今日は、ちょっと風がありましたが、いいお天気でしたね。不忍ブックストリートの一箱古本市に行きたかったのですが、自宅でしなくてはいけない作業があったので、お出かけは断念。終日、家に籠もって、机と資料の山とに向かっていました。 作業中、窓の外を何かが高速で横切るのが見えた気がして、ひょっとしたら、と思い、作業の手を止めて、窓の外を眺めてみたら、やはり。ツバメたちでした。
(以下、今回の記事は、本にも本屋さんにもとくに関係のない話題です。)
【“武蔵野のツバメたち”の続きを読む】
今日は、ちょっと風がありましたが、いいお天気でしたね。不忍ブックストリートの一箱古本市に行きたかったのですが、自宅でしなくてはいけない作業があったので、お出かけは断念。終日、家に籠もって、机と資料の山とに向かっていました。 作業中、窓の外を何かが高速で横切るのが見えた気がして、ひょっとしたら、と思い、作業の手を止めて、窓の外を眺めてみたら、やはり。ツバメたちでした。
(以下、今回の記事は、本にも本屋さんにもとくに関係のない話題です。)
古本者、とくに関西の古本者のみなさまにうれしいニュースです。神戸は元町、海文堂書店跡地のすぐそばに、新しく古本屋さんができるようです。お店の名前は、「古書 うみねこ堂書林」。4/26(土)11:00、オープンとのことです。編集の大先輩、東京創元社の戸川さんに教えていただきました。
↑お店の開店案内チラシ。
この文章を書いている4/24時点では、Webを検索してみても、公式サイト(その後、開設されました)やブログらしきものも見当たらないようですので、チラシに書かれていることを以下に列記しておきます。
650-0023 神戸市中央区栄町通り2-7-5
営業時間 11:30〜19:00(予定)
定休日 火・金曜日(予定)
TEL/FAX 078-381-7314
http://www.portnet.ne.jp/~uminekodo/
E-mail uminekodo [at] portnet.ne.jp
チラシに書かれている以上のくわしいことはわからないのですが、この情報を教えてくださいった戸川さんによれば、うみねこ堂書林の店主は、野村恒彦さんなのだとか。探偵小説・ミステリの世界に関心のある方なら、ご存じの方も多いでしょう。この空犬通信でも、以前に、現時点では最新の著書になるのかな、『探偵小説の街・神戸』(エレガントライフ)を紹介しています。古書関係では、『神戸70s青春古書街図』(神戸新聞総合出版センター)もありますね。
その『探偵小説の街・神戸』に掲載のプロフィールを引くと、このような方です。《1954年(昭和29年)神戸市生まれ。大阪府立大学工学部卒業。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。現在、公務員。探偵小説愛好会畸人郷、神戸探偵小説愛好會を主宰、SRの会会員。亜駆良人の筆名で探偵小説関係の随筆や千鳥足純生の筆名で書評を執筆している》。文中には「公務員」とありますが、このたび退職され、それで新しくお店を始められることになったのだそうです。
場所は、チラシの地図にもありますように、旧海文堂書店のすぐそば。なお、うみねこ堂は、海文堂書店の跡地に場所的に近い、というだけではありません。野村さんは、海文堂書店が発行していた『海会』に連載「本の生一本」を、それも最終号まで寄せていた方。海文堂には縁のある方なのです。
今日は午前中、書店に寄る用事があったので、本日オープンの啓文堂書店吉祥寺店ものぞいてきました。お店の様子をごくごく簡単に紹介しておきたいと思います。(以下は個人の勝手な印象です。取材させてもらったわけではありませんので、店内の写真はありません。同店のオフィシャルサイトを見ながらお読みいただくと雰囲気がつかみやすいかと思います。)
↑JR吉祥寺駅、各駅停車のホーム上から眺めたところ。啓文堂書店の看板、「本」の1字が大きく見えています。
↑JR吉祥寺駅、公園口を出たあたりからの眺め。キラリナのオープン初日ということで、とにかくすごい人出、平日昼間とは思えない賑わいでした。ただ、関係者っぽい人もたくさんいたようですが(苦笑)。
↑JR改札口から井の頭線のほうにエスカレーターを上がったところにも入口が。ここがメインの入口になるんでしょうか。右は、そこからくるりと振り向いて、JRの駅側を見たところ。
