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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

壇蜜さんが表紙の本屋本?!……『本屋はおもしろい!! 』が発売になりました【更新】

「本は本屋で」派ですが、それでも、やはり本が送られてきたりするとうれしいもの。それが、自分が関わった本だったりすると、なおさらです。で、先日予告で紹介したこんな本が届きました。



本屋はおもしろい 書影

↑棚を見ただけで、どの書店で撮影したかわかる人もいそうです。(わかっても何の自慢にもならないし、むしろ引かれそうだけど……だから、ひと目ですぐにわかってしまったことは内緒にしておきます……。)


《いま注目&元気な全国の個性派書店80軒を大紹介!!本屋ファンによる本屋ファンのための偏愛的書店ガイド》です。先の記事にも書きましたが、書店ガイドのパートで、いくつかのお店の紹介記事を書かせていただきました。選ぶのも書くのもけっこう大変な作業でしたが、大好きな本屋さんのことを書くのは、やっぱり楽しいものです。


紹介するお店については、タイプや地域が偏らないようになど、いくつかの条件はあったのですが、出版社からの指定ではなく、基本的にはこちらで自由に選ばせてもらえました。これまで雑誌の書店特集ではあまり取り上げられる機会のなかったお店をいくつか取り上げることができて、うれしく思っています。


それにしても、この表紙(笑)。壇蜜さんが表紙の本屋本が出るとはなあ。その壇蜜さんが表紙の本屋本に自分の文章が載ることになるとはなあ。感慨深い(?)です。表紙だけではなく、インタビューも収録されていて、本好き本屋好きなところを披露されています。この書評からも、なかなかの本好きぶりが伝わってきますね。日記、読んでみたくなりました。


……と、話がそれました。この『本屋はおもしろい!』、10/28の発売だったんですが、早速、感想をくださった書店員さんが。しかも、最初の感想メールは、発売日当日。早いなあ。うれしいなあ。お店を取り上げたことについてのお礼が、とてもうれしくなるようなことばで綴られていました。blogでもそうですが、お店の紹介記事を書くと、お店の方からお礼を言われることがあります。それは、もちろん、とてもうれしいことではあるのですが、でもね、毎回思うのです。お礼を言いたいのはむしろこちらのほうだったりするんですよって。なにしろ、紹介したくなるような、すてきなお店でいつも楽しい時間を過ごさせてもらっているのは、こちらのほうですからね。


自分の話ばかり書いてますね。このムック、本屋を愛する、たくさんの書き手の方が関わっています。自分が書いたところ以外も早速読んでみましたが、他の方の書店紹介記事も、コラムなどの読み物も、いずれも本屋愛にあふれていて読み応えがありますよ。新刊書店がメインのムックですが、古ツアさんこと小山力也さんによる古書店ガイドもありますから、古本好きにもおすすめ。


本屋好き本屋本好きのなかにも、本屋特集には食傷気味で……なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、この本は「どうせまたいつもの感じだろう」というのとはちょっと違う出来になっているように思います(もちろん、身びいきもありますが(苦笑))。たくさんの本屋好き本屋本好きのみなさんに手にとっていただけるとうれしいです。


本屋はおもしろい パルコブックセンター吉祥寺本屋はおもしろい パルコブックセンター吉祥寺2

↑発売初日にパルコブックセンター吉祥寺店に寄ったら、ご覧の通り、じゃーんと平積みになっていました。これから、POPをつけたりしてもっと目立たせますよーと、同店の木幡宏美さん。木幡さんは、この本の「書店員インタビュー」に登場している書店員さんでもあります。


吉祥寺からは、PBCのほか、BOOKSルーエも登場。吉祥寺以外にも、中央線沿線のお店がいくつか取り上げられていますので、東京西部エリア在住の本屋好きには必携の1冊と言ってしまってもいいでしょう。


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書店フリペはおもしろい!……今年もブックオカのフリペ展に「ブックトラック」が参加です

10/24に西荻窪のブックカフェ、bec cafeで開催しましたbeco talk「いま書店フリペがおもしろい!〜書店発情報紙誌の濃くて深い世界〜」は、おかげさまで満席となり、大いに盛り上がりました。


フリペ職人の二人、BOOKSルーエの花本さんと大盛堂書店の山本さんが、自店のフリペについて、またよそのお店のフリペについて、熱く語ってくれました。最後は大盛堂書店山本さんが用意したフリペに、BOOKSルーエ花本さんがその場で文章を書き入れるという、「その場フリペコラボ」も実現。会場をわかせていました。その肝心のコラボフリペ、自分の分をもらってくるのを忘れてしまったので、写真をお見せできないのが残念。


もうなくなってしまったお店のフリペや、この空犬通信ではなかなか紹介できずにいた東京近郊以外のエリアのフリペなども紹介できましたし、会場にいろいろな書店フリペをずらりと並べ、お客さんに自由に見ていただいたり持って帰っていただいたりもできました。


beco talk フリペ1beco talk フリペ2

書店フリペがテーマのトークイベントということで、お客さんにも書店フリペ好きがたくさんいらっしゃったようで、秘蔵のフリペを持ってきてくださる方がいたり、書店フリペを研究テーマにしているというジャーナリズム専攻の学生さんが来てくれたりと、2次会も、本屋さんのフリペの話題で盛り上がりました。


さて、書店フリペといえば、まもなく、このような展示が福岡のブックオカで始まります。「書店フリペの世界展」


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ブックオカ、始まりました!

