空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

秋は本関連のイベントがいっぱいです

この週末は仕事の用事で大阪に行ってきます。自由になる時間はあんまりたくさんはないんですが、空き時間はあちこちの書店を回ってくるつもりです。


ちなみに、来月、10月は、10/5から始まるブックマークナゴヤ2012に合わせて、名古屋に行ってきます。名古屋の書店事情は、この空犬通信でもたびたび取り上げていますが、実際にお店を目にする機会はなかなかなくて、最後に名古屋を訪問したのはもうずいぶん前のこと。数年ぶり(ひょっとしたら、10年以上?)の名古屋ということで、本日リニューアルオープンの丸善名古屋栄店をはじめ、できるだけたくさんの名古屋の書店を見てこようと思います。楽しみ。


ブックマークナゴヤ2012 チラシ表ブックマークナゴヤ2012 チラシ裏ブクマジャーナル 2012

さらに。再来月、11月は、10/20から始まるブックオカ2012に合わせて、福岡に行ってきます。昨年はものすごく忙しい旅程だったんですが、今回はやや余裕のある予定を組んで、熊本まで足を伸ばそうか、などと考えています。(ただ、残念なことも。11/2が書店員ナイトだと聞いていたので、それに合わせて、福岡に入る予定を組んでいたんですが、書店員ナイトがなくなってしまったとのこと。なんと……。もう飛行機も宿もとっちゃったのになあ(泣)。なかなかうまくいかないものであります。)


秋は、本関連のイベントがたくさんあって、本好きにはうれしい季節ですよね。東京だと、早稲田と神田の2大古本まつりがありますし、大阪でも四天王寺の大古本まつりがありますね。東京の古本関連をまとめたものとしては、四谷書房さん(@yotsuya_shobo)の「東京古本市予定表」があります。都内の主要なものがカバーされた、古本好きにはとても重宝な一覧です。四谷書房さんのブログ、「読書の秋は古本市から」(9/24 四谷書房日録)にも、高円寺、八王子、池袋など、都内の古本市の、10月の予定がまとまっていますので、そちらもぜひチェックを。


四谷書房さんの一覧にあがっていない、東京近郊以外の古本関連イベントや、古本以外のイベントなどのうち、目についたものをあげてみます。(網羅的に調べたものではなく、ほんとに目についた範囲のものだけです。)



吉祥寺アニメワンダーランド2012チラシ表紙

吉祥寺ではおなじみのこのイベント。「吉祥寺アニメワンダーランド2012」は、あさって9/29から。イベント名に「アニメ」とありますが、アニメとその周辺という感じで、音楽あり、おもちゃあり、映画ありで、飲食店も参加していたりと、中身はけっこうバラエティに富んでいます。東急百貨店脇の広場で開催される、大人にも大人気の(ぼくも大好きです)「吉祥寺おもちゃ市場」は、今週土日です。


チラシの表紙になっている、今年のメインビジュアルは西原理恵子さんの「毎日かあさん」。BOOKSルーエでは西原理恵子さんのフェアとサイン会も行われるようですよ。サイン会は10/8。


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本屋とのつきあい方、本屋の見方

『DIME』(小学館)10/2号の特集「働く背骨を作る本」をぱらぱら見ていたら、嶋浩一郎さんの「企画力を高める本屋とのつきあい方」という記事が載っていました。


DIME 20121002 shoten

(↑イメージをお見せするためだけのもので、細部が読めないよう、解像度を下げてあります。)


《情報のシャワーを浴びるための本屋巡り5つの提言》として、以下のようなものがあがっています。
1 すき間時間があれば本屋にいこう
2 毎日行ってもいいかも
3 あえて興味のないコーナーをうろうろしよう
4 興味を持った本は迷わず買おう
5 自分と発送方法が合う本屋を見つけよう


また、《いい本屋には本との出会いを促す仕掛けがある》として、阿佐ヶ谷の書原、代々木上原の幸福書房、千駄木の往来堂書店(3店とも、ぼくも大好きなお店です)が、棚の写真と解説付きで紹介されています。見開き完結の記事で、分量こそ少なめですが、書店好きなら気になる中身になっていますから、ぜひ本誌をチェックしてみてください。


ところで、この記事、同じ嶋浩一郎さんということもありますが、以前に紹介した『rec』の書店特集に掲載されていた記事にちょっと似ていますね。『rec』の記事は「“自分書店”との巡り合い」というタイトルで、書店活用法、書店の楽しみ方がわかりやすく紹介されていました。『rec』が今から手に入るものかどうかよくわかりませんが、興味のある方はそちらも探してみて、合わせて読んでみるとおもしろいかもしれませんよ。


その『rec』の紹介記事でも似たようなことを書いたんですが、この店の棚はこう、あの店の品揃えはどう、とそんなことばっかり書いているせいか、「どんなふうに書店を見ているのか」「どこをどう見たらいいのか」とか、「複数の書店を見てもお店ごとの違いなんてよくわからない」とか、そのようなことを聞かれたり言われたりすることがあります。「書店の楽しみ方のようなものを教えてくれないか、また、そういう記事を書いてはどうか」といった主旨のことを言われたりすることもありました。


B&B立ち上げに関わった、本屋問題のプロ中のプロというべき方が、こうしてすでに、同じテーマで商業誌ににわかりやすい文章を寄せているわけですから、素人の出る幕ではない気がするし、ニーズがあるとも思えないのですが、自分でも、「本屋の楽しみ方・見方」というテーマ自体には非常に興味があるので、実は途中まで文章を書いたりもしています。でもなあ、例によって、この通りのだらだら書きですから、まだ書店の入り口のあたりの話なのに、なんかけっこうな長さになっちゃってまして(苦笑)。とても、雑誌の見開き程度の分量に収めることなど、当方にはできそうにありません……。


とりあえず、本屋さんをどう見たらいいか、について1つだけ簡単に書けることがあるとしたら、とにかく棚を徹底的に、しっかり見ること、かなあ。(そうしなくてはならない、ということではなく、自分はそうしている、という意味です。)


書店にいると、たまに、知り合いの出版営業や、そのお店の知り合い書店員さんに発見されることがあります。これまでに何度か、「めっちゃガチで見てましたね」「あまり真剣に見ているので、声をかけられなかった」「5分ぐらい静止してましたよね」といった主旨のことを言われたことがありました。


1冊の本が書店で買われるまでの過程を考えてみます。本がお店の棚や平台に並んでいるときは、それは「お店の勝負」ですが、客が手にとった瞬間に、今度は「本の勝負」になる、そんなふうにまとめられるんじゃないかなあなどと思っています。別に勝ち負けの話ではないので、「勝負」ということばが適切かどうかはわかりませんが、お客さんが手にとるまでは、その本をいかに手にとらせるかは、お店の側の力や熱意や工夫に大きく左右されます。その本をどこに置くか、手前か奥か、角か中央か、平にするか面にするか差しにするか、単品か複本か、1列か多面か、隣にはどんな本が並べるか、POPはつけるか、どの売り場どの棚に置くか、などなど。お店の工夫のしどころですよね。


お客さんがその本を手にした瞬間に、今度は本自体の力に重点が移ります。どんな装丁か、カバーや表紙の紙の手ざわりや本の重みはどうか、本文のフォントや組は読みやすいか、目次はわかりやすいか、書名・帯の文言・本文の書き出しはキャッチーなものになっているか、などなど。


1冊の本が売れていくためには、もちろん両方が大事なわけなんですが、書店が大好きなぼくは前者をとても重視しています。だから、店頭に本が並んでいるところを、ものすごく時間をかけてじっくりと見ます。本をなかなか手にとらないで、同じ平台や棚をじーっと見たりします。


こうして、棚や平台をじっくり見ていると、それも、毎日とは言わないまでも、ある頻度で続けていると、自然にいろいろなことがわかってくるんですよね。同じ本でも、お店によって収まっている場所がけっこう違うこと、同じ店の中でも、前日と今日では並びが変わっていたりすること。そういう基本的なことはもちろん、それ以外にも、お店の人たちの陳列の工夫や仕掛けが、いろいろと目に入ってくるようになったりします。


つまり、ぼくの場合、その本がどんな本か、ということよりも先に、その本をお店がどのように売ろうとしているのか、を知りたいタイプなのだと、そんなふうに言ってもいいかもしれません。


……簡単に1つだけ、とかいって、これだもんなあ(苦笑)。とてもじゃないけど、お店全体の見方なんて、書けませんよね……少なくとも簡潔には。


『書店の棚 本の気配』

印象的な文章、気になる文章がいくつも出てきて、読了後の本が、付箋だらけになってしまいました。



本の気配書店の棚 本の気配 チラシ

↑右は、版元の新刊チラシ。


東京堂書店の元店長、佐野衛さんの本です。もちろん東京堂書店で購入。雰囲気があっていい感じのイラストを手がけたのは、得地直美さん。駿河台の坂をくだった三茶書房の前あたりを描いたイラストがカバーに使われています。表4(裏表紙)にまたがるように(表4側で、バーコードのためにイラストが途切れているのは残念ですが)使われていて、ちょうど背のところに人物が来ているのもいい感じ。イラストは、目次にも使われていて、そちらは、書泉グランデの裏、ミロンガとラドリオのある路地と鶴屋洋服店のあたりが描かれています。


カバーをとると、本体の表紙は、東京堂書店のテーマカラーでもある、深い緑。全体に、上品で落ち着いたデザイン、造本になっています。


『書店の棚 本の気配』という書名も、本好き書店好きなら心を引かれること間違いなしの、すてきなものですが、帯の文言がこれまたいいんですよねえ。
《本が本を呼び、
本が棚を呼び、
棚が書店をつくる》


さて、中身ですが、5つ章に分かれていて、それぞれこのような章題になっています。
Ⅰ 本の声を聴く――書店の棚の広がり
Ⅱ 二〇〇九年から二〇一〇年の日録
Ⅲ 本をめぐる話――書店は誰のものか
Ⅳ 東京堂書店店長時代
Ⅴ 本とわたし――経験は読書


小見出しには、「検索するということ」「書店の本の流れ」「理想的な書店」「本を手にする楽しさ」「古本屋の均一台の持つ意味」「書店の三角関係」「転倒した出版文化」「本の電子化がもたらすもの本の街」「店長の日々その1」「書店員の年齢」「popは難しい」などなど、本好き書店好きならば興味をひかれること必至の文言がずらりと並んでいます。一篇一篇が短いので、通読にも拾い読みにも、どちらにもぴったり。


ぼくのような昔からの東京堂書店の利用者はもちろんとして、最近の東京堂書店しか知らないという方も、また、東京近郊以外にお住まいで、名には聞くもののお店を実際に見たことがないという方も、とにかく、書店に興味のあるいろいろな方に手にとってほしい、そんな1冊です。


ちなみに、東京堂書店1階では、現在、版元の亜紀書房のフェアが開催中です。昼休みに、フェア棚を眺めていたら、『書店の棚 本の気配』の装画を手がけた得地直美さんの「神保町の本」なる「本」が棚にありました。神保町のイラストを集めた手製本のようで、本に使われていないカットも載っています。売り物だったら欲しいなあと思ったのですが、残念ながら非売品とのことで、1冊しかありません。もしこの本を東京堂書店で買われる場合は、ぜひ亜紀書房のフェア棚で、忘れずに探してみてください。



美ら海水族館、ブラッドベリ……今日買った本たち。そして、ルーエのおもしろフェアたち。

会社帰りに、いつものように吉祥寺のBOOKSルーエに寄って、買い物してきました。お目当ては、『かめくん』(河出文庫)だったんですが、売れてしまって補充待ちとのこと徳間デュアル文庫で出たときに読んでいるんですが、先日、表紙のイメージが変わったなあとツイートしたら、北野勇作さんご本人から、「じつは中身もけっこう変わってたりします」とツイートがあって。それで再読してみようと思った次第)。なので、代わりにというわけではないですが、こんなのを買ってきましたよ。



美ら海 新書瞬きよりも 新装

水族館好きにとっては、このタイトルの新書は手にせざるを得ませんよね。沖縄美ら海水族館、一度しか行ったことはないのですが、最高の体験でした。で、本書は、《沖縄美ら海水族館には、「世界一」と「世界初」が数多く揃っている。ひとことで言えば、これが高い"誘客力"に結び付いたのだろう。とはいえ、「世界一」や「世界初」を実現するのは簡単ではない。そのあたりを、詳しくお話ししていこう》という本。目次と口絵をぱらぱら見ているだけで、わくわくします。


