの位置関係のよくわかる1枚。中と右は雑貨の扱いが増えていることがよくわかるものになっています。


場所は同じですが、雑貨の扱いが増え、カフェ(スタバ)が併設されましたので、その分、少し小さくなったという印象でしょうか。レジが少し奥に引っ込み、手前に雑貨の台が置かれるようになったため、アプローチの際の見た目の印象は少し変わりましたが、店内をざっとひと回りしてみると、これまでの利用者をとまどわせるような変化ではないように感じました。書籍の棚もきちんとしたもので、単に本を減らして雑貨を増やしたといった、そんな単純な路線変更でないことがすぐにわかります。


店内に、ドリンクのカップを置くスペース(くぼみ?)のあるカウンター席がありました。これは、カフェのドリンクを書店スペースに持ち込んで、精算前の商品を読むことができるようにするためのもののようでした。いいアイディアだと思いましたが、ぼくが訪問したときには、レジにかなり長い行列ができるほど店内にたくさんのお客さんがいたのに、あまり使われていなようでした。(しばらく観察していましたが、場所の使い方がまだ認知されていないような印象を受けました。)


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渋谷に新刊書店の路面店が……紀伊國屋書店西武渋谷店オープン

先日、紀伊國屋書店西武渋谷店を、オープン初日に訪ねてきました。まずは関係者のみなさま、オープン、おめでとうございます。


141212 紀伊國屋西武渋谷 正面入り口

↑こちらが公園通り側の正面入り口。


141212 紀伊國屋西武渋谷 サイド入り口141212 紀伊國屋西武渋谷 サイド入り口2

↑こちらは間坂(「まさか」。井の頭通りから公園通りに抜ける、ロフトの脇の坂。名前がついているなんて知りませんでした)側の入り口。併設のカフェが見えます。


紀伊國屋書店西武渋谷店、場所は、西武渋谷店パーキング館(というのだそうです)の1階でワンフロア。170坪。ふらりと寄るには、このサイズの路面店というのは使いやすくていいですね。


初日の店内の様子ですが、平日午後の時間帯としてはけっこうお客さんが入っているように見えました。お店には、井の頭通りのLOFTのほうから行ったんですが、わかりやすく案内が出ているせいか、通行客にも新しい書店の存在が認知されているようでした。


141212 紀伊國屋西武渋谷 案内LOFT141212 紀伊國屋西武渋谷 案内

↑井の頭通りのほうから向かうと、LOFTの脇にこのような大きめの案内が出ているのが目に入ります。右は、お店がブック&カフェであることを示す案内。


店内は、通路に余裕がもたせてあり、本もそれほどぎっしり詰め込んだ感じではないのでしょうか、実際のサイズよりも広く見えます。ただ、店内にも段差がありますし、フロアの形状は割に複雑。元はアパレルが入っていた場所ということで、天井は、場所によってはダクトなどがむき出しで、それが、書棚のすぐ上にあったりします。書店としては、すごく使いやすいスペースというわけではなかったのかもしれませんが、配置の妙か、店内は回遊しやすいように工夫されています。


品揃えについて《特徴は、芸術書、音楽書、写真集などの芸術分野を充実》《時代の先端を捉えた雑誌や芸術詩、音楽誌を強化》《外国人に人気があるコミックを充実》といった文言が複数の報道で目につきました。この日、ざっと店内を見たところ、雑誌コーナーの通路中央で展開されていた洋雑誌バーゲンは目につきましたが、とくに、前述のジャンルが突出して充実している感じや、関連のフェアが目立つような感じは、正直なところ受けませんでした。紀伊國屋らしい手堅い品揃えで、これといった漏れは目につかないものの、印象に残るところもまだそれほどない、という感じです。


ただ、本来、棚というのは、お客さんとのやりとりのなかで作られていくものだと思います。その意味では、土日をまだ一度も経験していないような、開店半日ほどの初日の印象で何かを判断したりすべきではありませんし、お店のみなさんにとってもそのような評価や感想は本意ではないでしょう。街のお客さんに合わせて、これから、報道にあるような路線強化が行われていくのでしょう。3か月後、半年後ぐらいにいけば印象が変わっているはずで、むしろ、そのころにあらためて拝見するのが楽しみな感じを受けました。


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町本会blogに夏葉社島田さんの活動終了報告+御礼の記事が

町本会(町には本屋さんが必要です会議)のblogに、夏葉社・島田さんからの町本会活動終了報告とみなさんへのお礼の記事が上がっています。「『本屋会議』ができました(夏葉社・島田)。」(12/29 町本会blog)。