ほんとは始まる前に紹介したかったんですが、ちょっと出遅れてしまいました。福岡のブックイベント「ブックオカ」が始まりましたね。一箱古本市、書店員ナイト、激オシ文庫フェア、フリペ展……今年も本にまつわるイベント・フェア・演し物でいっぱいです。


ブックオカ2014 パンフ1ブックオカ2014 パンフ2

↑こちらはパンフレット。実行委員のお1人takakuramieさん(@takakuramie)が送ってくれました。


ブックオカ2014 ブックカバー

↑同じくtakakuramieさんが送ってくれたブックカバー。ブックオカでは毎年オリジナルのブックカバーが作られるので、それを楽しみにしているファンも多いことでしょう。今回も、すてきなブックカバーです。


ブックオカのパンフやブックカバーは、毎回イラストレーターのセレクトやデザインが絶妙なんですが、今回もすごくすてきな仕上がりですね。イラストは田中千智さん。本好き、とくに海外文学読みには、ドン・デリーロの『天使エスメラルダ 9つの物語』の装画を手がけた方だといえばぴんとくるのでは。


ブックオカ2014 フリペ

↑今年は、こんなフリペも作られたようです。『読婦の友』。「ブックオカ婦人部」の発行とあります。婦人部というと、あの人とあの人と……と、知り合いのみなさんのお顔を思い浮かべながら眺めています。


すでにあちこちのメディアで取り上げられていますが、いくつかを紹介しておきます。こちら。「福岡)「福岡を本の街に」 本のお祭りブックオカ」(10/18 朝日新聞)、「福岡で本のイベント「ブックオカ」-特製文庫カバーは田中千智さん」(10/17 福岡経済新聞)、「福岡を本の街に☆BOOKUOKA(ブックオカ)2014 10/22~11/22」(ファンファン福岡)。


うち、朝日の記事の一部を引きます。《メーンイベントの「一箱古本市」は11月2日午前11時から(雨天時は3日)、福岡市中央区のけやき通りで。一般から募った出店者100人が店を並べる。出店者も募集している》。


《「激オシ文庫フェア」は書店員が「福岡ゆかりの作品」というテーマで選んだおすすめ文庫114点に特製の帯を巻き、県内や熊本県北部の書店で販売する》。


《トークイベントも多く、作家西加奈子さんや、「自殺」で講談社エッセイ賞を受賞した編集者末井昭さん、ともに福岡出身の推理作家法坂一広さん、岡崎琢磨さんらが登場。「狂喜の読み屋」を書いた米文学研究者の都甲幸治さんは編集者と対談する》。


ブックオカには3年連続で参加してきたんですが、今年は、町本会シンポジウムと『本屋会議』の準備・追い込みと時期的に重なってしまったため参加できません。残念。


昨年は『本屋図鑑』の刊行記念トークイベントに呼んでいただいたりもありました。たくさんの方に全国の本屋さんの取材話を聞いていただけたトークイベント自体も楽しかったし、終わった後にたくさんの方に声をかけてもらえたのもうれしかったし、関係者のみなさんと夜遅くまで天神で飲んだのも楽しかったなあ。とてもいい思い出です。もう1年前のことかと思うと感慨深いです。


ところで、このブックオカ、もう9年なんですね。来年は10周年かあ。きっと何か記念イベントとかあるんだろうなあ。来年はぜひ行きたいなあ。そして、福岡の知り合いのみんなと一緒にお祝いしたいものだなあ。


すみません、思い出話に脱線してしまいました。ブックオカ、開催は11/22まで。会期中のイベントスケジュール他詳細は、サイトかパンフレットで確認してください。というわけで、本好きのみなさんはぜひ福岡に駆けつけてください。で、空犬の分まで楽しんできてください。昨年の様子をレポート記事にしてあります。その1その2その3。初めて、または久しぶりに行かれる方の参考になりましたら。


beco cafeで、みぎたとしきのアコースティックライヴがあります

beco cafeで毎月開催しているトークイベント、beco talk。11月は、28(金)に開催予定でいたんですが、町本会と『本屋会議』の作業で手が回らず、今回は、beco talkではなく、ライヴイベントを開催することになりました。


    beco uta vol.3 アコースティックライヴ
    みぎたとしき FOLK*ROCK*BOOK

    日時:11月28日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会費:1000円(ワンドリンク付)
    出演:みぎたとしき
    ゲスト:鈴木進也(パーカッション)、谷井結香(ボーカル)