ブラッドベリは、これと『太陽の黄金の林檎』の2冊が、かっこいカバーの新装版になりましたね。もちろん、どちらもNV版を持っているんですが、この2冊を含む、追悼帯のかかったブラッドベリのフェアをあちこちの書店で目にしているうちに(ルーエでもたくさん平積みになってました)、どれも買えなくてなんだか悔しいなあと思っていたところ(という感じ方自体、なんだか変な気が自分でもしているんですが)、この『瞬きよりも速く』、我が本棚のNV版のカバーに破れがあるのを発見したため、晴れて買うことができた、という次第なのです。


ブラッドベリといえば、先日、これも読み終えました。



SFM ブラッドベリ

もう次の11月号が出ているので、今さらな感じですが、レイ・ブラッドベリ追悼特集号です。本邦初訳短篇が2編収録されているほか、ブルース・スターリング、グレッグ・ベアらによる追悼エッセイ、新城カズマさんらによるオマージュショートショートなど読み物部分も読みでがありますし、主要邦訳作品解題、完全年譜などの資料も充実。原書の特装版・限定版などが書影付きで紹介されている巻頭カラーページの「ブラッドベリ図書館・特別展示室」もうれしい。ブラッドベリファンなら手元に置いておきたい1冊になっています。


1点だけ惜しい点があるとしたら、邦訳作品の解題が「主要」作品になっていることかなあ。ここは、ぜひ完全著作リストにしほしかったなあ。そしたら、ほんとに、決定版的な資料になったのになあ。


いつものように、買い物しながら、ルーエ2階のおもしろフェアをいろいろ見せてもらってきましたので、簡単に紹介します。


ルーエ 津村 フェアルーエ 津村 フェア2

↑しばらく前にもツイッターで紹介している「津村記久子の二度寝を妨げる10冊&女性作家によるお仕事小説の世界」フェア。まだ継続中です。津村記久子さんご自身が選書したフェイバリット10冊にご本人のコメントがついています(POPの字はご本人ではなく花本氏によるもの)。コメントは、店頭で無料配布しているペーパーでも読めますよ。お隣には、西荻窪のブックカフェ、beco cafeで発行しているフリーペーパーの津村記久子さん特集号も。


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十蘭、風太郎、植草甚一……気になる日記3点が文庫に

好きな作家の気になる日記本が続けて文庫になりました。


  • 久生十蘭『久生十蘭「従軍日記」』(講談社文庫)
  • 山田風太郎『戦中派闇市日記』(小学館文庫)
  • 植草甚一『植草甚一コラージュ日記 東京1976』(平凡社ライブラリー)

日記、とくに文庫の日記本って好きなんですよ。高橋源一郎『追憶の一九八九年』(角川文庫)、殿山泰司『JAMJAM日記』(ちくま文庫)、永井荷風『断腸亭日乗』(岩波文庫)、中井英夫『彼方より』(創元文庫)……愛読している日記文庫はいくつもあります。日記は、もともと断片の集合ですから、必ずしも通読の必要がなく、拾い読みするだけでも楽しめるので、外で読むのにぴったり。なので、旅先や文庫遠足なんかのときのために、親本を持っていても、親本を読んでいても、文庫でも持っていたくなるんですよね。


短篇作品群が河出文庫で次々に文庫化されている久生十蘭。2007年に出た従軍日記がまさかの文庫化です。親本が出たときに、こんな文章も書いています。


装画の写真含め、ほぼ親本通り、文庫のみの新たな付録などもないようですが、やっぱり買ってしまいました。ちなみに、親本は前見返しに、十蘭の日記の一部が載っていましたが、文庫にはそれがありません(後ろ見返しの地図もなし)


十蘭の日記の親本を紹介した文章にも書いたとおり、戦争と文学者の関係に興味があるんですが、そういう興味の持ち主にとって、山田風太郎の一連の日記ははずせない作家日記本の1つ。文庫は(ちゃんと調べずに手元の本だけ見て書きますが)、講談社文庫(『戦中派不戦日記』)、小学館文庫(『戦中派焼け跡…』『戦中派闇市…』)、ちくま文庫(『戦中派虫けら…』)と分かれていて、ややこしいんですが、これで、昭和17年から23年までの日記が文庫で読めることになったのかな。


次の植草甚一本は、2003年に東京編とニューヨーク編の2分冊で刊行されたコラージュ日記のうち、東京編の文庫化。もとは、《全集「植草甚一スクラップ・ブック」の挟み込みの月報に掲載された手描き日記》。


「再編集」とあるけれど、どこがどう変わったのかは、これから調べます。親本もB6並製の気軽な造りの本でしたから、文庫化といっても、本の雰囲気も値段も両者は実はそんなに変わりません。でも、内容的に小型本にぴったりの本ですから、手にとりやすくなったのはやっぱりうれしいですね。


版元、平凡社のツイッター(@heibonshatoday)で中の写真が紹介されていました。まだご覧になっていない方は、参考にご覧になるといいかもしれません。こんな感じです。


西荻窪beco cafeで予定している2012年後半の出版・書店・音楽関連イベントです

西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ときどき、出版・書店・音楽関連のイベントを企画・主催しています。ご興味のある出演者、テーマなどがありましたら、ぜひ遊びに来てください。(予約などの詳細、出演者のプロフィールなどは、イベント一覧の後にあげてあります。)


◆2012年後半のbeco cafeイベント◆


    beco talk vol.1 公開編集会議
    「島田さん、『本屋さんの本』を作りませんか?」「はい、つくりたいです!」
    日時:7月27日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:島田潤一郎(夏葉社)、鈴木茂(アルテスパブリッシング)、空犬(吉っ読)
    吉祥寺に縁のある出版関係者3人が、夏葉社の「本屋さん本」を、勝手に企画します。

    *終了しました。

    beco reco vol.3 100年聴ける音楽
    日時:9月21日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    DJ:鎌田洋城(酔舎バンド)、内田英一(ランブリンローズ)、空犬(吉っ読)
    無類の音楽好き3人が、100年残る曲/残したい曲を、オールアナログでお届けします。

    *終了しました。

    beco talk vol.2 公開編集会議
    ハマザ企画会議
    〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜
    日時:10月26日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:ハマザキカク(社会評論社)、空犬(吉っ読)
    珍書を出しまくっているデスメタル編集者に聞く、発想力・企画力・情報収集力の秘訣。出版界志望の方、大歓迎。

    *終了しました。

    beco talk vol.3 エア書店員インタビュー
    「いか文庫」が「いか文庫」になるまで(仮)
    日時:11月16日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    出演:粕川ゆき(いか文庫「店主」)、空犬(吉っ読)
    全国紙にまで取り上げられ、いまあちこちで話題の「エア書店」ユニット、「いか文庫」。店主が、「いか文庫」とは何なのか、これから何をするのかを、徹底的に語りまくります。

    *終了しました。

    beco reco & talk special  Christmas Party
    日時:12月21日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    beco recoとbeco talkの出演者が大集合。音楽とお酒を楽しみながら、本と書店と出版の話を大いに楽しみます。
    *関係者のみの会になりました。
    *終了しました。


beco talkは、本・書店・出版関係者による、本・書店・出版関連の話題がテーマのイベントです。
beco recoは、アマチュアDJがセレクトしたアナログレコードやCDで音楽を楽しむイベントです。
beco cafeでのイベントは、いずれも、チャージは1000円となります(ワンドリンク付;2杯目からは500円)。
*beco cafeはふだんは食事もできるお店ですが、イベント当日は、フードはおつまみのみとなります。あらかじめ軽く食べてからお越しになるほうがいいかもしれません。
*詳細が未定のイベントについては、くわしいことが決まり次第、空犬通信、beco cafeのサイトおよびツイッター(@bookendless)でお知らせします。
beco cafeでのイベントは、約2か月前から予約を開始します。
*イベントに関するお問い合わせや予約などは、beco cafeに、
電話(03-6913-6697)
メール(w.bookendless [at] gmail.com)
twitter(@bookendlss)
のいずれかで直接お願いします。(*twitterでご連絡される場合は、通常ツイートで連絡先などを流さないよう、ご注意ください。ちょっと面倒ですが、@をとばして、フォローしてからDMで連絡をとるようにしてください。)


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スティーリー・ダンの本が出ましたね

発売前から楽しみにしていた1冊。読み終わりました。



SD作曲術

↑ジャケもご覧の通り、女性こそ写ってませんが、赤と黒で、あのロゴ。


版元の案内によれば、《ドナルド・フェイゲンが創作の秘密を語った初のオフィシャル・ブック。音楽的な分析を織り交ぜ、スリリングで、ポップ(簡潔)で、文学的な本。ベッカーとフェイゲンにふさわしい、ファン待望の書物》というこの本、『Aja』の話がもちろん中心なんですが、他の作品の話も出てきます。スティーリー・ダンのファン、とくに楽曲の構造や詞の内容に踏み込みたいというコアなファンは、チェックしないわけにはいかないでしょう。


「作曲術」「作詞術」とありますが、教則本的・専門書的な内容ではなく、読み物として読めるようになっています。ただ、随所に、楽典に関わる記述は登場します。たとえば、こんな感じ。


《たとえば、〈ブラック・カウ〉のE♭maj7を聞いてみてほしい。ヴァースのキーであるCメジャーとはごく薄い関係しかなく、コーラスのキーであるAメジャーとはまったく関係もないこのコードが、“Where are you(きみはどこに)”というくだりの疎外感を強め、その後の経過コード、すなわち2小節続くE9sus4がAmaj9という新鮮な主音に取って代わられる場面では、同時に起こる語り手の気分(心でないによせ)の変化が強調されている》。


《《ガウチョ》の〈ヘイ・ナインティーン(Hey Nineteen)〉では、“slide on down〔そっとここから出ていく〕”というくだりがG9(#11)に乗せられ、コーラスのIm(F#m7)へと再び暗く下降していく。代替コードのC#7では同様の下り坂的効果は得られなかったろう》。


こういう記述が、楽曲の解説部分では頻出します。コードの基本的な知識がないと、なんの話だかさっぱりわからないでしょう。一応コードのことはひと通りわかっているつもりで、コード進行だの楽曲の構造だのの話は大好きな当方でさえ、正直、よくわからない部分もあるぐらいです。(巻末に「用語解説」はありますが、コード理論の基礎的な解説はありません。)


コードと言えば。本書は縦書きで、それ自体はいいと思うのですが、E9sus4は横向きのママ、E9は縦書きという具合に、表記に混在が生じていて、さらに、通常のコード表記では♭や#、テンションなどが並字でベタで書かれているので、楽譜や教則本などのコード表記になれている身には、見づらいと感じられるかもしれません。


本書では、権利の関係か費用の関係か、歌詞の全文も楽譜(全体、部分を問わず)も一切使われていません。歌詞は本文中でごく部分的に引用されるのみで、楽譜も、上に引用したような感じで、どの部分にどんなコードが使われているとか、どんな進行になっているとかが、ことばで説明されているのみ。少なくとも、CDの歌詞カードを手元に用意しておくか、ない場合は、Webの歌詞サイトなどで入手しておくほうがいいでしょう。楽譜に関しても、本書の記述をより深く理解しようと思ったら、楽譜、最低でもコード譜があったほうがいいかと思いますが、かつてシンコーミュージックから出ていたスコアは絶版のようで、気軽に入手できるものとなると、洋書をあたるほかなさそうです。


日本版の解説を寄せている冨田恵一さんは、《譜面を使わずに楽曲を分析、解説するのは骨の折れる作業である》《読み返す際には思い切って全ての記号表記を読み飛ばしてみるのはいかただろう。そうすることが著者の見解をより明確にする可能性はある》としています。そういう読み方もありかもしれません。


セッションミュージシャンたちのことを書いた章や、参加ギタリストのことをまとめた章など、楽典的知識なしで楽しめる章もいくつもありますが、それ以外の章については、以上のような点がもしかしたらネックになってしまう読者の方もいるかもしれません。スティーリー・ダンのファンにはおすすめしたい1冊ではありますが、できれば、中身をぱらぱらやって、歌詞やコードの分析部分の記述が大丈夫そうかどうか、確認してから買われるのがいいかもしれません。


なお、ディスクユニオンでは、特典としてレコード帯を模した栞がついてくるようです。特典を封入するためか、シュリンクされているので、店頭では中身が確認できないんですが、それでも大丈夫、ぜひ特典が欲しいという方は、ディスクユニオンでどうぞ。


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ホラー映画の聖地が何が?!……シアターN渋谷が12月で閉館(涙)

今日は、出版・書店の話題からは離れて(といっても、後述の通り、完全に無縁なわけではないですが)、ちょっと映画の話を。今日、渋谷のミニシアター、シアターN渋谷が閉館になることをツイッターで知って、大ショック……。ホラー映画やヘンテコ映画好きには聖地のような場所だったのに……。


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渋谷パルコ、八重洲シャンテ、おおさきや書店……新刊書店の開店・閉店いろいろです