↑フロアマップとショップ案内のパンフレットのようなもの。改札から入口へ向かうあたりで、関係者の方が配っていました。
休日に遊びに来たのであれば、他のフロアもゆっくり見ていくところですが、今回は一応仕事です。まっすぐ7階を目指します。(それに、ゆっくりも何も、どのフロアもすごい人で、とてもお散歩気分で見て回る気にはなれませんでした。)
啓文堂書店吉祥寺店は、7階にあります。ワンフロアを占めているわけではなく、ABCクッキングスタジオという料理教室と椿屋カフェが同じフロアに同居しています。エスカレーターで上がってくると正面がクッキングスタジオ。ガラス貼りなので、とても目を引きます。料理書などの動きにいい影響が出そうな感じですね。左がランキングなどのスペースで、右がイベントスペースになっています。
↑店内で配られていたフロアマップ。
啓文堂書店は300坪。フロアの7割ぐらいを占めている感じです。丸井時代が約400坪ですから、サイズ的には縮小ですが、開放感のある明るい造りのせいか、また、壁面に高さのある棚を配したことでボリューム感が生まれ、本の在庫点数が多めに見えるせいか、以前に比べて狭くなった、という感じはあまりしませんでした。
↑すみません、通路からということで、勝手に撮影させてもらいました。左は、エレベータ側の通路からの眺めで、右は、クッキングスタジオの前からイベントスペースを見たところ。
店内をぐるぐると何周もしてきました。通路は余裕のあるサイズで、とくに実用書や児童書のある側は広めにとられている感じでしょうか。ベビーカーをおしている方の姿を見かけましたが、行き来に問題なさそうです。
照明は明るめで「白い」イメージ。この後、上のユザワヤものぞいてみたんですが、そちらは照明が電球色のやわらかめの感じになっていたので、それに比べると、照明の「白さ」が目立つ感じでした。個人的には、本屋さんで、照明を暗めにされたり、おしゃれっぽい感じにされたりというのは苦手で、ふつうに白く明るい感じになっているほうが好きなので、個人的にはうれしいんですが、このあたりは好みがわかれるかもしれませんね。
品ぞろえはユザワヤ地下時代、丸井時代同様、全ジャンルにすきのないバランスのいいものになっているように思いました。什器は落ち着いた色合いで、ジャンルの表示なども過度におしゃれに走ることなく、サイズもフォントも見やすいものになっています。このあたりは、老若男女、偏りがなさそうな商業施設の客層をきちんと意識したものなんでしょう。
しばらく前に書かれたもののようなんですが、先月、いつものように業界情報のチェックのため、Webの出版・書店関連記事をあちこち見て回っているとき、本をとりまく仕事に関する、こんな文章を目にしました。「第16回:図書館司書になりたい」(2011/08/29 Tech-On!COLLEGE「就職活動は怖くない」)。
(2011年と、少し古い記事なんですが、出版・書店関連のニュースを収集している際に、なぜか最近になって、キーワード検索で引っかかってきたため、「年」をよく見ないまま、ツイッターで紹介してしまったものでした。でも、当時は読み落としていたもののようですので、結果的には今回拾えて良かったんですが、なぜ、どこかに再録されたわけでもない記事が、最新ニュースの検索に引っかかってくるのか、不思議です。余談。)
書き手は「就職塾向日葵 代表取締役」の上野香織さん。記事は、こんなふうに始まります。《「本が好きなので司書になりたい」という学生にしばしば会います。大学選びまでは、好きなものを極める、という目的で、すいすい進んでこられたのですが、その先がどうなっているかまではたいてい理解していません。Sさんも、本好きで司書を目指していた一人でした》。記事は、タイトルの通り、図書館司書になるには、というのがテーマ。図書館司書になるためのルートを、図なども使いながら、わかりやすく解説しています。
古本や古本屋さんについて書かれた本はつい手にとってしまいますし、古本屋さんが書いた本というのも気になります。古本屋さんが書いたこんな本を、しばらく前に読了しました。
晶文社のシリーズ〈就職しないで生きるには21〉の第2弾として刊行されたもので、版元の内容紹介によれば、このような本です。