「ブックンロール2012」「ブックンロール2014」のライヴパートへの出演でもおなじみの、みぎたとしき、ソロライヴです。今回は、「ブックンロール2014」に一緒に出演したブックンロールオールスターズの2人も参加。beco utaは過去2回は、みぎたとしきの完全ソロライヴでしたが、今回は気心の知れた仲間のサポートあり、ということで、いつも以上ににぎやかなライヴになりそうです。


ちなみに、ほんとは、わたくし空犬がみぎたとしきのバックでギターを弾く予定だったんですが、今回は泣く泣く断念。諸々が落ち着いたら、いつか、みぎたとしき&空犬のライヴもお披露目したいものです。(すでにユニット名だけ決めてあって、「空右 solamigi」といいます(笑)。いかにも飲み屋でノリで決めたっぽいですねえ(←当たり)。)


beco cafeにて予約受付中です。予約方法などの詳細は、こちらをご覧ください。


「出版飲み会サミット 2014」、満席となりました!……そして、参加される方へのお願いです

先日の記事でご案内しました「出版飲み会サミット2014」@阿佐ヶ谷ロフトA。


おかげさまで、告知から10日もたたないうちに定員となりました。お申し込みくださったみなさま、ありがとうございました。


今回の「出版飲み会サミット」は、本の世界に関わる方の交流が目的の会です。先の記事でも、名刺をご持参くださるよう、お願いをしていますが、なにしろたくさんの方が参加されますので、お名前やお仕事を覚えるのも大変だろうと想像されます。


ですので、今回は、先の記事でも予告しました通り、事前にお名前(ペンネーム・ハンドル名可)とご所属(会社など以外の団体も可)をうかがって、名簿を作成し、当日配布することにしています。


予約を受け付けた阿佐ヶ谷ロフトによれば、ご予約くださった方のなかに、予約時に所属を入力されていない方もいらっしゃるとのこと。予約時に所属を入れ忘れた方は、阿佐ヶ谷ロフトか、幹事の二人、わたくし空犬、またはハマザキカクさん(@hamazakikaku)まで、ご連絡ください。


同じく名簿作成に必要になりますので、お一人で複数人数分の予約をされた方も、代表の方以外の、他の参加者のお名前とご所属をお知らせいただけるとうれしいです。


ご連絡ですが、ツイッターの場合はDMで、ブログのコメント欄を利用される場合は「管理者のみ閲覧可」にチェックをして、情報が公開されないよう、気をつけてご連絡ください。(当方にご連絡くださる場合は、できましたら、ツイッターではなく、ブログのコメント欄にてお願いします。コメント欄は、この記事でも、元の案内記事でもどちらでもかまいません。)


なお、予想よりも早く定員に達したため、予約できなかった方もいらっしゃるそうです。当日のご予定が変更になるなどで来られなくなった場合は、どうか必ずお店にキャンセルの連絡をしてください。お願いします。キャンセルが出た場合は追加で予約を受け付けるそうですので、その場合は、空犬通信とツイッターでご案内します。


にぎやかな会になりそうで、今からとても楽しみです。お申し込みくださった方は、どうぞお仕事やシフトの早めの調整をお忘れなく。また、季節が季節ですので、風邪など引かれませんよう、体調に十分気をつけてご参加ください。


『本屋はおもしろい!!』……本屋ムックがまもなく発売です

まもなく、こんな本屋本が発売になります。



版元の内容紹介によれば、このような本です。《いま注目&元気な全国の個性派書店80軒を大紹介!!本屋ファンによる本屋ファンのための偏愛的書店ガイド》。


担当の方が『本屋図鑑』をご覧になっていたそうで、その縁で、声をかけていただき、寄稿させてもらいました。書店ガイドと、その他の読み物記事で構成されているようですが、書店ガイドのパートで、いくつかのお店の紹介を担当しました。どんなお店が取り上げられているかは、ぜひ本でご確認ください。有名店はもちろんですが、これまで雑誌の書店特集ではあまり取り上げられる機会のなかったお店にもふれたつもりです。


当方以外にも、たくさんの方が執筆やインタビューで関わっているようです。インタビュー登場者&執筆者として、版元から教えてもらったのは、以下のみなさんです(肩書きは、版元の情報ママ)


  • 高野秀行氏さん(ノンフィクション作家)
  • 壇蜜さん(タレント)
  • 碧野圭さん(作家)
  • 永江朗さん(ライター)
  • 南陀楼綾繁さん(ライター)
  • 井上理津子さん(ライター)
  • 石橋毅史さん(「新文化」元編集長)
  • 星野渉さん(「文化通信」編集長)
  • 北條一浩さん(ライター)
  • どむかさん(本屋さんウォッチャー)
  • 砂川昌広さん(ライター)