島田さんらしい、やさしいあたたかいことばで綴られた一文なので、町本会を応援してきてくださったみなさん、町本会に興味を持ってくださったみなさんにはぜひ全文を読んでいただきたいのですが、ちょっとだけ、ぼくも思わず、そうそう、そうだよなあ、などと独り読みながらうなずいてしまった箇所を引いておきます(表現はママですが、改行などは調整しています)


《ぼくが多くの時間と交通費をかけて「町本会」をやり続けた理由は、とても単純で、やっぱり、ぼくは、「町の本屋さん」に恩を感じているからです。町に本屋さんがあって、ぼくは本が好きになりました。町に本屋さんがなければ、ぼくはこんな仕事をしていなかったし、もっといえば、ぼくの生活はもっと暗いものだったように思います。本に救われたというよりも、本屋さんに救われた、というのがぼくの実感です。子どもたちにも、そうした場所があってほしい、と願っています》。


《漠然と、「本」全般を、「本屋さん」全般を、考えるのではなく、自分の好きな「一冊の本」のこと、「一軒の本屋さん」のことを考えることのほうが、より具体的な未来です。『本屋会議』は、その考えるためのヒントを、可能な限りたくさん詰め込んだ本だと思っています》。


《ひとりでも多くの方が読んでくれることを、願っています》。『本屋会議』と町本会に関わった1人として、同じことを願っています。


銀座の教文館/ナルニア国でクリスマス絵本の買い物を

本屋さんのことを書きたくて、その店で働く書店員さんたちのことを書きたくて続けてきたはずのこのブログ。最近は、ぜんぜん本屋さんの紹介ができていません。すでにご報告している通り、本業のほうでこの夏に異動があって部署・職種が変わり、以前のように書店回りができなくなってしまったことに加え、今年は町本会と『本屋会議』に関わる諸々にどっぷりで、夜も休みの日も原稿書きや校正ばっかりしていた、ということもあり、とにかく本屋さんに行く時間がとれない。これでは本屋派は失格ですよね……。


町本会シンポジウムも終了、『本屋会議』も無事刊行。気持ち的にも余裕ができてきたので、また本屋さんのことを書きたいなあ、と思うのですが、何かが自分の中から抜け落ちてしまったかのようで、何を書くにもなかなか力が入りません……。


さて、そんな(神保町と吉祥寺・三鷹以外の)本屋さんに行けない日々をこの数か月送ってきたわけですが、今月の初め、銀座に用事があった折、少し早めに出かけて、教文館をのぞいたら、とても楽しくて、ああ、やっぱり本屋さんはいいなあ、などと、今さらながらに思ったりしたものですから、ちょっと時間はたっているのですが、そのときのことを簡単にまとめておきます。


141207 ナルニア 入り口

↑「ナルニア国」の入り口。


お目当ては、6階「ナルニア国」のナルニアホールで開催されていた「2014年・出久根育YEAR!最終回『こうさぎと4ほんのマフラー』 原画展」(12/25で終了しています)。出久根さんが絵を手がけている『こうさぎと4ほんのマフラー』 (のら書店)の原画を見ることができました。


141207 ナルニア 原画展看板141207 ナルニア 原画展チラシ

教文館は、銀座に用事があるときは必ず寄る店の1つです。時間がないときは、2階だけで済ませてしまうのですが、この日は時間に余裕があったので、2階も6階「ナルニア国」もゆっくり見ることができました。「ナルニア国」は、教文館の児童書売り場の名称で、サイトにあるお店の自己紹介では、こんなふうに説明されています。《1998年には8階にロングセラーを中心とした「子どもの本のみせナルニア国」を設け、2002年には6階に過去1年間に出版された子どもの本が一覧できる「子どもの本新刊コーナー」を開設しました。そして2004年3月、二つのフロアを合わせ、6階にロングセラーから新刊書まで約15,000冊を取り揃えた子どもの本の専門店をオープンいたしました》。


高さをおさえた、子どもの目線に合わせた絵本の棚。レーベル・作家・ジャンルなどで丁寧に分けられた読み物の棚。子どものころに通った児童館や図書室の児童スペースを思い出させるような品揃えとあったかい雰囲気。奥には、先にふれた、原画展などに使われるイベントスペース「ナルニアホール」もあります。児童書好きなら、いくらでも長居できそうです。


しばらく前のものですが、同店がどんなお店かよくわかる記事がありましたので、ご紹介しておきます。「創業129年「教文館」 本が売れない時代の老舗書店の哲学」(1/16 ZAKZAK)。