《8月末〜9月初めの案件がいくつか重なりましたので、まとめて紹介》としたのが、ほんの10日ほど前なのに、早くもいろいろたまってきましたので、まとめます。今回は、リニューアルが多めです。

●オープン


  • 9/14 ヴィレッジヴァンガードフリークス渋谷パルコ
  • 9/15 らしんばん横浜店(30)
  • 9/21 文教堂杉田とうきゅう店(80)
  • 10/ 5 八重洲ブックセンター日比谷シャンテ店(189)
  • 10/ 6 宮脇書店イオン高松店(320)
  • 11/28 文教堂書店?店

渋谷パルコ6FにできたVV新店は、「ヴィレッジヴァンガードフリークス」という名前になっています。サイトによれば、《普通のヴィレヴァンはもう飽きた!よりマニアックに、より(店長の)欲望を追求した店舗が渋谷パルコに誕生!アニメ・コミックス・フィギュアなどなどそっち系に偏りまくったお店です!あなたの中に眠っている新たな欲望を刺激させます!》というお店だそうです。


渋谷パルコと言えば、しばらく前の記事で取り上げた通り、地下のリブロがパルコブックセンターとして生まれ変わったばかり。さらに。今日知ったのですが、パルコには古書店もできたようです。 「渋谷パルコ 【渋谷サブカル書店】」(9/12 草古堂ノート)。《9/14(金) 渋谷パルコ パート1 6F に新店舗をオープンいたします。ヴィレッジヴァンガードのお向かいです》とあります。草古堂は幕張に店舗と、江戸川区に通信販売専門店とをかかえる古書店。VVの前の、しかも渋谷パルコ内の古書店が、いったいどんなお店になっているのか、気になります。あと、書店派としては、PBCへの影響も気になるところです。


次の「らしんばん」、関連記事はこちら。「横浜東口にアニメ・ゲームの買取販売「らしんばん」がオープン」(9/14 ヨコハマ経済新聞)。記事によれば、「らしんばん」は《アニメやゲーム関連商品、同人誌などの買取・販売のチェーン店》で《全国の主要都市に22店舗を構えている》とのこと《新店舗は1〜3階にアニメグッズ専門店「アニメイト」が入居しているヨコハマプラザホテルの3階で、店舗面積は99平方メートル》とあります。坪換算で約30坪。


しかし、《1〜3階にアニメグッズ専門店「アニメイト」が入居してい》て、さらに《アニメやゲーム関連商品、同人誌などの買取・販売のチェーン店》が入居する、このヨコハマプラザホテルって、いったいどんな「ホテル」なのか、そちらのほうが気になりますが、サイトを見る限り、ふつうの立派なホテルだなあ(笑)。


八重洲ブックセンターの新店はなんと、日比谷シャンテ内。サイトには、「予告」(9/19現在)として《有楽町・日比谷エリアに新支店オープン!2012年10月5日(金)日比谷シャンテ3階に支店がオープン。お仕事、観劇、お買い物と、女性は勿論ビジネスマン、ご家族連れも楽しめるカルチャー志向の高感度な書店です。皆さまのご来店をお待ちしております》という案内があがっています。


日比谷シャンテは、映画館や劇場に囲まれ、客層的に、書店には好立地な感じですが、テナント料の問題なのか、テナントの意向だったのか、あの立地あの規模の商業施設としてはなぜかずっと書店がないままでしたが、とうとう書店が入るんですね。どのようなお店になるのか、ちょっと楽しみです。


宮脇書店イオンモール高松店は、情報をくださった方によれば、下に上げたフタバ図書GIGA高松店の閉店のあとに入るかたちでの出店とのことです。サイトの案内はこちら。「10月6日にイオン高松店OPENします。」(9/18 宮脇書店)。


文教堂は、大阪のフェスティバルホール跡地にできる高層ビル「中之島フェスティバルタワー」内の商業施設「フェスティバルプラザ」地下に入るお店。各種資料を見ましたが、プレスリリースにも記されていて入るのは確実のようですが、支店名の正式名称が見あたりませんでした。関連記事はこちら。「中之島フェスティバルタワー、10月末完成へ-商業ゾーンは11月開業」(9/14 梅田経済新聞)。


●リニューアル


  • 8/31 三洋堂書店せき東店
  • 9/11 リブロ光が丘店
  • 9/14 旭屋書店イオン浦和美園店
  • 9/14 三洋堂書店橿原神宮店
  • 9/14 積文館前原店(200)
  • 9/22 球陽堂書房メインプレイス店(160)
  • 9/28 ハイパーブックス長浜(300)
  • 10/13 夢屋ピアゴ榛原店(120)
  • 10/中 未来屋書店イオン成田店(256)
  • ?/ ? 未来屋書店水戸内原

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吉祥寺・三鷹の書店・版元仲間がいろいろ取り上げられています

最近、吉祥寺・三鷹の書店・版元仲間が続けてメディアに取り上げられました。まとめて紹介したいと思います。まずはこちら。



吉祥寺ぴあ 2013

『吉祥寺ぴあ』のほうは、《吉祥寺のおすすめスポットを30のテーマで紹介》するという「キーワードで巡る吉祥寺」コーナーの「買う」で、「老舗の本屋さんから大型店まで魅力的な書店がいっぱい!」として、新刊書店7店(ブックファーストアトレ吉祥寺店、紀伊國屋書店吉祥寺東急店、ジュンク堂書店吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店、リブロ吉祥寺店、BOOKSルーエ、ブックスいずみ)が、見開きで大きく紹介されています。


それぞれ、お店のデータ・紹介文に店内の写真が添えられ、お店の店長やスタッフの方も写真入りで登場。各店の「吉祥寺オススメ本」もあげられています。うち、リブロ吉祥寺店の「吉祥寺オススメ本」は、同店も関わっている書店合同フリペ「ブックトラック」。創刊号の表紙写真入りです。うれしいなあ。


BOOKSルーエの永井社長は、「吉祥寺Loversの散歩道」にも登場、お店の歴史や町の印象などを語っているほか、出没SPOTなども紹介しています。


新刊書店紹介ページをめくると、今度は古書店。すうさい堂、風鈴堂、バサラブックス、百年の4店が写真入りで紹介されています。吉祥寺で書店巡りをしたい方は、この書店関連2見開きのためだけでも同誌を買う価値がありそうです。


『オズマガジン』のほうは、「吉祥寺の本好き、集まれ!広がれ!」という記事で、「ブックトラック」を取り上げていただきました。半ページほどとスペースは小さめですが、「ブックトラック」が、参加各店のスタッフのひとことコメント付きで紹介されています。


『オズマガジン』のほうは、特集が「吉祥寺&中央線」ということで、吉祥寺以外のお店も取り上げられていますが、ざっと眺めたところ、他の街も含め、書店関係で紹介されているのは、阿佐ヶ谷の「子どもの本や」だけのよう。


吉祥寺・三鷹の書店合同フリーペーパー「ブックトラック」は、『吉祥寺ぴあ』『オズマガジン』の両方に登場、まさに快挙といっていいことで、作り手の我々にとってはうれしい驚きです。ちなみに、現在は2号まで発行していて、配布店は、BOOKSルーエ、リブロ吉祥寺店、啓文堂書店吉祥寺店、啓文堂書店三鷹店の4店。西荻窪のブックカフェ、beco cafeでも配布しています。この秋には3号の発行を予定しています。お店で見かけたら、ぜひ手にとってみてください。


続いて、吉祥寺の直接の関係者ではないのですが、我々吉祥寺の出版・書店関係者にも縁のあるこちらを。エア書店ユニット「いか文庫」が、ついに全国紙に登場です。



《店も本もないけれど、どこかで営業している。そんな空想の本屋がある。その名も「いか文庫」。本好きの3人が、本屋のグッズをつくり、本に関するイベントを開く。吉祥寺(武蔵野市)の書店「BOOKSルーエ」の店先で、その謎の姿の一端が見られる。 》


空犬通信では、すでに紹介済みですが、先月から、BOOKSルーエの2階に、「いか文庫」のコーナーができています。「エア」書店が「リアル」店舗に棚を持ったわけですね。朝日の記事には、BOOKSルーエの花本氏もコメントで登場しています。


「いか文庫」店主さんの対談(インタビュー)が、先に紹介した吉祥寺&三鷹の書店合同フリペ『ブックトラック』第2号に掲載されていますので、「いか文庫」に興味をお持ちになった方は、そちらもチェックしてみてください。もっと彼らのことを知りたい、という方は、こんなイベントもありますので、よろしければぜひ。


「ブックトラック」には、吉祥寺のお隣、三鷹から啓文堂書店三鷹店も参加しているのですが、同店関連ではこんな記事が。



啓文堂書店三鷹店の西ヶ谷由佳さん、と今年の「ブックンロール」に出演してくれた、西国分寺のBOOKS隆文堂の上田砂由里さんという「吉っ読」にも縁のある書店員お二人が、同じく「吉っ読」に縁の深い作家・碧野圭さんにインタビューするというこの記事。なんだかうれしくなる組み合わせです。


『書店ガール』の碧野圭さんは、この空犬通信にも何度も登場いただいていますから紹介不要ですね。自らも書店blogをお書きで、中央線沿線にお住まいと、「吉っ読」にとってもっとも身近な作家さんの1人です。小説の舞台にどうして吉祥寺を選んだのかなど、吉祥寺・中央線沿線の書店好きなら気になりそうな話題がいっぱいです。


続いて、吉祥寺の一人出版社、夏葉社関連のこちらを。



《自らが惚れこんだ、埋もれた作品の復刊が主だ。夏葉社の島田潤一郎さんは、営業だって自分の足で全国を飛び回る。吉祥寺(武蔵野市)で起業して丸3年。一歩ずつ、そしてしっかりと愛好家の心をつかんでいる》。1階のフェア棚で、夏葉社のフェアを開催したBOOKSルーエの文芸担当、茂瀬野さんの《中身も装丁も、質の高い本をつくっている》コメントも紹介されています。


《今後は復刊だけにとどまらず、さまざまなジャンルの本を送り出していくつもりだ》。この「さまざまなジャンルの本」の1つが、以前の記事で紹介した『本屋図鑑(仮)』です。詳細は書けませんが、島田さんからは、これ以外にもいくつか話を聞いています。楽しみですね。


「ブックトラック」の話がばかりで恐縮ですが、第1号に、島田さんが稿を寄せてくれています。夏葉社ファン、島田さんファンの方で未読の方は、ぜひチェックしてみてください。


最後に紹介するのは、厳密には吉祥寺関連のみのニュースではないんですが、吉祥寺の書店が関わっているということで、ふれておきましょう。


  • 「ぶくぶく」創刊準備号(リブロ吉祥寺店他)

ぶくぶく創刊準備号 表ぶくぶく創刊準備号 裏

A7判、モノクロ。A4の用紙、片面横置の中央に切り目を入れ、冊子状に折りたたんだ、元ジュンク堂書店新宿店、現丸善&ジュンク堂書店渋谷店発行のフリペ「淳久文藝倶楽部」と同じスタイルです(サイズはこちらがひとまわり小さい)


内容については、担当した書店員さんたちがツイッターで紹介していますから、それを引かせてもらいます。《リブロ若手有志によるフリーペーパー『ぶくぶく』を発行、本日より配布開始致しました!あなたと本との暮らしがちょっと豊かになるような、そんな一枚を目指して作成しています。》


《配布店舗は、リブロ吉祥寺店、新所沢店、小手指店、よむよむビバモール埼玉大井店の4店です。お近くにお寄りの際は、是非連れて帰ってあげて下さい!》


《今号の特集は「『星』といえば…」。数々の天文イベントで盛り上がった今年上半期。さらに星を楽しめる一冊を、各人がいろいろな切り口でおすすめしています!》


こちらは、フリペに連動した、発行店合同の店頭フェアも開催されるようですよ。そちらが始まりましたら、吉祥寺店の店頭を取材させてもらい、後日紹介する予定です。上記の店舗の店頭で見かけたら、フリペがないかどうか、また、関連のフェアが開催されていないかどうか、ぜひチェックしてみてください。


〈Twitter出版速報四天王〉が、朝日新聞で紹介されました

先日出演した紀伊國屋書店新宿南店のイベント〈Twitter出版速報四天王〉が、朝日新聞の書評欄「本の舞台裏」で紹介されました。


「つぶやき「四天王」」という記事で、《ツイッターで出版関連の情報をつぶやきまくる人たちがいる。自称「ツイッター出版速報四天王」》と始まっています(この「自称」については、先日の記事に書いた通りです)


紀伊國屋書店の店頭で話をしたというだけでも十分におそれ多いことなのに、全国紙にまで取り上げてもらうことになるとは……ほんとにありがたいことです。好意的に書いてもらった記事なので、こまかいことをどうこう言うつもりはありません。が、1点だけ。