《東京・茅場町。およそ古本とは無縁と思える街の古いビルの一室。写真・美術の古書を専門に扱う「森岡書店」。国内外の写真集・美術書マニアから熱く支持され、併設のギャラリーは若いアーティストたちの発表の場としても注目されている。写真家や作家、ファッション関係者など、幅広い人々の新しい交流のスペースとして、これからの小商いのあり方として関心を集める“古本屋”はどのように誕生したのか!? 散歩と読書に明け暮れた頃、老舗古書店での修業時代、起業のウラ話、店舗運営の実際……。趣味と実益を兼ねてはじめた仕事だからこそ味わえるきびしくも充実の日々を、エピソード満載に描く》。
これ、ほんとにおもしろかったなあ。書き手の森岡督行さんは、内容紹介の文中にもある通り、森岡書店の店主。「写真・美術の古書を専門に扱う」お店の店主さんが書かれた本ですから、写真とか美術の話がもっといっぱいで、そちらにうとい身にはわからない話が多いのではないか、などと想像していたのですが、ページを開いてみたら、(もちろん、写真・美術の話はたくさん出てきはするのですが)こちらの想像とはぜんぜん違う内容で、写真・美術の門外漢が読んでも楽しいものになっていました。
ちょうどこの本を読んでいるときに、知り合いの書店員さんに会ったら、その方もこの本をたまたま読んでいる途中で、二人して、これおもしろいね!と、大いに盛り上がったりしたことがありました。ちなみに、その方も、とくに美術本・写真集寄りの方ではありませんでした。
カバー装画は、ミロコマチコさん。絵のタッチといい、色使いといい、なんというか「力」がありますね。帯(カバー?)の天地が微妙なサイズで表紙本体が少し見えているのも効いていて、店頭で目を引く装丁になっているように思います。本の本、古本の本をたくさん手がけてきた晶文社らしい感じが、中身だけでなく、外見からもあふれている、「本の本」です。
荻窪のブックカフェ6次元の店主、ナカムラクニオさんがこの本を紹介している文章が目にとまりました。「ブックカフェ6次元が選ぶ一冊:古書店主・森岡督行に学ぶ 就職しないで生きる術『荒野の古本屋』」(3/4 ガジェット通信)。
ナカムラさんは、同書をこんなふうに紹介しています。《古書店の修業時代、起業のウラ話が書かれています。経営のノウハウではなく、荒野のような古書店業界で生きているドキュメンタリーです。これから古本屋さんを始めたい人や、時代に流されない生き方、働き方に興味がある方は、ぜひ読んでみてください》。
また、こちらでは著者のインタビューが読めます。「荒野の古本屋」森岡督行氏(4/2 日刊ゲンダイ)。
「本の本」「本屋さんの本」が好きな方にはおすすめの1冊です。
大好きな出版社の1つ、東京創元社が今年、創立60周年を迎えるということで、サイトに特設ページができています。こちら。「東京創元社60周年」。60周年を記念して「東京創元社創立60周年フェア」が開催されています。全国の開催店のリストはこちらにあがっています。
↑書店の店頭で無料配布されている60周年フェアの冊子。お隣は、2014年の目録。どちらも表紙は、60周年記念キャラクター「くらり」。
↑フェア商品を買うと書店の店頭でもらえる、「くらりブックマーカー」。マグネット製で、色違いが5種類あります。
フェアに合わせてということでしょう、『本の雑誌』が5月号(No.371)で、「東京創元社に行こう!」という、30数ページにおよぶ、読み応えのある特集を組んでいます。
東京創元社の特集は、
「おじさん三人組、東京創元社に行く!」
「東京創元社の歴史─秋山さんのこと 戸川安宣」
「会話 北村 薫」
「今日の帆掛さん coco」
「創元推理文庫クイズ10プラス1/再版まで三百年かかった作品は何か? 新保博久」
「東京創元社お蔵入りSF本講義 代島正樹」
など。特集の詳細は、『本の雑誌』の最新号のページをご覧ください。
このほか、雑誌では、東京創元社の『ミステリーズ!』vol.64(APRIL 2014)にも、「読者エッセイ掲載、東京創元社60周年記念連載「わたしと東京創元社」」と「創立以前の歴史から振り返る、東京創元社創立60周年関連年譜」の、60周年関連記事が掲載されているようです。
東京創元社さん、60周年おめでとうございます。これからもジャンル一筋、すてきな本をたくさん出してくださいね。一読者として、楽しみにしています。