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「小さな出版社のおもしろい本」がおもしろい

おもしろいテーマのムックが出ましたね。



小さな出版社の 書影

個人的によく知っているところから、本書で初めてその名を知るところまで、全国の小さな出版社125社とその出版物が紹介されています。これは、いいテーマだなあ。地方出版・小出版関係の本はないわけではないですが、特定の地方にフォーカスしてまとめられた専門的なものが多かったように思います。本書のように、全国の出版社を取り上げ、社とその出版物をカラー写真を使って、一般読者にもその魅力が伝わりやすいよう、わかりやすくまとめたものは、初めてではないでしょうか。単純に、読んでいて楽しいし、さらに、後々、資料としても貴重なものになりそうな気がします。


「8つの小出版社の物語」と題する章では、岩田書院、ミシマ社ら、8社にスポットがあてられています。アルテスパブリッシング、夏葉社も取り上げられています。このほか、どんな社・地方雑誌・リトルプレスが取り上げられているかは、版元の紹介ページに目次があがっていてそちらで見られますので、ご覧ください。


出版社にスポットをあてたつくりですが、「地域に光を当てた良書を読者の元へ 小さな出版社の本を応援する地元書店」、「一度は利用したい素敵な読書空間 美しすぎる地方図書館」、「小さな出版社が手がけるブックカフェ 本と珈琲で心満たされる時間」といった、本にふれる場所に関する記事もあります。


本の世界の魅力を多面的に伝える、いいムックだと思います。本好きのみなさんは、本屋さんの店頭で見かけたら、ぜひ手にとってみてください。


屋号の使い分けは? ジュンクは?……丸善書店・ジュンク堂書店、「丸善ジュンク堂書店」に

この件は重要な案件ということで、先の書店関連ニュースのまとめからは独立させました。



記事を引きます。《12月24日開催の丸善CHIホールディングスの取締役会で完全子会社である丸善書店とジュンク堂書店の合併を決議した。主力である書店事業の管理・本部業務を統合し、業務効率化の向上のほか、出店戦略やブランド戦略などの経営施策実行の迅速化を図る。同日付で合併契約を締結し、来年2月1日に実行する。今回の合併は丸善書店を存続会社とする吸収合併方式とし、ジュンク堂書店は解散する。新商号は「株式会社丸善ジュンク堂書店」》。


将来は完全に1つの書店・組織になるのかもしれない……その可能性は、同一グループになった時点で当然予想されたことですから、衝撃だとかショックだとか、そんなふうには思いません。ただ、どちらの書店にも思い入れのある身としては、もしもどちらかの名前が消えてしまうようなことになるのだとしたら、それはやはりさびしいことですよね。


現在は、店舗によって複数の屋号が使い分けられている状態ですが、これが今後、どのように「整理」されることになるのか、気になります。新文化の記事の最後には、《屋号は店舗規模・立地などを勘案し、「丸善」と「ジュンク堂書店」を使い分ける》とありますから、「解散する」とされている「ジュンク堂書店」も屋号としては存続するらしいことがわかります。


大きな違いがあるわけではないですが、参考までに、他の記事をいくつかあげておきます。



新刊書店関連ニュースのまとめです

朝のツイート用に集めたニュースで、流せなかったもののうち、書店関係だけまとめてみました。



記事の一部を引きます。《2014年12月5日(金)に開業する「イオンモール岡山」に児童書専門店「みらいやのもり岡山店」を出店します。「みらいやのもり岡山店」は総合書店から独立した初の単独出店タイプです。"めばえときずなを育む場所”をコンセプトに、児童書、知育玩具、雑貨等を提供。専門スタッフが迷いがちなお子さまへのプレゼント選びもサポートします》。


《児童書専門店として品揃えだけでなく、従来の未来屋書店よりも更に専門性をもったスタッフによるお買い物サポートも実施。何を買ってあげたら良いか迷いがちなお子さまへのプレゼント選びもサポートします。「みらいやのもり」は今後も未来屋書店の出店戦略を担う業態として大型商業施設を中心に出店を加速していきます》。


ショップインショップ型ではなく、単独型の専門店、というのが目を引きます。どのようなお店なのか、ぜひ実際の様子を見てみたいものです。



《金沢市鞍月の金沢ビーンズ明文堂書店で二十一日、ネット動画配信サイト「ニコニコ動画」と連動したさまざまな企画を行う「ニコニコ書店会議」が開かれ、約三千人が来店した。全国十カ所の書店で行われる限定イベントで、北陸では同店が唯一の開催店》。


全国あちこちの書店で開催されている「ニコニコ書店会議」。どんなイベントなのか一度見てみたいなあと思いつつ、なかなかチャンスがないのですが、それにしても3000人というのはすごい来客数ですね。