ぼくが、書店のことをツイートし(たりblogに書いたりし)ているのは、書店が大変なときにあるから、ではなく、書店が好きだからです。


beco talk第3弾に「いか文庫」が登場!……予約、本日からです

西荻窪beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。その第2弾、「ハマザ企画会議 〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜」は、おかげさまで定員となり、予約受付終了となりました。ありがとうございました。


続いて、第3弾のご案内を。11月に、こんなイベントを開催します。


    beco talk vol.3 エア書店員インタビュー
    「いか文庫」が「いか文庫」になるまで
    日時:11月16日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付き)
    出演:粕川ゆき(いか文庫「店主」)、空犬(吉っ読)

全国紙にまで取り上げられ、いまあちこちで話題の「エア書店」ユニット、「いか文庫」が、とうとうbecoイベントにも登場です。「いか文庫」店主が、「いか文庫」とは何なのか、これから何をするのかを、徹底的に語りまくります。


吉祥寺・三鷹書店合同フリペ「ブックトラック」2号の対談にも登場してくれていますが、実はあの対談、スペースの制約もあり、実際の取材で聞いた話のごくごく一部なのです。「いか文庫」店主さんは、おもしろネタを山ほどお持ちの人ですから、書店に興味のある人なら、絶対に楽しんでいただけるトークになると思います。


予約は、本日、9月16日(日)から受付開始です。beco cafeに、電話・メール・ツイッターなどで直接お申し込みください。


なお、このトークですが、テーマの性質上、過去の「いか文庫」さんのトークイベントと内容が重なります。できれば、今回は、「イカナイト」など、過去の「いか文庫」関連イベントに参加したことのある方はご遠慮いただき、そういうイベントに参加したことのない、「いか文庫」の話を聞くのは初めて、という方にお集まりいただけるとうれしいです。


「いか文庫」とそのイベント「イカナイト」については、空犬通信の過去記事、こちらでもくわしく紹介しています


イベント終了後、お店の閉店まではドリンクタイムとして、出演者とお客さんのみなさんでお酒を飲みながらおしゃべりを楽しめる時間ももうけています。「いか文庫」さんの話を聞くだけでなく、直接おしゃべりもしてみたい!という方はぜひ11/16、ご参加ください。よろしくお願いします。


アナログレコードが人気?!(でもレコマは最終号)……そして、来週のbeco recoはアナログナイト

少し前になりますが、アナログレコード関連の記事が新聞に続けて載っていたのを目にし、めずらしいことがあるものだと、びっくりしてしまいました。



前者には、《2011年のアナログレコードの生産数量は21万枚で10年比でほぼ2倍に増えた》とあります。やはり《デジタルな音にならされた耳には新鮮に聞こえ、中高年世代は郷愁をかき立てられる。大きなジャケットやレコードの重さが存在感となり、愛着を増している面もあ》りますからね。《規模は小さいが、市場収縮が続くCDや音楽配信とは対照的だ》としたら、アナログ好きとしてはうれしいことです。


後者は、《国立科学博物館は4日、次世代へ引き継ぐ意義のある重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)に》何を登録したか、という記事で、《国産第1号の自動車タイヤや、携帯型ステレオカセットプレーヤーの「ウォークマン」の1号機...など21件》のなかに、《国産初のLPレコードも選ばれた》とあります。


《国産初のLPレコードは日本コロムビア(東京)製作で、電線の被覆などにも使われる塩化ビニール製》。気になるタイトルですが、やはりクラシックだったそうで、《1951年にベートーベン作曲「交響曲第9番」など4作品が発売された》そうです。


上の記事、とくに日経の記事を読んでいると、アナログ、まだまだいけるじゃん、という気もしてきますが、まあ比較されているCDや音楽配信が厳しい状況にあるわけですから、相対的にましぐらいだと思うほうがいいのでしょう。というのも、レコードがらみでは、こんなさびしい知らせもあるからです。


レコード好き必携のガイド本『レコード+CDマップ』。その最新号の『’12-’13』が「サヨナラ号」ということで、紙としては今号が最後になるそうです。



レコード探し、レコード店探しと言えば、この本でした。ぼくもこの本にどれだけお世話になったかわかりません。旅行や出張のたびに持っていくので、本をばらばらにしてしまい、徹底的に使い込んでいたので、昔の号は1冊も手元に残っていません。ここ数年は、ちょっと離れてしまっていて、石井一孝さんがインタビューに登場した『’10〜’11』を買ったのが最後かなあ。


今回の号では、「巻頭スペシャルインタビュー」として、業界きってのレコマニア、山下達郎さんが登場しているほか、「歴代インタビューPLAYBACK」として、石野卓球さん、チバユウスケさん、佐野元春さん、細野晴臣さんらのインタビューも。


今度こそ、ばらばらにしたりしないで、ちゃんととっておこうと思います。減ったとはいえ、レコード屋さんが、全国にこんなにもたくさんあった時代の記録として。


レコード話が続いたところで、強引にイベントの宣伝です。


    beco reco vol.3 100年聴ける音楽
    日時:9月21日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付き)
    DJ:鎌田洋城(酔舎バンド)、内田英一(ランブリンローズ)、空犬(吉っ読)

(以下、以前に書いた紹介記事の加筆修正版です。)


無類の音楽好き3人が、100年残る曲/残したい(と勝手に考えている)曲を、オールアナログでお届けします。ノンジャンルだと広がり過ぎて選びにくいし、お客さんも困るだろうということで、今回は、洋楽のPOPS & ROCKに絞りました。


ただ、あまり定番やクラシックなものばかりでもつまらないでしょうから、DJの独断で、UK4大バンド、ビートルズ、ストーンズ、レッド・ツェッペリン、ザ・フーははずすことにしました(それぞれのソロは入るかもしれません)。さらに、黒人音楽もなし。


beco recoは、カジュアルなリスニングイベントですので、高価な機材も、貴重盤もありません。(高価どころか、機材はポータブルプレイヤーです(苦笑)。)ありませんが、今回は、アナログのみにこだわりますので、ジャケットも楽しんでいただけるようなセレクトを考えていますから、ちょっとめずらしいシングル盤などもセレクトされるかもしれませんよ。


アナログ好きの方はもちろんですが、どちらかというと、ふだんはアナログは聞かない、聞いたことがない、聞いてみたい、という方のほうが楽しんでいただけるかもしれません。上に紹介した記事や本を見て興味をもった、という方も大歓迎です。


DJのうち、内田氏は、主に、「70年代にオンタイムに感激感動した曲を、当時のシングル盤で」、鎌田氏はシンガーソングライターを中心にセレクト。そして、わたくし空犬は、ギター好きということで、ギターもののロックを中心にセレクトしようと思っています。世代的には、内田氏、鎌田氏が60、70年代中心で、空犬も古いのを選びますが、(他のDJお二人よりも少し世代が下なこともあり)80年代以降の音楽も混ぜる予定です。


予約制で、beco cafeのほうで受付中です。お店に、電話・メール・ツイッターなどで直接ご連絡ください。お店のページはこちら


音楽好きのみなさんのお越しを、DJ&お店のスタッフ一同、西荻窪にてお待ちしております!


〈Twitter出版速報四天王〉、無事終えました……そして、業界情報発信について思うこと

一昨日、無事に終えました。


    〈Twitter出版速報四天王〉
    日時:2012年9月12日(水)19:00〜
    会場:紀伊國屋書店新宿南店 super wakuwaku live talk@ふらっとすぽっと
    出演者:ハマザキカクさん(@hamazakikaku)
    河村書店さん(@consaba)
    永田希さん(@honzuki_news)
    空犬

Twitter出版速報 告知1Twitter出版速報 告知2

↑当日はこんなふうに案内が。自分のアイコンが、こうして紀伊國屋書店の店内に貼り出されているというのは、実に不思議な光景でした。


Twitter出版速報 フェア棚

↑super wakuwaku棚では、イベント関連のフェアも開催していただくことができました。ぼくは書店や書籍デザイン関連の本数点を選書、下手くそなPOPコメントを寄せています。


駆けつけてくださったみなさま、メールやツイッターのコメントで、感想他の連絡をくださったみなさま、本当にありがとうございました。また、紀伊國屋書店新宿南店の店長の野口さん、ご担当の神矢さん、スタッフのみなさん、そして、このイベントを企画し、声をかけてくれたハマザキカクさん、ありがとうございました。


トークの内容や反響については、ハマザキカクさんが早速作ってくれたツイッターのまとめがありますし、お店のほうで動画を用意されるとも聞いていますので、ここではとくにふれません。それらをよろしければご覧ください。


自分でも聞いていて、話していて楽しいトークでしたし、当日までお目にかかる機会のなかった河村さん、永田さんにもお会いできて、有意義な時間だったんですが、やはり、このテーマで、4人で1時間というのは時間が足りない感じ。他の出演者のみなさんが強者ぞろいだったこともあり、パワー負けしてしまって、予定していたことの半分も話せませんでした。それだけがちょっと残念かなあ。


個人的には、なぜこんなこと(出版・書店の業界情報の定期&大量ツイート)をしているのか、情報発信の際になぜ「書店」にこだわっているのか、について、もう少し話したかった気もするかなあ。どれぐらいニーズがあるのかわかりませんが(苦笑)。


事前の打ち合わせでは、ハマザキカクさんからは、当日の話に出た以外にも、いろいろおもしろい話、すごいテクニックを聞いていました。それらが全部開示されなかったのも、個人的には残念。おそらく会場にも彼の話をもっと聞きたいと思われた方もいるでしょう。毎回の宣伝で恐縮ですが、そういう方は、ぜひ、10/26に、西荻窪beco cafeで予定しているトークイベント、「beco talk vol.2 公開編集会議 ハマザ企画会議 〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜」にお越しください。詳細はこちら。9/13から、会場のお店beco cafeにて予約を受け付けていて、早くも満員になりそうな感じです。


今回、「紀伊國屋書店新宿南店 super wakuwaku live talk@ふらっとすぽっと」で行われるイベントに初めて参加したんですが、書店の棚が見えるところで出版・書店に関わるトークをするというのは、いいものですね。場所の名前通り、お客さんがふらりと寄ってきてくださる様子が目に入るのも、出演者にはうれしいことでした。


今回のように、関連のフェアが開催されている場合、トークの前後で、関連書籍を見ていただくことができます。うまくいけば、イベントの入場料収入はなしでも、多少はお店の売上に貢献できるかもしれません。あと、なんといっても、周りが書棚、そして、集まっている人がみな書店のお客さん、というのがいいではないですか。自分でも小規模なイベントを企画・主催している身としては、やはり、書店内でのイベントはいいなあと、つくづく思いました。


ちなみに、昨日の〈Twitter出版速報四天王〉、驚くべきことに、「super wakuwaku live talk@ふらっとすぽっと」としては、集客数No.1イベントになったそうです。ひええ、なんと恐れ多いことに……。


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西国分寺にできたオリオン書房の新店、BOOKS ORIONを見てきました

本日、JR西国分寺駅内にオープンしたオリオン書房の新しいお店、「BOOKS ORION nonowa西国分寺店」。中央線沿線のお店で、オリオン書房の支店で、場所が、中央線沿線の書店のなかでも大好きな書店の1つ、BOOKS隆文堂のある西国分寺と、気になる要素がこれだけそろったら、すぐに見に行かないわけにはいきませんよね。というわけで、オープン当日の様子を、早速見てきました。


nonowa西国分寺 ポスター1nonowa西国分寺 ポスター2

↑駅ビルは、アトレでもディラでもなく「nonowa」。そのnonowa西国分寺のオープン告知ポスター。ショップ1か所に集まったタイプではなく、駅のホームに分かれている施設なので、ご覧のようなちょっと複雑な形状のフロア案内になっていますが、駅自体がそれほど大きい駅ではないので、実際に行ってみたら、とくにややこしい造りではありませんでした。


nonowa西国分寺 案内板nonowa西国分寺 カフェ

↑中央線下りホームにある案内板。妙なところで、写真を切ってしまいましたが、この看板の上には、「WESTERN VILLAGE」という文字が。オープン前から話題になっていましたが、ご覧の通り、全体がウェスタン調。右は、ホーム内にあるカフェ。


nonowa西国分寺は、いくつかのエリアに分かれていますが、BOOKS ORION nonowa西国分寺店は、うち、武蔵野線下りホームにある「ON THE HILL」というエリアにありました。


nonowa西国分寺 ON THE HILL入り口BOOKS ORION 西国分寺2BOOKS ORION 西国分寺1

↑武蔵野線下りホーム側の「ON THE HILL」入り口。ここから入ると中央の写真のような入り口があり、いくつかショップの集まったエリアになっていて、いちばん奥がBOOKS ORION。(人の流れが絶えないなかをぬっての撮影で、ただでさえ下手くそな写真が、悲惨なことに(泣)。)