【“祝! 東京創元社が創立60周年でフェアを開催中”の続きを読む】町本会公開会議第7弾「「町には本屋さんが必要です会議」〜町本会公開企画会議 Vol.7@石堂書店〜」の会場は、横浜は菊名、最寄り駅でいうと東急東横線の妙蓮寺近くにある町の本屋さん、石堂書店。しばらく前のことになりますが、イベントの打合せがてら、お店を拝見してきましたので、お店の様子を簡単にご紹介したいと思います。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は3月末の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)
妙蓮寺は快速の止まらない、小さな駅。駅を降りるとすぐに駅名になっている妙蓮寺が目に入る、門前町です。
駅を出てすぐの通りには、ドトールやオリジン弁当やドラッグストアなどのチェーン店がいくつかありますが、ひとつ路地を入ると、そこは昔ながらの商店街のたたずまい、お総菜屋さん、履き物屋さん、八百屋さん、柏屋さんなどが並んでいます。ケータイ屋さんもチェーン店もない、その光景は、ぼくが小学生のころ(昭和40年代後半)のものといっても通りそうなもので、なんだか妙になつかしくて、うれしくなってしまいました。
ただ、古びて活気がないというわけではありません。商店街は、いわゆるシャッター街化しているわけではなく、そんなに大きい通りではないのに、店数も人通りもあります。ちゃんと商店街として機能し、生きているのです。石堂書店は、そんな商店街の中程にあります。
↑石堂書店の外観。店頭に雑誌が並び、学年誌ののぼりが立っているなど、まさに昔ながらのたたずまい。
お店の案内をしてくれたのは、beco talkとして西荻窪で行われた第2回公開会議に遠路参加してくださった2代目店長の石堂邦彦さん。現在は、息子さんの智之さんが3代目店長として、お店を取り仕切っています。
お店の広さは30坪。横長の造りで、間口が広く、採光も十分なため、お店の角にも死角がなく、とても明るいお店です。
↑店内入ってすぐの新刊平台。風評被害で苦戦しているのを応援しようということでしょう、新刊台で福島県産のお米が売られているのが目を引きます。台の側面には、入荷曜日別に並べられた新刊やフェア関連本などが並んでいます。
↑文庫棚、以前はレーベル別だったのを、智之さんの代になってから五十音別にしたそうです。
↑左は児童書・学参。中は、雑学系文庫、新書、ビジネス他の単行本が並ぶ店内奥の壁面棚。右が、その奥の実用書。ジャンルのガイドプレートの代わりに、並んでいる本をやわらかく紹介するような文言を記した紙が、棚のあちこちに差してあったり貼ってあったりします。
新刊書店の開店・閉店を一覧にしてまとめるのはやめてしまったんですが、個別の案件については、今後もときどき取り上げていこうと思っています。今回は、中央線沿線、それも武蔵野・三鷹エリアに在住の身には関係の深い西荻窪・吉祥寺・三鷹の、新刊書店の開店・閉店案件を、3件紹介します。
まずは、三鷹の新刊書店の件から。三鷹の森書店は、店名だけ見ると、三鷹地元の独立店のようですが、ブックセンター滝山グループのお店です。オープンは2004年。JR三鷹駅南口側、南にまっすぐ延びる商店街と斜めに交差する通り、さくら通り沿いにある路面店です。サイズは75坪。
↑道路をはさんだ側から見ると、写真のように「本」の看板よりも、2階に入っている居酒屋の看板が目立ってしまってなんだか妙なバランスに見えますが、店構えは店頭に学年誌のラックが並ぶ、ふつうの町の本屋さんです。
店頭に閉店・移転を告げる貼り紙が出ています。それには、《4月14日をもちまして、当地における営業を終了することとなりました》とあり、《4月15日より教科書取扱専門店として、下記の場所に移転いたします》とのことで、移転先の住所は《三鷹市上連雀5−28−6》となっています。
同店は、三鷹駅南口側では、唯一の路面店で、営業時間も遅めだったため、帰りにふらりと立ち寄るには便利なお店で、三鷹駅の南口側を利用している本好きには重宝なお店だったはず。三鷹には、エキナカにBOOK EXPRESSが、駅ビル「アトレヴィ」には文教堂が、南口駅前ビル「コラル」には啓文堂書店が、商店街にはプーの森が、北口には書籍扱いのあるTSUTAYA三鷹北口店(南口店は書籍なし)がありますので、書店がなくなってしまった、という感じはあまりなく、ないどころか、むしろ書店環境的には今も十分に恵まれていると言えるでしょう。ただ、昔ながらの町の本屋さん、路面店は、この数年ですっかり減ってしまいましたね。