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100円均一ショップ+新刊書店

今日、用事で西武新宿線の狭山市駅を通ったので(ほんとに、ほぼ「通っただけ」です)、駅ビル「Emio(エミオ)」の中に入っている本屋さん、芳林堂書店に寄ってきました。


141228 芳林堂 狭山

書店回りをするような時間も予定もなかったので、事前に調べていったわけではないのですが、たしか、狭山の駅ビルの本屋さんと言えば書原だったのでは……と思って、過去記事を見てみたら、ずいぶん前ですが、記事でふれていたこともありました。


調べてみると、書原狭山店は今年の6/30に閉店になったそうです。跡地に入ったのが、芳林堂書店エミオ狭山市店とのこと(現時点では、正式な開店日はわかりませんでした)。同店、写真にも「100」の文字が見えていますが、店内に100円均一ショップ(CAN★DO)が同居する複合型店舗。隣り合っているのではなく、完全に同一店舗内に同居するかたちになっていて、レジも同一(共通)のようでした。売り場も、はっきりと分けず、100円均一の棚の一部と書店の棚が交差するような場所も見られました。


ローソンとフタバ図書の提携による一体型店舗展開など、コンビニ+書店の複合店は今後増えていくでしょう。コンビニ以外にも、こういうタイプの複合店もあるんですね。


どういう経緯なのか、くわしいことを知りたいなと思ったんですが、芳林堂書店のエミオ狭山市店の紹介ページはあっさりしたもので、「CAN★DO」についてはひとこともふれられていませんでした。ほかに検索してみると、 所沢駅ビル店も同じスタイルなのか、「+CAN★DO」となっていました。


芳林堂 書皮+しおり

↑芳林堂書店は、書皮だけでなくしおりもお店のオリジナル。

来年1月に人文会関連の講演会が……「人文書の「星座」とブランド・イメージ 「ちくま学芸文庫」の経験から」

ぼくもときどきお世話になっている人文会。その人文会の協賛で、来年、こんな講演会が予定されているそうです。


    【ユニコムプラザさがみはら オーサーズカフェ】
    人文書の「星座」とブランド・イメージ -「ちくま学芸文庫」の経験から-
    日時:2015年1月24日(土)14:00〜15:00
    講演:筑摩書房・代表取締役社長 熊沢敏之氏
    会場:ユニコムプラザさがみはら
    相模原市南区相模大野3-3-2 ボーノ相模大野サウスモール3階
    042-701-4370
    主催:ユニコムプラザさがみはら
    協賛:紀伊國屋書店・人文会

人文会の資料によれば、講演内容はこのようなものだそうです。《時代を画した企画を振り返るとき、そこになにやら編集意図のようなものが浮かび上がってくることがある。小さな冒険や試行の繰り返しが積み重なって、まるで夜空に浮かぶ「星座」のような模様を描き出すからだろう。1990年代の「ちくま学芸文庫」を眺めていると、読者と編集者とが作り出すブランド・イメージのようなものが現れてくるにちがいない。専門書出版社として伝統のある筑摩書房、編集者出身でもある社長自らが本づくりへの思いや編集秘話をお話しします》。


会場のユニコムプラザさがみはらは、ぼくは行ったことのない場所ですが、小田急線の相模大野駅からすぐのbono相模大野サウスモール内にあるようです。アクセスマップはこちら。事前申込み不要の無料セミナーとのことです。《専門書出版社として伝統のある筑摩書房、編集者出身でもある社長自らが本づくりへの思いや編集秘話》が聞ける貴重な機会です。興味のある方はお出かけになってはいかがでしょうか。わたくし空犬も参加の予定です。


もう役目を終えたような気も……

体調不良で数日連続で休んでしまった、朝の出版・書店業界情報ツイート。朝ツイートといっても、最近は、前日、前々日に集めたものを夜中にまとめて整理、予約投稿しているので(酔っ払って遅くなった日もがんばっていたりするもので、これがけっこうつらいこともあるのです……)、単に朝流れているというだけで、速報性も何もないものになっているのですが、あの時間帯にご覧になる方が多いようなので、投稿時間はそのままに続けてきたものです。


体調不良による中断で、なんとなく、いつのまにか今年の分が終わってしまったような格好になっていますが、とりあえず年内の分はこれで終了としたいと思います。ダウンする前に集めたものはあるのだけれど、数日遅れで流すのもどうかと思うしなあ。もったいない気もするので、もしかしたら、年内に書店関係だけでも空犬通信にまとめて載せるかもしれませんが、ちょっと考えます。