店内の写真はさすがに撮れませんので写真はこれだけ。お店のページは、こちら。写真はありませんが、店内イメージ図が見られます(ただし、あくまで個人の感想ですが、実際の様子とはちょっと違う印象です)


nonowa西国分寺 案内チラシ1nonowa西国分寺 案内チラシ3nonowa西国分寺 案内チラシ2

↑駅のあちこちで配られていたチラシ。右が、オリオンの紹介欄。


サイズは10坪ほどと小さめ。什器は濃いめの落ち着いた色で、大人っぽい感じのデザインです。お店は横長で、手前に文庫などの新刊が並ぶワゴン、その向こうに雑誌、裏側が文庫他、奥の壁際が左が文庫、右が単行本や雑誌。レジは左端。基本的に棚で見せる造りで、店頭のワゴンをのぞき、それぞれの棚に平台はなし(たしかなかったと思います)。通路は狭めで、大人がすれ違うのがぎりぎり、ぐらい。


同じ、オリオンでエキナカで小さめで、というとPAPER WALLがありますが、PAPER WALLとは雰囲気がかなり異なる感じで、基本的には雑誌と文庫・コミックなどの新刊中心の品揃えのようでした。ただ、新刊中心の小型店といっても、同じエキナカの小型店、たとえば、文教堂のカルチャーエージェントや、ブックエキスプレスらとも違う感じ。小さいながらもちゃんと、オリオンらしい雰囲気になっているのはさすがだな、と思いました。


店舗の前に催事ワゴンが出ていて、本も少しあり、星座早見表やコンパス、ブックカバーなどが置いてありました。ディスクユニオンが手がける読書用品レーベル「BIBLIOPHILIC」のグッズも少しありましたよ。このスペースもBOOKS ORIONなのかと思ったら、後で資料を見ると、「催事スペース」とありました。その手前には噴水まであります。


BOOKS ORION 西国分寺ブックカバー特典

↑オープン特典はブックカバー。1000円以上だったかな、で、もらえるようです。段ボール状の、ちょっと変わった質感の紙製ブックカバー。文庫サイズ。


BOOKS ORION ペプしんぶん 号外

↑レジにあった「ペプしんぶん号外」。ブックカバーの説明が載っています。


上に書いた通り、小ぶりながら、感じのいいお店になっていましたが、ただ、チラシにある「書斎風」、サイトにある「書斎のような落ち着いた佇まい」というのはどうかなあ。「書斎」と言われると、それこそ、読書用の椅子などが置かれ、高級文具などの扱いもある、ゆったりした店舗空間を想像する人が多いかと思います。まさに、オリオンでいうと、パピルスや、PAPER WALLの、とくに品川のほうのように。でも、そのようなタイプのお店ではありません。


什器の色使いや、多面に頼らない派手すぎないディスプレイ(とはいえ、当日発売のコミック新刊『ちはやふる』などは、レジ脇で思いっきり多面になっていましたが)は、「落ち着いた佇まい」ではあるかもしれませんが、「書斎」的雰囲気、というのとはちょっと違うような気もしました(個人の印象です)。実際、ぼくが訪問したときも、女子中高生や主婦の方でけっこう賑わっていましたが、これが夕方にはもっと賑やかになることはおそらく間違いなさそうで、「書斎」的な落ち着きはあまり感じられませんでした。(だからだめ、という話ではなく、エキナカの書店は混み合っているぐらいのほうがいいと思うので、キャッチフレーズのつけかたがちょっと実状に合っていないのではないか、ということです。)


それでも、宣伝文句は別に店頭の様子に直接関係ないのでいいのですが、お店のことでいうと、気になることが1つ。施設全体が、ウェスタン調を売り物にしていて、各店の店員や、通路、駅の構内・周辺でチラシを配ったりしているスタッフがみな、ウェスタン調の格好なんですね。報道などで話題になっていましたから、ご覧になった方も多いでしょう(ちなみに、BOOKS ORIONの方はふつうのTシャツ姿でした)


格好は別にいいんですが、音楽まで、フィドルにバンジョーにと、ウェスタン一色なのには参りました……(苦笑)。こちらはウェスタンの趣味はまったくないもので、書店やカフェのような、長時間いたい場所のBGMがあんな感じだと、けっこうつらいなあ(実際、帰りに中央線上りホームにあるミスター・ドーナツに寄ってみたら、ずっとかかりっぱなしではないんだけれど、ここでもやはりウェスタンが……)


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紀伊國屋書店新宿南店のイベント〈Twitter出版速報四天王〉あさってです

これまでにも何度も宣伝してますが、日が迫ってきたので、最後にもう一度だけ。こちらのイベント、いよいよあさってです。


    〈Twitter出版速報四天王〉
    日時:2012年9月12日(水)19:00〜
    会場:紀伊國屋書店新宿南店 super wakuwaku live talk@ふらっとすぽっと
    出演者:ハマザキカクさん(@hamazakikaku)
    河村書店さん(@consaba)
    永田希さん(@honzuki_news)
    空犬
    会費:無料

イベントの詳細については、お店の案内と、空犬通信のこちらの記事をご覧ください。


イベントに関連して、紀伊國屋書店新宿南店では、こんなフェアが開催されています。「【新宿南店】 Twitter出版速報四天王〜出版業界のインフラ達が選ぶ出版とSNSの必読新刊 」(9/7 紀伊國屋書店「イベントに行こう」)。こちらもよかったらのぞいてみてください。


あさってのトーク、イベントの企画者にしてメインのスピーカーである、ハマザキカクさんがいるので、中身はおもしろいと思うのですが、4人のトークであることを考えるとちょっと時間が足りないかもしれません。ハマザキカクさんの話をもっと聞きたい、というふうに思われる方がきっといらっしゃることでしょう。そういう方は、ぜひ、10/26に、西荻窪beco cafeで予定しているトークイベント、「beco talk vol.2 公開編集会議 ハマザ企画会議 〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜」にお越しください。詳細はこちら。予約は、9/13(木)からbeco cafeにて受け付けます。


東中野にできたBooks Tokyodo(東京堂書店)の新店を見てきましたよ その2

前回の続きです。Books Tokyodo(東京堂書店)アトレヴィ東中野店、今回は、フェアコーナー、雑貨棚、カフェスペースなどを紹介します。


フェアは、店内のあちこちで展開されています。主なものは、「晶文社フェア」「松田優作フェア」「杉本一文原画展&横溝正史フェア」「深沢七郎没後25周年フェア」など。店内には、フェアをまとめたポスター(下)も。


120907東京堂東中野 フェア案内

フェアについては、「アトレヴィ東中野に「ブックストウキョウドウ」-独自フェア展開へ」(8/31 新宿経済新聞)に、河合さんが説明している部分がありますので、引いてみます。


《店内の特集棚では複数のフェアを同時開催している。大判ポスターで告知しているのは「杉本一文原画展」。横溝正史生誕110周年を記念し、杉本一文さんのイラストレーションを使ったカバーを復刻。それを記念し、杉本さんによる原画25点を展示している。「偶然、杉本さん自身と知り合う機会があり、自宅にお邪魔したところ原画が無造作に置かれていた。もったいないと思い、杉本さんにお話したところ承諾していただき当展が実現した」という。「ほとんど個展を開かないので、大変貴重な機会」とも。会期は前期(今月31日〜9月14日)と後期(9月15日〜9月30日)に分かれ、作品の入れ替えも行う。杉本さんによるサイン会も予定。》


《通路を挟んだ反対側の棚では「作家さんの本棚 坂木司さん&大崎梢さん」を展開。「若い世代を中心に人気を集めている」という2人の作家の著書と、それぞれが推薦する本を特集する。推薦タイトルは実用書から小説、コミックまでジャンルレスに選出。9月1日には2人のサイン会も開く。「坂木さんは覆面作家なので、少しややこしい方法でサインをしてもらう予定」と河合さん。》


《そのほか、「少しとがったテーマの新書を数多く出版している」という「晶文社在庫僅少本フェア」、「没後25年 魅惑の深沢七郎フェア」、独自のコネクションを通じて実現したという「蘇(よみがえ)る松田優作フェア」などを多彩に開催。》


120907東京堂東中野 フェアコーナー1120907東京堂東中野 フェアコーナー2120907東京堂東中野 フェアコーナー棚1

↑メインのフェアコーナーがこちら。エスカレータを上ってすぐ左。前回の記事で紹介した、「東京堂月報」がデザイン的にあしらわれた壁の裏側にあたります。このアングルで全体を眺めるだけで、わくわくするような一画になっているのがわかると思います。入り口側から見て、左が横溝・探偵。奥が中上健次のフェア。右側が晶文社。正面が猫と松田優作。


ご覧の通り、通路の上を、いくつかの書棚がまたぐような、書棚のアーチになっています。このスタイルは、品川駅構内にあるPAPER WALLに似た棚があったのを思わせますが、上をまたぐ書棚が複数で、しかもそれらが並行ではなく、斜めになっていたりと、PAPER WALLのそれよりも形状が複雑で、似ているという印象はあまり受けません。


120907東京堂東中野 Tシャツ120907東京堂東中野 フェアコーナー棚2120907東京堂東中野 ねこ本

↑奥は松田優作フェア。松田優作フェアは改装前のふくろう店でも長く展開されていましたね。5000円以上お買い上げでもらえる特典のピクチャーレコードも見えます。上の棚からぶらさがっているのは、フェア関連商品のTシャツ(植草甚一のTシャツ)。棚前の、丸いテーブルに丸い台を重ねたフェア台では、猫本フェアが展開中です。


120907東京堂東中野 杉本一文ハガキ120907東京堂東中野 探偵アウトレット120907東京堂東中野 ウエッジ

↑オープニングフェア、メインの1つは、本店でも開催された杉本一文原画展。本店では、原画展自体は東京堂ホールで行われたため、店舗内では、角川文庫をずらりと並べるにとどまっていましたが、こちら東中野では、大小のポスターをあちこちに配し、角川文庫以外の関連書籍もずらり。さらに、同次開催が「探偵小説フェア」ということで、乱歩や久作や十蘭などがこれでもかと並んでいます。杉本一文原画展の案内葉書は、本店で使われたもののアレンジですが、ちゃんと店名と、同時開催フェアの案内などを入れたものになっています。


前回の記事でふれましたが、アウトレット本は棚を分けることなく、通常の新刊と混ぜておかれています。このコーナーでも、沖積舎で刊行された復刻版などのアウトレット本が見えます。探偵の奥には、中上健次フェア、そして、東京堂と言えば、という感じに定着している、ウェッジ文庫のコーナーも。


120907東京堂東中野 晶文社 ロゴ120907東京堂東中野 晶文社 サイ

↑横溝・杉本/探偵小説の向かいは、晶文社のフェア。おなじみの犀マークに、晶文社の備品(?)を借りたものだという犀の置物たち。


120907東京堂東中野 晶文社 年表1120907東京堂東中野 晶文社 年表2

↑晶文社の担当Yさん渾身の作だという、晶文社の年表。天井に近い位置で、実際に目にすると、問題なく見えるのですが、カメラだと光の加減で、半分まっ暗になってしまいました。楽しい年表に仕上がっていますので、晶文社ファンはチェックを忘れずに。


120907東京堂東中野 晶文社 上の棚120907東京堂東中野 さらばスペイン

↑このような感じで、在庫僅少本はそれがわかるよう帯付きで、ぎっしりと棚に並んでいます。


120907東京堂東中野 晶文社 JJ120907東京堂東中野 晶文社 JJTシャツ120907東京堂東中野 晶文社 犀のあしあと

↑晶文社といえば、JJこと植草甚一。本はもちろんですが、写真が飾ってあったり、グッズが飾ってあったりとなかなかにぎやか。Tシャツは売り物です。ぼくもJJのTシャツは持ってますよ。右は、晶文社のフリペ「犀のあしあと」。


120907東京堂東中野 作家の棚1120907東京堂東中野  作家の棚2120907東京堂東中野 作家の棚冊子

↑晶文社の裏側では「作家さんの本棚 坂木司さん&大崎梢さん」が展開中。写真のような冊子も造られていますので、ファンの方は忘れずに。


120907東京堂東中野 杉本台120907東京堂東中野 サイン本1120907東京堂東中野 サイン本2

↑フェアはレジとカフェがある側のエリアでも、写真のようなフェア台を使って複数展開されています。こちらの台でも、角川文庫の横溝正史フェアが。隣では、銀座の画廊で販売されている杉本一文先生の「オリジナルジークレープリント」の販売用の見本ファイルが。下に台の下にはポスターも。