版元の書籍紹介ページに目次があがっていて、執筆者や取り上げられているお店についての情報があがっています。くわしくは、そちらをご覧ください。発売になりましたら、あらためてご紹介したいと思います。


A4変型判、112ページ、オールカラーのムックで、発売は10/28。定価は1200円(+税)。本屋さんに関心をお持ちのみなさんにぜひ手にとっていただきたい1冊です。


大阪で本屋さん巡りをしてきましたよ

10/17、大阪の隆祥館書店で開催された町本会@大阪、無事に終了しました。トークは、立ち見のお客さんまで出る盛況ぶり、2次会は、出演者・関係者はもちろん、本の業界関係でない一般のお客さんを含むたくさんの方が参加してくださり、遅くまで大いに盛り上がりました。


翌10/18は、大阪で本屋さん巡りをしてきました。今回、回ったお店は、ちょっとのぞいただけ、みたいなのも含めると、十数店。ほぼ一日中、本屋さん「だけ」にいたことになるわけですね。いつものこととはいえ、観光らしいこともせず、名所に行くわけでもなく、グルメを楽しむでもなく……まったく何やってんだか(苦笑)。


回ったお店のリストです(隆祥館書店のみ10/17に訪問、他は10/18)


  • 隆祥館書店
  • 清風堂書店
  • 旭屋書店梅田地下街店
  • ブックスタジオ大阪店
  • 紀伊國屋書店グランフロント大阪店
  • ブックファースト梅田2階店
  • 阪急古書のまち
  • 紀伊國屋書店梅田本店
  • ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店
  • スタンダードブックストア あべの
  • TSUTAYAあべの橋店
  • 喜久屋書店阿倍野店
  • リブロ新大阪店

たくさん挙げましたが、なにしろ1日しかなかったので、このうち、じっくり時間をかけて見ることができたの4店だけ(赤字のお店)。これらについては後日、簡単な訪問レポートをまとめる予定です。


それにしても、天王寺の激変ぶりは予想以上でしたね。びっくりしました。ぼくは、かつての関西本線、現在でいう大和路線沿線に住んでいたことがあるものですから、ある時期までは、繁華街=天王寺、百貨店=天王寺の近鉄百貨店という感じでした。けっこう思い出もなじみもある街なんですが、記憶の中のそれとは完全に別の街になっていましたね。


あべのの書店といえば、昔はユーゴー書店に喜久屋書店に、というイメージでしたが、喜久屋は今も元気ですが、ユーゴーは閉店。書店地図は大きく書き換えられ、今では、半日で回りきれないほどの書店が、それも大から小まで、規模やタイプの異なる書店が共存する一大書店激戦区になっていました。次に、天王寺・あべのエリアに来る機会があったら、もう少し時間に余裕を見ておかないといけないなあと思いました。


以下、後日くわしくレポートするお店以外を、写真を中心に簡単に。


141017隆祥館141017隆祥館2

↑今回の町本会公開会議の会場、隆祥館書店。


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明日が最後の公開会議!……町本会@大阪・隆祥館書店は満員御礼です【更新】

いよいよ、明日開催です。町本会、今年最後の公開会議です。



おかげさまで、予約で満席となったそうです。うれしいなあ。会場の隆祥館書店、二村知子さん(@ryushokanbook)が、10/16付のツイートにこんなふうに書いています。


《10/17(金)「町には本屋さんが必要です会議」の公開会議Vol.16@大阪、隆祥館書店。ギャラリ-でのイベント始まって以来の人数です。満員で申し訳ありません。でもとても嬉しいです。企画して下さった夏葉社の島田さん、往来堂の笈利さん、空犬さんに感謝!本屋が自ら言えない必要ですとは》(文中「笈利さん」は、正しくは「笈入さん」です。)


「始まって以来の人数」! 昨年の『本屋図鑑』刊行記念トークイベントのときも50人超の方に集まっていただくことができたんですが、そのときの人数を超えたようです。それだけ町本会の活動に関心を持ってくださる方がいるということですね。ほんとにうれしいです。これまで、町本会を続けてきたかいがありました。ご予約くださったみなさま、本当にありがとうございます。


明日のイベントは、トーク終了後に2次会(交流会)も予定しています。出演者・関係者だけでなく、一般のお客様にも参加いただけるかたちを考えていますので、お時間に余裕のある方は、当日スタッフ(ぼくもその1人です)にお声をおかけください。2次会会場のお店で、飲み物食べ物を楽しみながら、本屋トークの続きをみなさんと一緒にできればと思っています。