三鷹駅周辺は、以前は三鷹書房がありましたし(以前にこんな記事を書いています。「さよなら三鷹書房」(2008/02/15 吉っ読日記))、さくら通り沿いにも小さな本屋さんがありました。南口商店街をずっとまっすぐ行ったところ、消防署の近く、今は整体か何かになっているところにもごく短期間、小さな新刊書店ができたことがあります(あっという間に閉店になってしまいましたが……)。三鷹通りには、品ぞろえもたたずまいも独特だった橙書房があり、北口のロータリーすぐのところ、いま立ち飲み屋さんがある辺り、ATMの隣あたりにも小さな路面店がありました。
三鷹関連では、最近、北口にすてきな古書店、水中書店ができ、その前は、「古本 ギャラリー 喫茶 点滴堂」と「三鷹駅前まるごと絵本市」を紹介する記事も書いています。新しい本の動きを続けて紹介できたところだっただけに、ちょっと残念ですね。
信愛書店は、JR西荻窪駅南口側、徒歩数分のところにある路面店。メディアに取り上げられることも多いお店ですが、同店の雰囲気を知るには、少し前の記事ですが、たとえばこちらをどうぞ。「第5回 信愛書店 原田直子さんに聞きました。」(2009/11/17 みんなのミシマガジン「本屋さんの遊び方」)。
東京新聞夕刊に掲載された石橋毅史さんの連載「店のない本屋」(4/11で終了)、終了前の最後の5回で、信愛書店が取り上げられました。タイトルは「閉店選んだ老舗」。記事では、2月の茶房高円寺書林閉店に続き、信愛書店も、この夏に、新刊書店としては閉店となると書かれていました。
信愛書店のその後については、記事でふれられていますが、詳細が決まっているわけではないようですので、ここではふれません。興味のある方は、ぜひ記事をあたっていただければと思います。
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第6弾が決まりました。町本会blogにも情報があがっていますが、空犬通信でもご案内しておきます。
町本会blogの内容紹介によれば、今回の公開会議は、《いまもっとも注目されている本屋さんのひとつである、広島県庄原市の「ウィー東城店」の佐藤さんをゲストにまねき、町の本屋さんの可能性についてお話を伺います》という内容とのことです。出演は、わたくし空犬も、仙台で福岡で東京でと、あちこちでご一緒したことのある、ウィー東城店の佐藤さん。
佐藤さんは、本以外の商材の扱いや、地元のお客さんとのコミュニケーションに関するアイディアをたくさんお持ちの方で、お店の話をうかがっていると、とにかく楽しくておもしろくて、あっという間に時間がたってしまいます。どんな話が聞けるのか、楽しみですね。(といっても、ぼくは残念ながら参加できないのですが……。)
予約は、ウィー東城店で受け付けています。メールかお電話でお申し込みをとのことです。受付は始まっています。
メール:so310t [at] helen.ocn.ne.jp
電話:08477-2-1188
たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。
先日、このような記事が地方紙に掲載され、Webにも流れ、本・書店に関心のある人たちの話題を呼んでいました。「海文堂書店“復活”を神戸市が検討 基金創設や財政支援」(4/5 神戸新聞)。
記事の一部を引きます。《昨年9月、100年近い歴史に幕を下ろした神戸・元町商店街の「海文堂書店」の“復活”に向け、神戸市が検討を始めたことが4日、分かった。個性的な本選びで多くの読書家に愛された海文堂は活字文化の発信拠点でもあり、閉店から半年を過ぎても惜しむ声は多い。店名や場所が変わる可能性はあるが、同市は「行政の立場から実現可能な方策を探りたい」としている》。
紀伊國屋書店新宿本店で開催中の「紀伊國屋ビル竣工50周年記念特別展示」、「新宿とともに50年 紀伊國屋ビルあの日あの時」を見てきました。展示の詳細はこちら。 「【新宿本店】 紀伊國屋ビル竣工50周年記念特別展示 「新宿とともに50年 紀伊國屋ビルあの日あの時」開催」(3/24 紀伊國屋書店)。
↑店内、あちこちに貼られているポスター。
↑会場入口の様子。
サイトの案内を引きます。《紀伊國屋ビルは昭和39年3月23日に竣工し、今年で50年を迎えました。これを記念して、新宿本店4階の紀伊國屋フォーラムにて、特別展示「新宿とともに50年 紀伊國屋ビルあの日あの時」を開催いたします》。