横溝フェア台の反対側は、サイン本コーナー。最近はあちこちの書店でふつうにサイン本を見かけるようになりましたが、東京堂書店は、こんなふうにサイン本が一般的なものになるずっとずっと前からサイン本棚を常設していたお店。それを楽しみにしているお客さんもいることでしょう。まだ客層がわからないので、サイン本のセレクトは、なるべくいろいろなお客さんの興味を引けるような幅広いものにしているのだとか。なるほど、本店の、とくに改装前のサイン本棚には常連といっていい作家が何人もいましたが、そういう名前はあまり見あたりませんね。


120907東京堂東中野 深沢フェア パネル120907東京堂東中野 深沢フェア 全体1120907東京堂東中野 深沢フェア 全体2

↑オープニングフェアの目玉の1つ、「没後25年 魅惑の深沢七郎フェア」。大きめの平台をほぼ全部使った、点数内容とも充実のフェアです。単に深沢七郎の著作を並べるだけでなく(本人の著作はむしろ少なめ)、ゆかりのある人物の関連本を並べたり、深沢が愛した本を並べたり、評伝を並べたり、深沢が取り上げられている対談本や作家ガイドがあったりと、非常に幅の広いセレクトになっています。深沢七郎は文庫で全部読んでるよ、という読者でも楽しめそう。


120907東京堂東中野 深沢フェア 砂1120907東京堂東中野 深沢フェア 砂2

↑ケースに砂が入っているのが見えるでしょうか。これ、ラブミー牧場の砂だそうですよ(笑)。


ご覧の通り、これらフェアコーナーには、お店全体のバランスからすると、かなり広めのスペースが割かれています。客の立場からすると、フェアのテーマ設定も、それぞれのフェアのセレクトも、フェアが展開されている棚や台の造りにも遊びがあって、眺めていてすごく楽しいスペースになっています。一方、書店側にしてみれば、これだけのスペースを本やグッズで埋め、定期的に入れ替え、フェアを回転させていくのは相当に大変なはずです。逆に、ここをうまく活用できれば、同じ中央線沿線駅の個性派書店との差異化も十分にはかれるはずですよね。


本店は、壁面を大きく使って、小出版社の本をたくさん、社によっては全点並べる小出版社フェアを続けていますが、さすがに東中野のお店ではその手のフェアは難しいでしょう。このぜいたくなフェアスペースがどんなふうに活用されていくのか、今後が楽しみですね。


続いて、カフェを簡単に。


120907東京堂東中野 カフェ1120907東京堂東中野 カフェ2

↑書店側からカフェスペースを臨むとこのような感じ。逆光でまっ暗に写ってしまっていますが、実際には、ふんだんに外の光が入ってきて、とても明るいスペースになっています。ブラインドも、わざと色やサイズを変えたものを並べたということで、カラフルな見た目になっています。カフェスペースの一角には写真右のような本棚とソファのようなイスもあります。これは前回の記事で紹介したキッズスペースの裏側にあたるところ。


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東中野にできたBooks Tokyodo(東京堂書店)の新店を見てきましたよ その1

8/31に、JR東中野駅の駅ビル「アトレヴィ東中野」内にオープンしたBooks Tokyodo / Paper Back Cafeアトレヴィ東中野店。先日おじゃましてきましたので、お店の様子をレポートします。


先に、お店の全体像がわかるよう、関連記事をあげておきます。「東京堂、4店目を東京・東中野にオープン」(8/31 新文化)、「アトレヴィ東中野に「ブックストウキョウドウ」-独自フェア展開へ」(8/31 新宿経済新聞)。


新文化の記事を引きます。《8月31日、東京・JR東中野駅に直結するアトレヴィ3階に、「ブックストウキョウドウ」をブック&カフェ形式でオープンした。同形式での出店は3店目。総売場面積は106坪で、在庫は5万冊。「作家の本棚」や、晶文社の希少本フェアなど、東京堂の持ち味を活かしながらも、幅広い層に訴求するためのラインアップを揃えている。斬新なフェア棚も取り入れた》。


以下、くわしく紹介しますが、結論を先に書くと、駅ビルの書店としては、非常に使いやすいサイズで、品揃えのバランスもよく、幅広い層のお客さんに喜ばれそうな、すてきなお店になっていました。東京堂だから、ということでなく、駅の近くにあるふだん使いのお店という意味で、すごくいいお店だと思いました。


それでいて、レギュラーの棚にもフェアにも、あちこちに東京堂らしさがちゃんと出ています。しかもそれが、ふつうのお客さんを置いてけぼりにするような感じにまったくなっていないところは、さすが東京堂という感じです。このようなお店が、最寄り駅の近くにあったら、毎日通いたくなるだろうなあと、そんなふうに思わされるお店でした。中央線沿線は、個性的で使いやすい新刊書店が各駅にありますが、また1つ、すてきなお店が加わりましたね。


ラッキーなことに、店長の横沢さんと店舗事業部の河合さんにお話をうかがいながらお店を見せていただくことができました。以下、くわしく紹介していきたいと思います。フロアマップがありませんので、東京堂書店のサイトのこちらにある、店内イメージ図を合わせてご覧になると、お店の全体像がつかみやすいかもしれません。(いつものように、店内の写真はすべてお店の方の許可を得て撮影したものです。)


120907東京堂東中野 アトレ入り口120907東京堂東中野 全景

↑アトレヴィ東中野の入り口。西口改札の斜め前、すぐ。右は山手通りを渡ったあたりからアトレ全体を眺めた図。うっすらBooks Tokyodoの文字は見えますが、よくある「本」のような看板やサインは出ていません。


120907東京堂東中野 2Fディスプレイ1120907東京堂東中野  2Fディスプレイ2

↑2階、エスカレータの昇るところの壁にも、このようなディスプレイが。左に見えるレトロでかっこいい書影は「東京堂月報」。昔、東京堂書店で出していた定期刊行物(PR誌のようなものか)だとか。さすが老舗、いちばん古いものは1916年とあります。


120907東京堂東中野 エスカレータ脇120907東京堂東中野 オープンチラシ

↑「東京堂月報」の書影はエスカレータ脇の壁にも大きくあしらわれていました。これは、本店にもない意匠で、かっこいいですね。右は、エスカレータあがってすぐのところに掲示されている、グランドオープンの案内チラシ。


120907東京堂東中野 正面120907東京堂東中野 軍艦120907東京堂東中野 アーチモニター

↑エスカレータあがった正面は、東京堂書店利用者にはおなじみですね。本店の「軍艦」をイメージしたという、お店のメインの台。ひとまわり小ぶりですが、什器の感じも、並んでいるものも、まさにミニ「軍艦」の趣。それを、東京堂のテーマカラーである深いグリーンのアーチが覆うように。アーチの柱にはモニターがあり、映像化作品の関連動画などが流れています。


「軍艦」の奥の壁はコミック。奥の壁際は平台がなく、コミック自体はお店のバランスからするとやや少なめの印象。POPや試し読み版などの拡材もそれほど目立たない感じでした。お客さんが絶えず、写真は撮れず。


逆に、お店のサイズに比して、多めなのが、そのコミックの右側の棚を使った児童書売り場。


120907東京堂東中野 児童書120907東京堂東中野 キッズスペース1120907東京堂東中野 キッズスペース2

↑写真がピンぼけでわかりにくいと思いますが、この規模のお店の一般的な児童書棚の倍ぐらいあります。ぼくの下手くそな写真では伝わらないのが残念ですが、棚がゆるやかに弧を描いていて、とてもいい感じ。改装後の本店には児童書売り場がありませんから、意外な感じですが、横沢さん、河合さんによれば、児童書の売上げはなかなか順調とのことです。


その右奥、窓際には、じゅうたん敷きのキッズスペースが用意されていて、知育玩具などの扱いもあります。窓が大きいので、お店全体が明るいのですが、ここは、窓際の角ということで、とくに明るいスペースになっています。これは、子ども連れのお客さんが喜びそうです。


120907東京堂東中野 レジ側

↑中途半端な写真になってしまいましたが、児童書棚のあたりから、見渡した図。写真左奥がカフェスペース。カフェスペースはL字型で、正面にカウンターとカフェのロゴが見えます。手前に雑誌と雑貨の棚が並び、写真に写っていない右側にはフェア台、その奥がレジとなっています。


120907東京堂東中野 レジ1120907東京堂東中野 レジ2

↑レジ。レジの奥の棚は、よく客注の本など取り置き本を並べるのに使われたり、改装後の本店のようにディスプレイに使われたりすることがありますが、背側の仕切りが低いため、ご覧のように本は並べず、洋書風の「飾り」になっています。これは、本店のカフェのカウンター奥の壁と同じ感じですね。


120907東京堂東中野 実用120907東京堂東中野 検索機

↑レジの右脇は実用。もともと、同じジャンルの雑誌の下の棚に関連の実用書をまとめるかたちでスタートしたそうなですが、こちらにまとめなおしたところ、動きもよくなったそうです。隣は検索機。


エスカレータをあがって、左側のエリアにいきます。こちらには、文庫や新書、文芸、人文などのレギュラー棚のほか、フェアコーナーがあります。


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丸善&ジュンク堂書店+「青い鳥文庫」のコラボイベント、「こども本屋さん」のPOPがかわいすぎる…

以前に何度か記事でふれた、丸善&ジュンク堂書店+「青い鳥文庫」のコラボイベント。作家編・編集部編・書店編の3つのうち、書店編に参加した子どもたちのPOPを集めたページができています。「丸善&ジュンク堂書店公式サイト 青い鳥文庫×丸善&ジュンク堂 自由研究イベント「本屋さんを体験しよう!」こども本屋さんのおすすめ本」


これ、ほんとにかわいいなあ。子どもたちが自分の大好きな本への思いを、小さな紙の上になんとかまとめようとしている一生懸命な様子が伝わってきますよね。色使いや文字・イラストの配置がちゃんと考えられていたり、コピーを目立たせる工夫がされていたり。その一方で、紹介文よりも年齢の表示のほうが目立っているような、子どもらしいかわいいのも混じっていたり(笑)。POPを2枚使って、2枚にまたがる横長のイラストを配するなんて、なかなかのアイディアではありませんか。実際の書店で大人がやってるのは見たことない気がするものなあ。どのPOPも、見ていて、ほんと、うれしくなりますよね。


このなかから、将来、本にかかわる仕事につくような子が出てくれれば……などというのは、さすがに望み過ぎでしょう。ずいぶん先の話ですしね。出版の世界が、本の小売りの世界が、どんなふうに変わっているかもわかりませんし。せめて、この子たちが、5年後も10年後も本好きでいてくれたらいいなあ、とそんなことを願わずにはいられません。お店の人たちの思いも同じなのでしょう。ページのいちばん下には、こんなことばが載っています。《この一日が良い思い出になって、ずーっと本が大好きなまま大人になってくれると嬉しいなと思います!》


今回の、丸善&ジュンク堂書店+「青い鳥文庫」のイベント、とてもすてきな試みでしたね。過去に記事で取り上げていますので(『青い鳥文庫ができるまで』とイベントについては、こちらで、作家編については、こちらで)、これらPOPが作成された書店編の東京会場の様子について、簡単にレポートしておきます。


ぼくが、というか正確には、うちの子が参加したのは、8/21に丸善&ジュンク堂書店渋谷店で行われた回。小学校低学年から高学年まで、十数名。女の子が多いものの、男の子の姿もあります。子どもたちは、始まるまでの待ち時間も、会場のテーブルに用意された本を夢中で読みふけっていました。その姿のかわいいこと(笑)。


本屋さんで自由研究を チラシ表本屋さんで自由研究を チラシ表

最初に丸善&ジュンク堂書店の担当の方から、本屋さんのお仕事についての説明がありました。子ども向けということで、やさしくかみくだいてはあるものの、あいさつの仕方とか、本の流通とか、業界用語とか、説明自体はとても丁寧かつ詳細で、大人でもおもしろく聞けましたよ(ちなみに、今回は、会場に保護者も残っていていいということで席が用意されていたほか、カフェからもイベントを見ていることができました)


説明の後、子どもたちは、書店員さんたちに連れられて、店内のツアーに出発。出発前に、みんなは本屋さんの店員だから、店内でお客様とすれ違ったら、「いらっしゃいませ」と声を出してね、と説明を受けていました。いきなり、なかなか高いハードルが(笑;後で、うちの子に聞いてみたら、やはり、みんなさすがに声は出せなかったそうです)。まさに「かわいい小さな書店員さん」たちです。


後で担当の方に聞いたところ、店内は児童書売り場を中心に見て、バックヤードも見せたんだとか。ぼくのような業界関係者はともかく、一般の本好きの方はふつう見る機会がないでしょうから、大人でも気になりますよね。これについても、後でうちの子に聞いてみたら、「本屋さんの裏側」(と呼んでました)がいちばんおもしろかった!とのこと。