さて、来年はどうしたものか。以前はたまに休むと、今日はないの?とか、どうしたの?みたいに心配してくださる方がいたりして、それなりに読んでくださる方の手応えもあったりして、それでやめられずに続けてきたようなところもあるんですが、今回なんて、数日休んだけど、とくに大勢に影響なさそうだしなあ(苦笑)。再開するとすれば、仕事始めの日(1/5(月)からかなと思っているのですが、もうこの手の情報発信の役目は終わったような気もしていて、ちょっと悩み中です。


『散歩の達人』で吉祥寺特集……吉祥寺の書店と吉っ読が登場する記事も

吉祥寺の書店、それに「吉っ読」まで取り上げてくださるということで、発売前から楽しみにしていました。



散歩の達人 吉祥寺案内 書影

『散歩の達人』1月号の特集は「おとな的に正しい吉祥寺案内」。特集内の記事「意外な発見が楽しい本屋さん」で、ライターの屋敷直子さんが、4ページにわたって、吉祥寺の古書店・新刊書店を紹介してくれています。わたくし空犬も、BOOKSルーエの花本氏と一緒に取材を受け、書店関連の情報提供で協力させていただきました。


記事で取り上げられているのは、百年、すうさい堂、よみた屋、トムズボックス、青と夜ノ空といった吉祥寺の人気古書店・専門店。本文中では、吉祥寺の新刊書店と、吉祥寺書店員の会「吉っ読」にもふれられています。


本屋さん関連以外にも、「吉祥寺昼散歩」「吉祥寺夜散歩」「カレー激戦区の個性派4皿!」「昼から夜までハモニカ横丁三昧」「なぜこの店のコーヒーはこんなにも旨いのか?」「香ばしい建てもの図鑑」「昭和〜現代 吉祥寺のうつろいを辿る」「井の頭公園で野鳥観察の一日」など、吉祥寺好きなら気になる記事がずらり。


店頭で見かけましたら、ぜひ手にとってみてください。



「第7回MOE絵本屋さん大賞2014」贈賞式に出席してきましたよ【更新】

先日、知り合いに誘われて、「第7回MOE絵本屋さん大賞2014」の贈賞式に出席してきました。


この「MOE絵本屋さん大賞」、今回が7回目。絵本・児童書好きの間ではよく知られている賞だと思うのですが、一般的な知名度という点では誰もが知る賞というわけではないかもしれません。賞の主催者で、『月刊MOE』の発行元でもある白泉社の取材資料によれば、この賞は、《月刊MOEが、全国の書店・絵本専門店の児童書売り場担当者1900 人にアンケートを実施し、もっとも支持された絵本30 冊を決定する年間絵本ランキング》。選考委員型ではなく、現場の声を集めた本屋大賞タイプの賞ということになりますね。『MOE』のサイトの記事、「「第7回 MOE絵本屋さん大賞2014」贈賞式開催!」も参考にどうぞ。


MOE 贈賞式 看板MOE 贈賞式 冊子

会場は、東京・水道橋にある東京ドームホテル地下のシンシア。テレビカメラも含め、たくさんの取材が入っていました。


式は、『月刊MOE』の編集長、八巻さんのあいさつ、1〜5位の受賞者紹介、豊田エリーさんによるクリスタル楯の贈呈式、白泉社の社長、大塚さんのお祝いのことば、受賞者のあいさつ、詩の朗読と続きました。


ちなみに、1〜5位は、以下の通りです。
第1位『へいわってすてきだね』
    安里有生/詩 長谷川義史/絵 ブロンズ新社
第2位『ノラネコぐんだんきしゃぽっぽ』
    工藤ノリコ/作 白泉社
第3位『うんこしりとり』
    tupera tupera/作 白泉社
第4位『うみの100かいだてのいえ』
    いわいとしお/作 偕成社
第5位『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』
    高野文子/作・絵 福音館書店
第5位『おおかみだあ!』
    セドリック・ラマディエ/文 ヴァンサン・ブルジョ/絵 谷川俊太郎/訳 ポプラ社


1位の『へいわってすてきだね』について、白泉社の資料にはこのような説明があります。《沖縄県平和祈念資料館がつのった「平和へのメッセージ」によせて当時小学1 年生だった安里有生くんが書いた詩を絵本にしたものです。今回は、沖縄から安里くん本人がMOE 絵本屋さん大賞贈賞式に来場し、みんなの前でスピーチと詩の朗読を行います。純粋な小学生が望む平和への願いは、沖縄県民そして全国民共通の思いでもあります。ぜひこの機会に取材いただき、平和の輪を広げていただきたいと思います》。