50年と言えば、半世紀。すごいですねえ。1968年生まれの当方にしてみれば、1964年生まれの紀伊國屋ビルは、少しだけ年上のお兄さんのような存在。ぼくが同店に出入りするようになったのは1980年代の終わりごろですから、実体験として知っているのはその長い歴史の半分強ぐらいでしかないのですが、それでも、十分に感慨深いものがあります。(ちなみに、何度も書いていることですが、上京前は、紀伊國屋書店梅田本店を利用していましたから、その時代も合わせると、年数だけで言えば人生の8割ぐらいは、紀伊國屋書店に通ってきたことになるわけです。)
展示の内容ですが、再びサイトの案内を引くとこんな感じ。《ビル竣工時からの写真や過去に紀伊國屋ホールで上演された公演のポスターなどを集め、本と読者が出会う最高の場をご提供することを目指し、お客様に支えられながら歩んできた当社と紀伊國屋ビルの歴史を振り返ります》。
写真はモノクロですが、外観、店内・売り場の様子、紀伊國屋ホールなどが写真で見られるほか、田辺茂一さん関連の写真資料もありました。点数こそそれほど多くはないのですが、書店好きならばぜひ見ておきたいようなものばかりです。とくに、いまとは本の並べ方も本の密度もまったく違う雰囲気の、ひと昔前の売り場の様子は、書店好きならば目を奪われること必至でしょう。
↑会場で無料配布されている冊子。展示されている写真全部が掲載されているわけではないようですし、写真のサイズも小さいのですが、展示写真を見ることができますし、川本三郎さん、窪美澄さんらの寄稿もあり、貴重な資料になっています。同店利用者、書店好きは、会場では忘れずに入手してください。
会場入口脇には販売コーナーがありました。販売コーナーをとりまく壁面には、同店に縁の深い方が選ばれているのでしょうか、書き手のみなさんによるお祝いコメントが書かれた色紙が飾られています。また、各国のトートバッグも売られていました。アラビア文字が躍るドバイ店のがなかなかかっこよくて、ちょっと欲しくなってしまいましたよ。
販売コーナー、台には、新宿関連本や本屋本が並んでいました。本屋本、点数はそれほど多くはないものの、よくセレクトされた本屋本が並んでいたのですが、『本屋図鑑』を並べてもらえなかったのは、ちょっと残念でした。『本屋図鑑』、紀伊國屋書店新宿本店と新宿の話が出てくるのになあ……。
展示は、新宿本店4階の紀伊國屋フォーラムで、5/6まで。紀伊國屋書店新宿本店の利用者はもちろんですが、ふだん利用していない方でも、本屋さん好きならば、きっと楽しめると思いますので、ぜひ足を運んでみてください。
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第7弾が決まりました。わたくし空犬が企画しましたbeco talkがきっかけで開催の決まった会議ですので、空犬通信でご案内いたします。
今回は、菊名、最寄り駅でいうと妙蓮寺にある町の本屋さん、石堂書店さんの場所をお借りし、石堂さんご自身にも登場いただいての開催となりました。石堂書店は、妙蓮寺駅から歩いてすぐの、商店街にある本屋さん。お店は路面店で、2階をイベントスペースとして活用しているとのことで、今回はそちらをお借りします。石堂書店については、ご存じのない方もいらっしゃるかと思いますので、どのようなお店か、後日記事をあらためて、ご紹介したいと思います。
神奈川からはもうお一人、三省堂書店新横浜店の比嘉さんにも出演いただきます。比嘉さんは、店・チェーンの垣根を越えた書店フリペコラボの活動にも力を入れていた方で、最近では、神奈川本大賞の中心人物の一人としても活躍中です。神奈川の書店間のネットワークを語る上では欠かせない書店員の1人と言っていいでしょう。ブックンロールの司会をお願いしたこともあります。町本会からは、往来堂書店笈入さんと夏葉社島田さんが出演します。
今回、みなさんには、「本屋さんとイベント」についてお話いただく予定です。石堂書店は前述の通り、お店2階のスペースを使って、読み聞かせや俳句の講座などのイベントにも力を入れているお店です。「町の本屋さんが、本を売る以外にできること、すべきこと」という観点から、「本屋さんとイベント」、さらには「本屋さんと商店街」「本屋さんと地域」にも話を広げていきたいと思います。
予約は、石堂書店で受付となります。申し込みは、電話またはメールで、直接、お店に申し込みをしてください。店頭でも受付可とのことです。(受付開始日の4/13は定休日のため、メールのみの受付となります。)