イベントの詳細については、空犬通信のこちらの記事もご覧ください。



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生誕120周年記念イベント「乱歩の想い出」がまもなく池袋で開催

紹介がぎりぎりになってしまいましたが、まもなく、こんなイベントが開催されます。


    「江戸川乱歩生誕120周年記念イベント 乱歩の想い出」
    日時:2014年10月19日(日)
    OPEN 13:00 START 14:00(〜15:30)
    会場:立教大学池袋キャンパス11号館地下一階AB01

東京創元社のサイトに案内が出ています。「トークイベント「江戸川乱歩生誕120周年記念イベント 乱歩の想い出」が池袋・立教大学にて開催されます(10月19日)」(9/12 東京創元社)。


サイトの内容紹介を引きます。《日本を代表する探偵小説家である江戸川乱歩(1894-1965)の生誕120周年を記念して、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センターでは、トークイベント「乱歩の想い出」が開催されます。出演は『日本探偵小説全集』(創元推理文庫)の編集に携わった作家・北村薫先生、小社相談役・戸川安宣の二名です。あわせて学術調査員による資料紹介、旧江戸川乱歩邸の特別公開もおこなわれるとのことですので、お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください》。


内容紹介にもありますように、今回のイベントは、
「資料紹介」落合教幸(学術調査員)
「対談・乱歩の想い出」北村薫(作家)、戸川安宣(東京創元社相談役)
旧江戸川乱歩邸特別公開(10:00〜16:00)
の3本立てで、メインがトークということのようです。


毎日新聞にも取り上げられています。「 今週の本棚・情報:「乱歩の想い出」対談」(10/12 毎日新聞)。記事によれば、イベントは、無料で、予約も不要とのことです。


乱歩者はぜひ。


出版・書店業界関係の集まりが一堂に?!……「出版飲み会サミット 2014」が開催されます

ちょっと早めの忘年会……いや、さすがに早過ぎますか。それはともかく。来月、こんなイベントを開催することになりました。


    出版飲み会サミット 2014
    日時:11月14日(金)OPEN 19:30 START 20:00(〜23:00)
    場所:阿佐ヶ谷ロフトA(東京・阿佐ヶ谷)
    会費:2500円(2ドリンク+軽食)*WEB予約制

    幹事:空犬、ハマザキカク


イベント、というか、飲み会ですね。


出版・書店業界にはいろいろな飲み会・集まりが存在します。地域別だったり、会社単位だったり、趣味がベースだったり、内輪向けだったり外部参加可だったり、規模や内容もさまざま。しかしながら、そうした飲み会同士の「横の」つながりは意外と希薄です。お互い「何となく聞いたことがある」「ツイッターで目にしたことがある」というぐらいの認識だったりことがほとんどでしょう。よく知らないばかりに、下手すると、妙なライバル意識(?)を抱いてしまっている、なんてことまであるかもしれません。


一方、どの会にも参加したことがない人にしてみれば、誘われないかぎり、どのように輪に入ったらいいのかもわかりません。なんだかなあ、という気分でいらっしゃる方もいるかもしれません。本来はどの集まりも排他的なものではないのに、なんだかそのようなものだと思われてしまっていることがあったら、残念ですよね。


ぼく自身もいくつも企画・取材を手がけてきましたが、出版・書店関連のトークイベントなどの後には、飲み会(交流会)が開催されることが少なくありません。ただ、トーク終了後の会は時間が遅くなりますから、遠方の方はなかなか参加できません。また、時間もかぎられているため、「交流会」といいながらも実際には、出演者と参加者、参加者同士がなかなか交流ができないことも多いようです。はたまた、イベントには興味がないけれど、その後の交流会、飲み会には参加したい、などという意見もときどき耳にします。


ならば。最初から、その「交流会」がメインの会があってもいいのでは。余計(イベントの企画者がこう書くのもなんですが;笑)なトークや催し物はなしにして、最初からイベント自体が2次会のノリの集まりにすればいいのでは。単独で企画するよりも、出版・書店業界内のあちこちに存在するいろいろな集まり・飲み会の垣根を取りはらい、出版・書店業界合同飲み会にするのがいいのでは。そんなふうに考えて、お互いの親睦を深めることができ、まだこの業界で知り合いが少ない人たちも歓迎できるような、そんな会を開催することにしました。


その名も「出版飲み会サミット」。ハマザキカクさんと一緒に企画したものなので、ほんとは、もっとおもしろい名称にしたかったのですが、現時点ではこんな感じになりました。もしかしたら、当日のノリで、名称が変更になるかもしれません(笑)


現段階で参加を表明してくれている団体は以下の通りです(五十音順)



いずれも本の世界に関わっている人なら、または、一般の方でも本好き本屋好きの方はら耳にしたことがあるのではないかと思われる団体です。この後も、さらに増える可能性があります。これらの会の幹事や代表者はもちろん、主要メンバーの多くが参加する予定です。