店内ツアーから戻った子どもたちは、今度は、POP作りに挑戦。今回は、「青い鳥文庫」とのコラボイベントなので、「青い鳥文庫」から選ぶということだけ決まっていたようですが、どの本にするかは自分で選べます。1人で、2冊、3冊に挑戦してもOK。


POPを書いているときの様子を、少し離れたところから眺めていたんですが、これがもう、すごくいいんですよ。子どもたち、すごく真剣な表情で、POPに取り組んでいて。始まってすぐに、かりかりと描きだす子もいれば、書店員さんに質問したり相談したりしながら慎重に始める子もいます。用意された色ペンの箱を何度も何度もかき回して、自分の欲しい色を書店員さんにリクエストする子も。早々に1枚仕上げて、次の本を、書店員さんと一緒に児童書売り場の棚に探しにいく子もいれば、1枚のPOPにじっくり長い時間をかけて取り組んでいる子もいます。


このときの子どもたちの姿は、ほんとに最高でした。ただ集まって、なにやらお絵かきしているだけ……傍からは当然、そのように見えるわけです。それでも、ぐっときてしまいましたよ。もちろん、写真に撮ったりはできませんから、しっかり心に焼きつけてきました。本に関わる仕事をしていてよかったなあ、と、子どもたちの横顔を見ながら、そんなことを思ったりしていました。ぼくは児童書の担当でも、青い鳥文庫の関係者でもありませんが、そんなことは関係なく、そのように思えたのです。


こどもたちのPOP


会心の出来だったんでしょうか、POP作りがすっかり気に入ってしまったのか、おうちに持って帰る分を作ったりしている子までいましたよ。よっぽど楽しかったんでしょうね。


最初に申し込みをしたときには、3つのうち1つしか選べないのかなと思って、最初は作家編を(子どもが自分で)選んだのですが、空きがあれば、他のも申し込めるということで、途中で追加申し込み、うちの子は結局、作家編・編集部編・書店編、3つとも参加することができました。書き手、作り手、売り手という、本に関わる3つの大事な仕事にふれることができて、とてもいい経験になったと思います。


書店での子どもを対象にしたイベントというと、とくに夏休みのような長期休暇期間には、あちこちの書店で、読み聞かせなど、いろいろなものが行われています。そんななか、今回のコラボイベントは、「本」というものをいろいろな面から見せる、とてもすてきな「自由研究」イベントだったように思いました。集客など、書店の現場で実際にイベントを実現するみなさんにとっては、大変な面も多いかと思います。作家や編集部の協力を得るのも簡単ではないかもしれません。でも、将来の本好きを育てるというだけでなく、子どもたちに「本にかかわる仕事」というものに興味を持ってもらうためにも、ぜひ続けていただきたいなあと、また、他の書店でもやってみてほしいなあと、そんなふうに思いました。


この「丸善&ジュンク堂書店公式サイト 青い鳥文庫×丸善&ジュンク堂 自由研究イベント「本屋さんを体験しよう!」こども本屋さんのおすすめ本」のページは、このイベントに参加した子どもたちや、その保護者のみなさんにはもちろんのこと、本にかかわる仕事をしている、いろいろな方の目にとまってほしいですね。この子たちがずっと本好きでいられるようにするにはどうしたらいいか、何ができるのか……そんなことを考えるきっかけになるかもしれませんしね。


短歌、オランダ、駒形克美……往来堂書店のおもしろフェアを見てきましたよ

真夏はさすがに書店回りも控え目にせざるを得なくて、神保町と吉祥寺以外の書店にはちょっとごぶさた気味。秋の声が聞こえてきて、ようやくあちこちに顔を出しやすくなりました。先日は、久しぶりに往来堂書店へ。店内のおもしろフェアをいろいろ見せてもらってきましたので紹介します。


まずは、こちら。「愛の短詩フェアby guca」。サイトによれば、こんな内容のフェアです。《こんにちは。短詩系女子ユニットgucaです。二年間の期間限定で、短詩型文学(短歌・俳句)に関する電子書籍を作ったりイベントを実施したりして、つい先日(8/31)解散しました。「愛の短詩フェア」はわたしたちにとっての卒業制作展。guca最初で最後の紙の本「guca紙」のほか、電子書籍に登場した本、イベントに出演してくださった方の本、わたしたちが影響を受けた本などを集めました》。


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↑平台の様子はこんな感じ。穂村弘さんの『手紙魔まみ 夏の引越し(ウサギ連れ)』、枡野浩一さんの『ショートソング』他、詩や短歌の、それも気になる装丁の本がいろいろ並んでいます。


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↑これが紹介文中にある「guca紙」。Hさんがデザインを手がけたそうですよ。


次は、これ、「駒形克己+ONE STROKE」。《グラフィックデザイナー・造本作家の駒形克己さんによるONESTOROKEの絵本を集めました。どの絵本も紙の質感や美しさがきわだち、思わずはっとさせられる楽しい仕掛けがたくさんありますよ》。


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↑店頭の様子はこんな感じ。写真にも表紙に穴があいた本が写っているのが見えますが、とにかく、造本に凝った本ばかりで、本のデザインに興味のある方、アートブックが好きな人なら、目を奪われること必至ですよ。ぼくも、装丁・造本には大いに関心のあるほうなので、いくつか手にとってぱらぱら見てみましたが、いったい、どうやって印刷したのか、どうやって製本したのか、想像もつかない不思議な本ばかり。それでいて、ただ単に本の造りが凝っているというだけでなく、作品としてもおもしろいものに仕上がっているのがすごい。


次は、「tontonオランダフェア」。《こどものためのアート情報誌[トン・トン]。季刊のフリーペーパーとして、こどもが、そして親子で楽しめるアート情報をお届けしています。2012年7月発行のvol.3「オランダのこどもとアート」に合わせてtontonオランダフェアを開催! tontonがセレクトした、オランダのこどもとアートにまつわる本を通して、オランダの魅力をお届けします!》


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↑オランダの本ということで、ブルーナの関連書も見えますね。


フリペtonton

↑こどものためのアート情報誌「トン・トン」はこんな感じ。フリーペーパーを広げると、中は、子どもたちが絵を描けるような造りになっているんですよ。


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↑前回、往来堂書店のフェアを紹介した記事でふれた柴田元幸さんのサイン本たちは、海外文学の棚に場所を移して、ご覧の通り展開中。


往来堂書店では、こんな本も見つけましたよ。



版元の案内によれば、《1969年に高田渡により限定300部で自費出版された私家版のカバーを40年ぶりに復刻。さらに、初単行本化の詩12篇、高田渡撮影の写真を多数追加収録した豪華版》だとか。サイトで書影をご覧いただきたいんですが、すてきなカバー装画ですよね。こういうのを、ちゃんと面にして目立つところに置いてくれるのはうれしいなあ。でも、高田渡さんの本はやっぱり吉祥寺の書店で買いたいので、今日は、往来堂書店では別の本を買いました。これです。



町の忘れもの

新刊案内で見かけたときから楽しみにしていたなぎら健壱さんの新刊。なぎらさんの町歩き写真エッセイといえばちくま文庫ですが、今回はちくま新書。しかも、ご覧の通り、ちくま新書のフォーマット通りの表紙ではなくて、写真をあしらった表紙。


最初の1編が「切ない貸本屋」で、根津にあったというお店の看板の写真が本文で使われています。千葉や神奈川の場所もごくわずかに混じっているものの、取り上げられている場所のほとんどが東京の町なので、これも一種の東京本。本に縁のある東京本ということで、まさに往来堂での買い物にぴったりの1冊でした。


往来堂書店 時代小説案内往来堂書店 新刊ニュース

↑最近始めたという、時代小説の案内チラシと、カバーしている新刊の冊数が微妙な(苦笑)新刊ニュース。


往来っ子 98、99

↑「往来っ子新聞」、98号と99号。お店におじゃましたときに、もうすぐ100号で、いま作っているところなんですよ、と、作業途中のものを見せてもらったんですが、完成したようですね。こちらで写真が紹介されていますが、100号記念でリニューアルしたということで、体裁はほぼ同じですが、ご覧の通りロゴや紙面のデザインが少し変わっています。100号、おめでとうございます。これは、やっぱり、前々から案が出ていた、100号記念の合本を実現してほしいですね。


「往来っ子新聞」100号達成に合わせて、ということでもないのでしょうが、往来堂書店のメルマガ「往来堂ももんが通信」が復活していますよ。申し込みは、往来堂書店のサイトからもできますよ。こちらで、バックナンバーが見られます。


ちなみに、この「往来堂ももんが通信」ですが、サイトにはこんな説明が。《往来堂ではWEBページとリンクし、地域内外のお客様に『往来堂ももんが通信』を配信。往来堂の仕入れ情報や売れ筋情報などをコンパクトにまとめて毎週お届します》。往来堂書店のファンはぜひ登録を忘れずに。


フェアも冊子もすごい!……国書刊行会創業40周年フェアが始まりました

東京国際ブックフェア他で、早くから告知されていましたから、多くのファンが楽しみにしていたことでしょう。国書刊行会の創業40周年記念フェア、あちこちの書店で始まりましたね。公式サイトは、こちら(『今日の早川さん』のCOCOさんによる40周年記念コミックも!)。関連記事はこちら。「国書刊行会、40周年記念フェアで書店頒布限定の小冊子作成。」(7/19 文化通信)、「国書刊行会、創業40周年で約180点フェアへ」(8/17 新文化)、「国書刊行会創業40周年記念フェア 全国の書店で開催決定!」(8/22 ダ・ヴィンチ電子ナビ)。


新文化の記事によると、フェアは《作家、学者など著名人61人によって選書した冊子「私が選ぶ国書刊行会の3冊」を作成し、収載したおよそ180点のフェアを9月から全国70書店で順次展開する》というもの。点数はお店によっても違うのでしょうが、180点、それも国書ばっかりでこの数はすごいですよねえ。


で、早速見てきました。神保町では、三省堂書店神保町本店が1階のメインのフェア棚で、じゃじゃーんという感じで、大展開しています。いや、これがもう圧巻というか、壮観というか。1階には知り合いの書店員さんがいないので、写真を撮れなかったのがほんと残念。ぜひ近隣の方は見に行ってくださいね。神保町では、東京堂でもフェア開催中です。


私が選ぶ国書刊行会の3冊

↑楽しみにしてました。《小説家、書評家、芸術家など各界著名人約60名が選んだ》セレクトを集めた冊子「私が選ぶ国書刊行会の3冊」を入手、これがまた無料配布品とは思えない充実度。円城さんのレム(それも『虚数』)、川崎賢子さんの十蘭全集、長野まゆみさんの『ラピスラズリ』など、いかにもなあ、なるほどなあ、という組み合わせもあれば、えー、この人がこの本を?!という意外な組み合わせもあって、ぱらぱら眺めているだけで楽しめます。「3冊」ってなってるのに、全何十巻とかのシリーズを丸ごとあげている人もいたりして(それも、3つともシリーズという方も!)、ちょっとずるいよなあ(笑)、などとつっこみを入れながら読むのもまた一興。


フェアも冊子もすばらしいので、本好きのみなさんは、出入りの書店で「国書刊行会創業40周年記念フェア」をやってないかどうか、チェックしてみてください。


で、別にだれに頼まれたわけでもないのですが、勝手に、「私が選ぶ国書刊行会の3冊」をあげてみることにしました。こんな感じかなあ(簡単に書いてますが、ものすごく悩みました……)


  • 大坪砂男『天狗』(探偵クラブ)
  • J・L・ボルヘス『創造者』(世界幻想文学大系)
  • ティム・オブライエン『カチアートを追跡して』I・II(文学の冒険)

天狗創造者

国書刊行会には、いろいろな作家、いろいろなジャンルを教えてもらいました。なかでも、怪奇・幻想・探偵、そして、ラテンアメリカを中心とする海外文学については、国書刊行会の本によって、ずいぶんと読書の幅を広げてもらった気がします。今回は、探偵、ラ米、米文から1冊ずつセレクト。


『天狗』の大坪砂男は、苦労して入手した薔薇十字社の全集も持ってますが、この1巻本ほうに、より愛着があります。表題作は、入手以来、いったい何度読み返したことか。人生で、もっとも多く読み返している短篇の1つです。


ボルヘスは最初に読んだのは集英社の本でしたが、好きな本を1冊あげろ、と言われたら、迷わずこれ。内容にぴったりの重厚な造本・装丁も大好きだし(文庫化されたときの記事に《国書刊行会の箱入り本は気軽に手にするには本の造りがいかめしい》と書きましたが、そのいかめしさがいいんですよねえ)、これ、紙面のデザインもすばらしいんです。国書刊行会の新装版も、岩波文庫版もありますが、やはり、この「世界幻想文学大系」版で持っていたい1冊。