安里有生くんは、沖縄在住の小学校2年生。お母さんに付き添われての参加でしたが、大人ばかりの会場で、しかも、カメラまでたくさん向けられて緊張してしまったのでしょう、詩の朗読のときには少し涙声になってしまっていました。本人にはきっとつらくて大変だったのだろうと思うのですが、それがむしろ会場の感動を誘っていた感じでした。安里有生くん、がんばったね。会場には、第5回から賞のシンボルキャラクターをつとめるミッフィーも来ていて、『月刊MOE』の編集長、八巻さんのあいさつのときには壇上にも一緒に上がっていたんですが、ミッフィー、こんなときこそ、横に来て朗読の間、ついていてあげればよかったのに!、などと思ってしまいました。関連記事も併せてどうぞ。「沖縄戦追悼式で反響の詩、絵本大賞1位に 作者は小2」(12/21 朝日新聞)。


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さらばミラノ座……『新宿ミラノ座より愛をこめて 〜LAST SHOW〜』が始まりました

『新宿ミラノ座より愛をこめて 〜LAST SHOW〜』、初日初回の『E.T. 20周年アニバーサリー特別版』を観てきた。(以下、今回の記事は、本にも本屋さんにも関係のない話題です。)


新宿ミラノ座 外観

↑ひどい写真ですが、並んでいる人たちを見て、入り口に急ぎながら撮ったもので……。


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『本屋会議』が発売になりました

とうとう、発売になりました。


    『本屋会議』
    著者:本屋図鑑編集部編(空犬太郎/島田潤一郎)
    夏葉社
    並製・四六判・248ページ
    定価:1700円(税抜)

cover_本屋会議

本の詳細については、夏葉社の書誌情報のページと、空犬通信のこの記事をご覧ください。夏葉社の新刊チラシは、こちらからPDFのダウンロードができます。


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ツイッターを見ていると、全国あちこちの本屋さんで入荷した、いま並べた、という報告が目につき、うれしいかぎりです。まだ店頭での様子はほとんど確認できていないのですが、先週、町本会シンポジウムを開催、本の先行販売もしてくださった東京・神保町の東京堂書店では、入り口近くの台で、こんなにたくさん積んでくださっています。しかも、ほかの「本の本」の新刊と一緒に。感激です(涙)。


本屋会議 東京堂書店

『本屋図鑑』のときとちがって、今回は、刊行記念のフェア・イベントなどは、自分で企画したbeco talk以外は、ほとんど何も決まっていないのですが、現時点でわかっているものだけ、簡単にまとめておきます。(『本屋会議』の関連イベント・フェアなどは、ある程度数がまとまりましたら、別途独立記事にまとめてご案内する予定です。)


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「珍書」でビブリオバトル?!……阿佐ヶ谷ロフトで「珍書ビブリオバトル」が開催されます

来年のイベントのご案内です。


    「珍書ビブリオバトル」
    日時:2015年2月7日(土)
    OPEN 18:00 / START 19:00
    会場:阿佐ヶ谷ロフトA
    前売¥1,600 / 当日¥1,900(共に飲食代別)
    出場者:
    ハマザキカク(社会評論社、珍書プロデューサー)
    とみさわ昭仁(特殊古書店マニタ書房、ライター)
    どどいつ文庫イトー(海外書籍販売員)ほか
    &一般より公募した出場者4名
    司会:
    空犬太郎(空犬通信、編集者・ライター)
    亀山綾乃(ビブリオバトル普及委員会、Tokyo Biblio)

珍書ビブリオバトル チラシ

全国あちこちで開催され、本のイベントとしてはすっかり定着した感のある「ビブリオバトル」。知らない方もいるでしょうから、サイトから説明を引いておきましょう。


《立命館大学情報理工学部准教授の谷口忠大氏が2007年に提唱した「知的書評合戦」。4〜5人が自分のプレゼンしたい本を持って集い、順番に1人持ち時間5分で紹介。その後、会場からの質疑応答で2〜3分のディスカッションを行う。「どの本を一番読みたくなったか?」を基準に投票を行い、多数決でチャンプ本を決める》。もっとくわしく知りたいという方は、公式サイトをご覧になるといいでしょう。


今回の「珍書ビブリオバトル」はこんな内容です。《前回、大盛況&大好評だった書評ゲーム「ビブリオバトル」がさらにパワーアップして阿佐ヶ谷ロフトAに帰ってきました! 今回のテーマは「珍書」。第1ゲームは一般の珍書ファンからバトラーの募集を行い、チャンプ本に選ばれた方には第2ゲームのゲストバトルで、珍書ウォッチャーのゲストと対戦していただきます。会場にいる全員に質問権と投票権が与えられますので、一緒にゲームをお楽しみください。白熱の書評バトルで選ばれたチャンプ本はまさに「本のイグノーベル賞」!! ビブリオバトル終了後にはゲストとの交流や著書の販売&サイン会も開催します》。