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いよいよ最後です!……町本会シンポジウムと『本屋会議』のご案内

今年の1月に活動を始めた「町本会」こと「町には本屋さんが必要です会議」。これまで、16回の公開会議を開催、10/17に大阪で開催される会が公開会議としては最後となります。そして、いよいよ、12月にはこれまでの活動の集大成となるシンポジウムが開催されます。


    『本屋会議』刊行記念イベント
    「町には本屋さんが必要です会議」シンポジウム

    日時:2014年12月12日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:00)
    会場:東京堂ホール(東京・神保町)
    http://www.tokyodoshoten.co.jp/hall/
    101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目17番地 東京堂書店6F
    03-3291-5181
    出演:田口幹人(さわや書店フェザン店)・星真一(紀伊國屋書店グランフロント大阪店)・笈入建志(往来堂書店)
    司会:島田潤一郎(夏葉社)
    会費:800円(1ドリンク付)
    企画・主催:「町には本屋さんが必要です会議」・夏葉社
    *満席のため、予約受付終了になりました。

この1年の活動の総決算・集大成として開催する「シンポジウム」です。「町には本屋さんが必要です」というテーマで話をしていただくには、まさに最高の出演者をお迎えすることができました。お二人とも、空犬が個人的にも尊敬してやまない方です。企画した側がこんなに盛り上がっていては本来はいけないんですが、お二人の話をうかがうのが今から楽しみでなりません。お相手をつとめるのは、町本会の二人。本屋さんのいまとこれからの話をするのに、これ以上のメンバー、これ以上の組み合わせはないのではないか、そんなふうに思います。


当日会場では、このような書籍を販売する予定です。今回のシンポジウムは、この本の刊行記念でもあります。



これは、昨年刊行した『本屋図鑑』続編にあたる本ですが、「町には本屋さんが必要です会議」の1年の活動をぎゅっとつめこんだ、内容の濃い、そしてボリュームのある1冊になるはずです。公開会議各回の様子のほか、本書のために新たに取材したお店のレポートやインタビュー、本屋さんに関する書き下ろしの論考などが収録される予定です。イベント当日、会場で先行販売を行います。12/12の時点では、会場の東京堂書店でしか売っていない本になるかと思います。ぜひ会場でお手にとっていただければとおもいます。


町本会のこれまでのイベントは、「公開会議」という名称にもありますように、一方的に話を聞いていただくだけの集まりにはしたくないと考えていました。今回のシンポジウムも同じです。本屋さんの今後について、出演者と町本会が一方的にこう思うという話をするだけではなく、ぜひシンポジウムにご参加くださるみなさんと町本会とで一緒に考える場にしたいと思っております。そのため、イベント後には交流会(2次会)の場も用意します。そちらにはちょっとした趣向も考えております。詳細が決まりましたら、後日あらためてご案内したいと思います。交流会には、関係者だけでなく、一般のお客様にもご参加いただけるかたちを考えています。


12月半ばの金曜日。早めの忘年会など、何かとご予定の多い時期かと思います。本屋さんについて考えるイベントはあちこちでいろいろ開催されていますが、このような規模で、このような豪華な出演者がそろう機会はそれほど多くはないはずです。本屋さんの未来に関心をお持ちの、たくさんの方のご参加を、関係者一同、心よりお待ち申し上げております。


シンポジウムにつきましては、町本会blog、会場の東京堂書店(東京堂ホール)の案内も併せご覧ください。


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美しすぎる本たちにくらくら……『小村雪岱 物語る意匠』が圧巻

店頭で中を開いて、思わず、おおと声が出そうになりました。



小村雪岱

版元の内容紹介によれば、《デザイナーの先駆け、小村雪岱の装幀と挿絵を厳選した待望の名品集決定版》で、《大正から昭和初期にかけて、装幀・挿絵・舞台美術の分野で人気を博した小村雪岱は、まさに現代でいう「デザイナー」の先駆的な存在。近年、再評価もめざましい雪岱の貴重な装幀本を撮りおろした写真集、珍しい挿絵や肉筆画を集めた画集として見応えがある》という1冊。美術館や古書目録でしかお目にかかれないような貴重な美麗本の図版がたっぷりと収録されています。


これ、先日、東京堂書店で購入したんですが、冒頭に書きました通り、どれどれという感じで、店頭で手にして、中を開いてみた際、取り上げられている本のあまりの美しさと、そしてそれらの図版を惜しげもなくカラーで次々に見せていく本の造りとに、びっくり、思わず声を上げそうになってしまったほど。