045-401-9596
t-books-ishidoh[at]keb.biglobe.ne.jp
(*[at]を@に変えてください)
たくさんの本好き本屋さん好きのみなさんのご参加を、今回はとくに、イベントについて知りたい考えたいという書店関係のみなさんのご参加を、関係者一同お待ちしております。なお、ご参加される方は、少し早めに来て、石堂書店の店内および周りの商店街の散策も楽しんでいってください。
先日、BOOKSルーエを訪ねたときのこと。この空犬通信には何度も書いていることですが、同店は、ぼくがもっとも頻繁に利用する本屋さんの1つです。2階で文庫他を担当している花本氏とは、吉祥寺書店員の会「吉っ読」や、ブックンロール他のイベントなどで付き合いが長いこともあり、こちらの本の趣味も「割れて」いたりするものですから、「空犬さんが好きそうな本が入りましたよ」などと教えてくれたり、すすめてくれたりすることがしばしばあります。
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)のイベント、数が増えてきましたので、開催済みのものと、開催予定のものとを、一覧にまとめてみました。くわしくは、リンク先の記事をご覧ください。同じリストを、町本会blogにも掲載します。
(*7/25の西荻窪beco cafeでの公開会議は、Vol.8としてご案内していましたが、7月に2件追加になりましたので、番号をずらしました。8月以降につきましても、日程や通し番号が変更になる場合があります。)
各回の詳細は、空犬通信および町本会blog、それぞれの開催店・会場のサイトなどをご覧ください。
ツイッターに流れていた情報で、神楽坂にある文鳥堂書店本店が4/5に閉店することを知りました。
文鳥堂書店は、以前は飯田橋や四谷など、都内にいくつか店舗があったのですが、四谷はずいぶん前に、飯田橋も数年前に閉店してしまい、この神楽坂の本店が、唯一のお店だったようなのですが、その最後のお店が閉店になってしまうわけです。
文鳥堂書店は、飯田橋・神楽坂・四谷と、近接エリアにお店があったのですが、規模は小さいながら、それぞれに個性があり、大手のチェーンとは違った品ぞろえと存在感で、本好きや出版関係者にひいきの多いお店でした。ぼくは大学が四谷で、社会人になってからも四谷に少し縁があったものですから、四谷のしんみち通りにあったお店は、よく利用していました。好きだったお店の1つで、今でも印象に残っています。
文鳥堂書店本店は、神楽坂に用事がない身なもので、利用する機会こそ多くはなかったのですが、近くに行く機会があるときは必ず立ち寄るお店でした。ついこの前、2月にも神楽坂に用事があったので、ついでに訪問してきたばかり。そのときは、まもなく閉店という感じには見えなかったため、今回のニュースにはびっくりしてしまいました。飯田橋・神楽坂界隈は、新潮社など出版社が複数あり、取次のトーハンもありますし、大日本印刷も近くです。さらに、大学もあります。読者がいない街だとは思えません。このような街で、本屋さんがやっていけないとしたら、ほんと、さびしいことですね。
↑2月に訪問したときの文鳥堂書店本店の様子。時間が遅かったので、写真がまっ暗ですが……。複数の出版社を抱える立地ということもあってか、店を入ってすぐの棚の一角に、校正必携やデザイン関連など、編集者向けっぽい本が集められていたりするのが目を引きました。このときは、文鳥堂書店、文悠の両方に寄り、ツイッターに《どちらも、久しぶりの訪問だが、けっこうお客さんが入っていて安心。町の本屋さんが町の本屋さんとして機能しているのを見ると、それだけでうれしくなる》などと書いていたのですが……。
↑文鳥堂書店の書皮と言えば、実篤画のこれ。独特の味わいがあって、ファンも多いと聞きます。かけ方も、三方を折り込む独特のもの。写真で文庫の天地がはみ出て見えるのは、このとき購入した本がハヤカワ文庫だからです。もうこの書皮も目にすることがなくなるわけですね……。
先にもふれましたが、神楽坂には、文悠があります。まさに町の本屋さんというたたずまいのお店で、神楽坂関連本を売るお店としても知られています。同店にはぜひともがんばってほしいものです。
↑2月に訪問したときの文悠。店頭に神楽坂関連本が、レジの周りには神楽坂のポストカードがずらりと並ぶ、まさに神楽坂の本屋さんという感じのお店です。書皮もいい感じですね。