テーマが「珍書」ということで、『ベスト珍書』を出したばかりのハマザキカクさんをはじめ、珍書界ではその名を知らぬ人がいないという感じの珍書強者のみなさんが、出演者に名を連ねています。これは、珍書マニアはもちろんのこと、珍書のことをあまり知らない、ちょっとのぞいてみたい、という方にもおもしろそうですね。ちなみに、「珍書」は、今回のイベントにおいては、次のように定義されています。


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12月になると

町本会シンポジウムが終了、やや放心&脱力状態の空犬です。ところで。もう10日以上も過ぎたいまごろなんですが、12月、ですね。


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町本会シンポジウム、無事に終了しました

1年間続けてきた町本会の活動のまとめ、町本会シンポジウムが12/12、神保町の東京堂書店で開催されました。


無理を言って、同店の通常のイベントよりもたくさんの予約を受けていただいたため、当日の会場は、通路にも補助席が出るほどの超満員となりました。関東近郊だけでなく、愛知や関西から駆けつけてくださった方もいらっしゃるなど、にぎやかな会になりました。


町本会シンポジウム 案内

出演は、さわや書店フェザン店の田口幹人さん、紀伊國屋書店グランフロント大阪店の星真一さん、往来堂書店の笈入建志さん、そして、夏葉社の島田潤一郎さん。


町本会シンポジウム 島田さん

↑司会・進行役をつとめた町本会発起人の島田さん。


町本会シンポジウム 出演者

↑出演者のお三方。左から、田口さん、星さん、笈入さん。みなさんいい顔をしています。


トークは、ここで簡単にまとめることはできないぐらい中身の濃いもので、企画・主催側の予想や期待をはるかに上回る、すばらしいものでした。ユーモアを交えながら次々に印象的な発言を繰り出す田口さん。田口さんや笈入さんの話題を見事に受けながら、わかりやすいことばで持論を展開する星さん。自分が何か一つ町本会の活動に貢献できたことがあるとしたら、それは田口さんと星さんのシンポジウム出演をとりつけたこと、それだけかもしれません。でも、たとえそれが唯一の貢献だったとしても、それで十分だったのではないかと思えるほど、お二人の話はすばらしいものでした。


田口さん、星さん、笈入さんが口にしたことばの中には、書き留めておきたくなるようなものがたくさんありましたが、そのなかから、1つだけ、田口さんのこれを紹介しておきたいと思います。
「だって、楽しいもん、本売るの」。


終了から半日もたたぬうちに、早くもこんなすばらしいまとめを作っていただきました。「町には本屋さんが必要です会議」シンポジウム@東京堂ホール(2014年12月12日)」。ゴロウ(@bookseller56)さん、ありがとうございます! トークの内容についてはぜひこちらをご覧ください。


町本会シンポジウム 本屋会議

↑ほんとに出るのかなあと、ぎりぎりまで不安だった『本屋会議』(夏葉社)も無事(といっていいのかどうかわかりませんが;苦笑)できあがりました。写真は、打ち合わせの場で初めて本を手にしたところ。


町本会も『本屋会議』も、始めてみたはいいものの、実際に企画したり執筆したりの段になると、イベントも本の執筆も予想以上にしんどくてつらくて大変で、何度もへこたれかけました。でも、シンポジウム開催まで、『本屋会議』刊行まで続けてきたよかったなあと、心からそんなふうに思えた一日でした。


シンポジウムに参加くださったみなさま、この1年に各地で開催された公開会議に参加してくださったみなさま、今日まで町本会を応援してくださったみなさま、関心を持ってくださったみなさま、本当に、本当にありがとうございました。


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いよいよ明日です!……町本会シンポジウム&『本屋会議』先行発売

明日12/12は、町本会シンポジウム開催日で、『本屋会議』(夏葉社)の先行発売日で(いずれも東京堂書店にて)beco talk「『本屋会議』ができるまで」の予約受付開始日です(西荻窪beco cafeにて)


今年の1月に、1年限定で始めた「町本会」こと「町には本屋さんが必要です会議」。来年1月のトークイベントはありますが、会の活動としては、明日のシンポジウムが最後となります。取材にイベントにと全国を駆け回っていた島田さんに比べたら、こちらは何もしていないに等しい程度の関わりでしかありません。それでも、イベントの企画や本の企画・執筆に追われた1年で、これほど真剣に本屋さんのことだけを考える機会はもうないのでは、というぐらい、本屋さんのことに向き合い続け、考え続けた1年でした。