購入後、自宅で、あらためて、落ち着いてページをめくってみましたが、やっぱりすばらしくて、ページをくるたびにため息が出ます。取り上げられている本の、美しさに、豪華さに。これらの本は、書物というより、美術品、工芸品に近い手のかけかたといっていいかもしれません。どれだけ電子化が進んでも、ある種の本は電子の世界には置き換えられない存在として、今後も残っていくと思われますが、ここで紹介されているような本たちは、確実にそのような分類に含まれるものたちであるはずです。電子化などということばが概念をあっさりとはねつけてしまいそうな、ものすごいオーラを放っています。実物が目の前にないのに、印刷ページからでさえそのような感じが漂ってくるのですから、実物を目にしたら、手にしたら、いったいどんな感じがするだろう。そんなふうに思わずにはいられません。


もうずいぶん前になりますが、金沢の泉鏡花記念館を訪ねたことがあります。この本にも取り上げられている、雪岱の作品に彩られた鏡花の初版本を見ることができるのですが、そのときの感激をちょっと思い出したりしました。


オールカラーで、160ページ。これが(税抜で)3000円を切っているとは信じられないような感じです。「本」という「モノ」のもつ力のようなものを実感させてくれる1冊。泉鏡花読みでなくても、小村雪岱の名を知らなくても、楽しめるのではないかと思いますし、本に関わる人なら一度は目にしておいて損はないのではと、そんなふうに思います。


美しい本、装幀・デザインに興味のある人はぜひ。


70・80年代アイドルを語る本と雑誌が……そして、昭和歌謡世代落涙の『ゴールデン☆アイドル』シリーズ

これおもしろいなあ。まだ読み終わってないけれど、紹介してしまおう。



誰にも書けないアイドル

《2万枚にも及ぶレコードやCDの蒐集と、アイドルに関する知見では誰にも引けをとらないクリス松村さんが、自ら集めた膨大な資料と、実際に行ったコンサートなどの体験をもとに、アイドルとその時代背景について、データに基づきディープに分析。70年代のアイドル草創期、80年代前半の黄金期、80年代後半以降の冬の時代について、自らの人生とともに書き下ろしました》というこの本、70、80年代アイドルへの愛情と情報量がとにかく半端でなくて、ザ・ベストテン世代としては、読んでいてうれしくなります。


70年代アイドル関連では、少し前に出た雑誌特集で、これもありました。



レココレ 70アイドル

特集は「女性アイドル・ソング・ベスト・ベスト100 1970-1979」。《シングル・リリースされ、なおかつトップ30位以内に入ったA面曲から30曲ずつ、25名の筆者の方々に選んでいただき、その結果を元にランキングを作成しました》という内容です。


昭和のレコ好き・歌謡曲好きには、併せておすすめです。ちなみに、この特集には、クリス松村さんのインタビュー「アイドルの一瞬の輝きは、70年代が一番すごい」も収録されていて、70年代アイドルへの愛情がこちらでも炸裂していますよ。『レコード・コレクターズ』の特集、続編があるのかどうかわありませんが、「1980-1989」編もぜひ読みたいものです。


こういう本を読んでいると、やっぱり実際の曲が聴きたくなりますよね。デジタル音源でもCDでもいいんでしょうが、やはり往年の歌謡曲は、ジャケ込みで楽しみたいもの。取り上げられている曲のシングル盤のジャケ写がすべてカラー収録されている『レコード・コレクターズ』9月号はとくにそうですが、両書とも、ポータブルレコードプレイヤーを目の前に置き、取り上げられている曲のシングル盤(ドーナツ盤)を用意して、音源聞きながら読みたくなりますね。


両書のキーワード、「70年代アイドル」「80年代アイドル」「シングル盤(ドーナツ盤)」に反応してしまった昭和のお父さんには、ぜひこれもおすすめしたいです。『ゴールデン☆アイドル』シリーズ


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『サンリオSF文庫総解説』……オールドSFファン待望の1冊!(ですが…)

新刊案内で目にして以来、ずっと楽しみに待っていた1冊です。



サンリオSF文庫総解説

終刊(1987年)から30年近い年数が過ぎ、いっときの古書価高騰も落ち着き、主要作の多くが他の文庫から復刊されるなど、この10年ほどで、そのレア感に関してはずいぶん変化がありましたが、それでも、今なお古くからのSFファンの多くにとって、特別な存在であり続けている「サンリオSF文庫」。


そのような特別な存在でありながら、これまで、単行本に全点目録が掲載されたり(『ニッポン文庫大全』ダイヤモンド社)、雑誌の特集などで取り上げられたりしたことはありましたが、その全貌を書誌情報を含めてきちんとまとめた本は、意外なことに1冊もありませんでした。そこに、満を持して、という感じで登場したのが、今回の『サンリオSF文庫総解説』。オールドSFファンには感涙の1冊でしょう。もちろん、内容的には文句なしに「感涙の1冊」、なんですが、ただ表紙が……。


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吉祥寺&三鷹の書店5店合同フリペ「ブックトラック」6号、できました!【更新】

吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」に参加している吉祥寺&三鷹の書店5店(今回からジュンク堂書店吉祥寺店が参加で、1店増えました)による合同フリペ、「ブックトラック」。前回から1年ほど間が空いてしまったのですが、このたび、第6号が完成しました。


ブックトラック6号

お店によって配布開始時期が多少異なりますが、10/1ごろから、BOOKSルーエ、パルコブックセンター吉祥寺店、ジュンク堂書店吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店&三鷹店の3店で配布開始となります。吉祥寺・三鷹の書店にお寄りの際はぜひ探してみてください。各書店での配布が始まった後になりますが、西荻窪のブックカフェbeco cafeでも配布予定です。


「ブックトラック」6号、吉祥寺・三鷹の書店をご利用の方、近隣にお住まいの方は、ぜひ配布店の店頭で入手いただければと思いますが、遠方にお住まいで、店頭に取りにいけない、読みたいという方がいらっしゃいましたら、コメント欄にてご相談ください。なお、いつも空犬宛てに書店フリペを送ってくださるみなさんや、フリペ展などイベントでお世話になっているみなさんにはお送りしますので、しばらくお待ちください。


今回の「ブックトラック」、BOOKSルーエ、パルコブックセンター吉祥寺店、ジュンク堂書店吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店各店のみなさんが寄稿しています。対談ページには、夏葉社島田潤一郎さんが登場、「夏葉社まつり」他の話を披露しています。


吉祥寺・三鷹の書店初のフリペ「ブックトラック」6号、店頭で見かけましたら、ぜひ手にとってみてください。


書店フリペと言えば、まもなく、こんなイベントがあります。「beco talk Vol.20 いま書店フリペがおもしろい!〜書店発情報紙誌の濃くて深い世界〜」。吉祥寺のフリペ職人、BOOKSルーエ花本氏が出演、今年のブックンロールに出演してくれた東京・渋谷、大盛堂書店のフリペ名人、山本亮さんと二人に、書店独自のフリーペーパーの魅力について、思う存分語ってもらう、というトークイベントです。書店フリペに興味のある書店関係者のみなさんや、書店フリペを愛読しているお客様にぜひ聞いて欲しいテーマになっています。現在、予約受付中ですので、よろしければご参加ください。10/24、西荻窪のブックカフェ、beco cafeでの開催になります。予約も同店で受け付けています。


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金田一、明智、ホームズ……名探偵パスティーシュが別文庫でそろい踏み

同時期に3点も、それぞれ別の文庫から名探偵のパスティーシュ新刊が出たので、これらがみんな平台に仲良く並んでいましたよ。



探偵パスティーシュ3点

金田一耕助、明智小五郎、シャーロック・ホームズ……目新しさゼロでも、すでに山ほどパスティーシュ・パロディは読んでいても、それでもファンならやっぱり買ってしまうんでしょうねえ(笑)。まあ、ここにも一人いるわけだし(苦笑)


『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』は、角川文庫の金田一ものということで、カバー装画はもちろん、杉本一文先生。


金田一vs明智 2点

↑前作と2点並べてみました。


杉本一文先生ご本人にうかがったのですが、往年の角川文庫横溝作品のカバーを描いていたころはエアブラシを使っていたそうですが、現在は使わなくなってしまい、絵の技法が変わったのだとか。今も、こうしてパロディやオマージュなどで、あの感じで!と依頼されることがあるそうなんですが、そういう技法上の問題でかつてのカバー画とは同じようなタッチにならないのだそうです。といはいえ、今のものも、妖しくて、怖くて、やっぱり杉本一文先生タッチであることは変わりありませんよね。ぜひファンはお手元の角川横溝と絵の感じを比べてみてください。


芦辺拓さんには、順番違いの『明智小五郎対金田一耕助』(創元推理文庫)もあります。そちらは、装画は杉本一文先生ではなく影山徹さん。


残り2点はホームズもの。『ジョン、全裸連盟へ行く』はカバーもハヤカワ文庫のホームズものパロディ。「1」とあるから、これは続編があるということですね。


今月は、単行本のルネ・レウヴァン『シャーロック・ホームズの気晴らし』(国書刊行会)もあるし、先月は『名探偵ホームズとドイル ヴィクトリア時代の一つの人生、二つの履歴書』(海竜社)、先々月は『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、それに『ユリイカ』(青土社)のホームズ特集増刊号もありましたね。しかも、文庫では、河出文庫の『シャーロック・ホームズ全集』全9巻(訳者は小林司さん、東山あかねさん)が刊行中だし、創元推理文庫の深町眞理子さん新訳版は『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』が出たばかりで、あとは『恐怖の谷』を残すのみ。


いやはや。ほんと、ホームズファンは大変ですよ(苦笑)