町本会シンポジウムのほうはただの裏方で、ぼくは出演するわけでも司会をするわけでもなんでもないのですが、町本会の活動1年のまとめ、集大成のイベントです。しかも、東京堂ホールのみなさんには無理を言って、ふだんよりも少し多めに予約を受けていただきましたので、会場は超満員。関係者としては、やっぱりちょっと緊張します。明日は、裏方の一人として、がんばります。


明日、シンポジウムにご来場のみなさま、会場は満席です。開始ぎりぎりに来られますと、開始時間までに会場に入れなかったりする場合もありますので、時間には余裕を見てお出かけください。


会場では、町本会の活動をまとめた新刊『本屋会議』(夏葉社)の先行販売があります。明日の時点では、シンポジウム会場の東京堂書店でしか手に入らない1冊です。お買い上げいただけるとうれしいです。島田さんのサイン本も用意する予定です。


それでは明日、神保町でお目にかかれますよう。


本との出会い

どちらかというと、文字派なもので、コミックについてはそんなに熱心な読者ではないんですが、ふと本棚やリビングを見渡してみると、新刊が出ると必ず買う作品、親子・家族で愛読している作品がそれなりにあることに気づきました。


最近買ったコミック1最近買ったコミック2第七8
ともきんす、ちはやすみれファンファーレ5トクサツガガガ1

↑最近買ったコミックたち。これらはみなお気に入りの作品で、とくに石黒作品『それでも町は廻っている』『木曜日のフルット』は親子で楽しんでいます。


新刊情報はまめにチェックしているほうですが、コミックまではなかなか手が回りません。だから、本屋さんの店頭で、いつも買っているコミックの新刊に出会えると、とてもうれしいんですよね。でも、考えたら、それって当たり前のことで、WebやSNSのなかったころは、どのジャンルの本も、全部そんなふうに出会っていたんですよね。


やっぱり本屋さんの店頭での思いがけない出会いって、代えがたいものなんです。検索で出会ったものとは、作品との距離感みたいなものがぜんぜん違うと思うんですよね。もちろん、これが非常に感覚的かつ情緒的な言い方で、科学的な裏付けも何もないことは十分に承知しています。でも、本って、そもそもそういう感覚的なものですからね。


ところで。コミック読みのみなさんは、新刊のチェックって、どんなふうにしているんでしょうか。なんてことを考えていたら、たまたまこのようなアプリがあることを知りました。「コミックの発売日ってどうやって調べてる?「コミカレ」が便利!」(10/4 iPhonePLUS)。


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「『本屋会議』ができるまで」……2015年最初のbeco talkのご案内です

西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催してきた出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。2015年最初の回のご案内です。


    beco talk vol.21
    『本屋会議』ができるまで
    〜「町には本屋さんが必要です会議」の1年を振り返る〜

    日時:2015年1月30日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付)
    出演:笈入建志(往来堂書店)、空犬(本屋図鑑編集部)(*ゲストの参加があるかもしれません)
    *12/12(金)から予約受付開始となります。

「町本会」こと「町には本屋さんが必要です会議」は、その活動内容を、2つのかたちにまとめて発表しようと、当初から決めていました。1つは、シンポジウム。12/12(金)に東京堂書店で開催となります。もう1つは、本。これは、12/14に夏葉社から『本屋会議』のタイトルで発売となります。


    『本屋会議』
    著者:本屋図鑑編集部編(空犬太郎/島田潤一郎)
    夏葉社
    並製・四六判・248ページ
    定価:1700円(税抜)
    発売日:2014年12月14日

cover_本屋会議

2015年最初のbeco talkは、この『本屋会議』についてのトークです。この本ができるまでのいろいろ、取材の裏話や、執筆の苦労話などを、本書のメインの書き手3人のうち2人が語り合うというものです。


本書は、12/12のシンポジウムで先行発売となりますが、シンポジウムでは、本についてふれる予定はありませんので、この本について、どんな本なのか、どんな内容なのか、どんな思いで書かれたものなのか、本屋さんについてどんなことが書かれているのか、そのようなことにご興味をお持ちの方は、ぜひご参加いただければと思います。


『本屋図鑑』のときもそうでしたが、取材をしながらも、執筆をしながらも、資料を用意しながらも、本には載せられなかったというエピソードや写真などがたくさんあります。すべてを、というわけにはいきませんが、本には載せられなかったものについても、トークでは一部をご紹介したいと思います。


トークの予約は、12月12日(金)に受付開始となります。予約は、空犬ではなく、お店での受付になりますので、beco cafeにご連絡ください。


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