今回、冊子を読んだら、柴田元幸さんがこの本をあげていて(ちょっと意外ですよね)、とてもうれしくなりました。


ジョン・アーヴィング 『ガープの世界』をおさえて全米図書賞(1979年)を受賞した作品としても知られる『カチアートを追跡して』。ぼくは『ガープの世界』を先に読んでいて、そちらが大好きだったので、『ガープ』よりいいなんてなあ、ほんとかなあ、という気持ちで読み始めたんですが、すぐにノックアウト。「ほんとだ、これは、ガープよりすごいや……」。


「私の3冊」を選ぼうと、書棚を眺めていたら、気になる本がいっぱいでてきちゃったから、それらにもふれておこう。


歪み真珠

『山尾悠子集成』をはじめとする、国書刊行会の山尾悠子本は、どれも美しくて、大事に手元に置いておきたくなるものばかり。なかでも、この『歪み真珠』と『ラピスラズリ』の美しさといったら。装丁は大好きな装丁家の一人、柳川貴代さん。手元のは2冊ともサイン本です。


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リブロ新橋、書泉、ヴィレッジヴォイス……新刊書店の開店・閉店いろいろです

新刊書店の開店・改装・閉店関連の話題は、数日前の記事で取り上げたばかりですが、8月末〜9月初めの案件がいくつか重なりましたので、まとめて紹介します。


●オープン


  • 9/ 3 建築書店ArchiBooks
  • 9/19 リブロウィング新橋店(20)
  • 9/下 よむよむアピタ本庄店(142)

JR田町駅から徒歩少しの建築会館。その1階、以前「Tea Lounge AGORA」があったところにできたのが、建築書店ArchiBooks。こちらで、店内のイメージ図入りのリリースが見られます(*PDFファイルです)。


案内によれば、《日本建築学会の出版物をはじめ、約2,000冊の建築関連書籍を取り揃えています。論文集やシンポジウム資料など、他では入手し難い貴重な資料も閲覧・購入でき、さらには皆様がコーヒーを飲みながらコミュニケーションを図れるようにしつらえられた、本会の新たな情報発信地です》とのこと。ブックカフェスタイルの建築関連専門書店ということですね。


建築自体にはとくにくわしいわけでも、また関心が高いわけでもないのですが、特定ジャンルの書店の新しいかたちということで興味がありますので、機会があったらのぞきにいってみようと思います。ちなみに、JR田町駅周辺の一般書店だと、北口駅前には虎ノ門書房がありますね。南口側にあった流水書房は残念ながら、数年前に閉店になってしまいました。


同じ山の手線駅の新規店が続きます。リブロの純粋な新店としては、昨年の福岡天神以来でしょうか。京急ショッピングプラザウィング新橋は、新橋駅とは地下でつながった商業施設。お店は、地下街1号というところにできるようです。20坪と、サイズ的にはコンパクトなお店。地下の商業施設内にある小さめのお店というと、リブロでいうと、なんばウォーク店のような感じになるんでしょうか。ちなみに、今回の新店、リブロのなかでは最小店舗だそうですよ。


「よむよむ」は、リブロと同じグループというか系列のお店。JR高崎線本庄駅から少しのところにある商業施設(大型小売店)「アピタ本庄店」は現在改装中で、9月下旬にリニューアルオープンとなるとサイトの案内にありますが、その2階に入るようです。約140坪と、商業施設内に入るお店としてはそれほど大きなもお店ではありませんが、ふだん使いにはちょうどいいサイズですよね。


●リニューアル


  • 9/1 書泉グランデ
  • 9/1 書泉ブックマート

これまでも何度かふれてきた、書泉グランデとブックマートの改装。業界紙2紙に記事が出ましたね。「アニメイト、神保町の書泉をリニューアル」(9/3 文化通信)、「アニメイトグループの書泉、2店をリニューアル」(9/3 新文化)。前回の記事でふれましたが、アニメイトは、本体の「アニメイト」のほうでも、本店の池袋を含むいくつものお店のリニューアルをこの秋に予定していて、既存店のてこ入れに非常に熱心ですね。


新文化の記事を引きます。《9月1日、東京・神保町にある書泉グランデと同ブックマートをリニューアルした。同グランデは地下1階にアイドル写真集・関連書籍コーナーを新設、7階にイベントコーナーも設けた。同ブックマートはコミック・ラノベに特化した専門店にした》。


9/1に、とありますが、実際には、改装・売り場変更は、5月にグランデに鉄道フロアができ、7月にグランデ地下のコミック売り場が営業終了となるなど、この数か月、営業しながらの作業がずっと続いていたようなので、8月末でそれが終了し、9/1にリニューアルオープンというかたちになった、ということだと思えばいいでしょうか。


書泉グランデ リニューアルオープン 全景

↑外から見ると、グランデにはこのような大きな案内が。


グランデを中心にざっと見てきました。グランデ地下、コミック売り場だった小部屋のようなスペースはアイドル関連でぎっしり。写真集のサイン本の点数がすごいですね。地下に降りる階段の壁は、以前は半裸の女性たちに埋め尽くされている感じでしたが、地下に格闘技などスポーツ関連書籍が残り、それらのポスターやチラシと場所をわけあっているせいか、以前に比べるとややおとなしめの印象。


レジの位置が、階段から見て奥、エレベータの脇あたりになりました。元レジがあったあたりには、自転車(本物)がディスプレイされていましたよ。


書泉グランデ リニューアルオープン 売り場案内

↑売り場の変更の案内貼り紙。


ちょっとユニークというかめずらしいなと思ったのは、映画や音楽の関連書籍が1階になったこと。マルチフロアの店舗で、一階に、これだけ大きく映画や音楽関連書の売り場をとっている例はあまりないかも。1階にあった文庫は2階に移動になりました。これにより、ぼくの大好きな自然科学関連(前にも書きましたが、他の大型店の自然科学関連売り場に比べ、ちょっと濃いめ)と文庫がフロアを分け合うという、こちらも、他ではあまり見ない配置になっています。両方に用事のある身としては、これはこれで、好きなんですが、慣れないと探しづらいと感じる方がいるかもしれません。


新文化の記事には、このような情報も。《今回、同グランデと同ブックタワー(東京・秋葉原)9階のイベントスペースを業界内外に「無料貸出し」することも決めた》。イベントスペースの無料貸し出しというのは気になりますね。その件について、もう少しくわしく紹介した記事があります。「秋葉原・神保町「書泉」イベントスペース、一般向けに無料貸し出し開始」(9/4 アキバ経済新聞)。


記事からイベントスペース関連の部分を引きます。《アニメイト(板橋区)グループの書泉(千代田区)は8月29日、秋葉原の「書泉ブックタワー」(千代田区神田佐久間町1)と神保町の「書泉グランデ」(千代田区)イベントスペースを一般向けに無料で貸し出すことを明らかにした》。《希望者には開催したイベント内容を書泉公式サイトで紹介するサービスも提供する》。


《鉄道ファン同士の交流、鉄道コミュニティーのオフ会、大学の鉄道サークル主催のトークショー、講演会、懐かしの漫画を語る会、鉄道、アイドル、格闘技などを扱うテレビ番組のロケ利用など、「使い方は自由」と同社》。「自由」としながら、例に挙がっているのが鉄道にアイドルに格闘技になど、濃いめのジャンルばかり(しかも、「鉄道」は繰り返されてるし;笑)なのが、書泉らしくていいですね(笑)。


《アイドルイベントの聖地と呼ばれる書泉のイベントスペースで、好きなアイドルについて語り合ったり、豊富な鉄道関連書籍の集まるグランデの鉄道フロアすぐ上のイベントスペースで、鉄道好きの集まりを開いたりしていただくことで、お客さまにますます趣味の世界を広げてもらえれば」と期待を寄せる》。すごいなあ。こういうのって、お店側に利用者の顔が見えてないとなかなかできないことですよね。


利用可能時間は平日11時〜19時とのこと。申し込みなどの詳細は、書泉のサイトのこちらにあります。気になるのはキャパで、記事には数字があがっていませんが、サイトには、貸し出し備品として、ブックタワーは机4台・イス16脚、グランデは机2台イス8脚とありますから、会議室ぐらいのイメージでしょうか。規模の大きいイベントはむずかしそうですね。


●閉店


  • 8/31 TSUTAYA篠路店(北海道札幌市)
  • 8/31 文星堂Think Park店(品川区大崎)
  • 8/31 ザ本屋さん中央店(北海道室蘭市)
  • 8/31 ヴィレッジヴォイス(宮城県仙台市)
  • 9/ 2 明林堂書店箱崎店(福岡県福岡市)
  • 9/ 2 よむよむ越谷大沢店(埼玉県越谷市)
  • 9/ 5 あおい書店新宿店
  • 9/28 三省堂書店大名古屋ビル店


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でるべん「「他店の棚」with「空犬通信」」のレポート、そして長崎書店から「おみやげ」が

先日、8/29に開催された、でるべんの会の8月勉強会「10年間に及ぶ『他店の棚』の記録を振り返る」に、メインスピーカーの石井伸介さんのトークのお相手=ゲストとして出演しましたので、簡単にレポートを。


トーク準備中の石井さん

↑会場前方に石井さんが用意してきた書店の写真を映しだし、それを見ながらトークをすることに。写真は、開始前、プロジェクタ準備中の石井さん。


会のこと、石井さんと「他店の棚」のことについては、以前の記事でふれていますので、そちらをご覧ください。


念のため、「他店の棚」とは何か、なんですが、これはレジメに掲載された石井さんの文章を引いておきます。


《もともとは書店員さんとの呑み会のお土産です。当方、地元・東京は吉祥寺、故郷の東北・仙台、そしてたまに女房の実家・関西で、書店員さんと呑気な呑み会をやらせてもらってまして、そのときにお持ちしたのが始まりです。書店員さんは忙しい。話には聞くが、雑誌で見たが、Twitter でフォローしているが、遠くにある「噂のあの書店」を見る機会は、なかなか、ない。じゃあ、たまたま旅行だ出張だなんだでそこに行く機会があった当方が、ちょこっと写真を撮らせて戴き、手製小冊子にして、他地域の書店員さんにお届けしちゃおう――それが「他店の棚」です》。


8.29でるべん 他店の棚1207058.29でるべん 他店の棚120705目次8.29でるべん  他店の棚120705見開き

↑こちらがその『他店の棚』。写真の号は、「2012.7.5 東京国際ブックフェアお土産号」。目次には、今回のトークで紹介予定だったお店を含む、たくさんの店名がずらりと並んでいます。中は、ご覧の通り、店名+写真のみの、シンプルな誌面。写真はすべてカラー。


8.29でるべん 他店の棚1208108.29でるべん  他店の棚120810目次8.29でるべん  他店の棚120810見開き

↑こちらは『他店の棚』、「2012.8.10 広瀬側流れる岸辺露伴は帰省する号」。東京近郊以外のお店が取り上げられることの多い『他店の棚』ではめずらしく、東京の2店だけで構成された号。


当日は、以下のような書店の「棚」の写真が紹介されました(順番はこの通りではありません)
神田書店(北海道・知床斜里)
さわや書店本店(岩手県・盛岡)
一頁堂書店(岩手県・大槌)
あゆみブックス小石川店(東京・文京区)
海文堂書店(兵庫県・神戸)
井戸書店(兵庫県・神戸)
紀伊國屋書店本町店(大阪・本町)
フタバ図書MEGA祗園中筋店(広島県・広島)


石井さんからもらった紹介予定リストにはほかにもたくさんのお店の名前があったのですが、時間の関係と、画像ファイルの準備の関係で紹介できなかったお店もいくつかありました。ただ、2時間ほどのトークで見せるには十分な量で、たくさんの棚の写真を見たなあ、というのが多くの方の印象ではないでしょうか。


基本的には、石井さんが、過去に「他店の棚」のために取材したお店の写真をプロジェクタで見せ、それに石井さんがコメントしたり、空犬が質問したり補足したり、というかたちでトークを進めました。大きな写真を眺めながらであること、大勢のお客さんの前であることという違いはありましたが、話の内容としては、「吉っ読」他の飲み会で、石井さんとぼくがふだんから二人でしている話、ほぼそのままです。


最初は、予想していたよりもお客さんが多いことや、お顔を存じあげない方が意外に多かったことなどのために緊張もしていたんですが、話し始めてみたら、先に書いた通り、いつもの相手、いつもの話題だったこともあって、自分でもびっくりするぐらいリラックスして話せました。あんな飲み話の延長のような感じで大丈夫だったんだろうかと、後になって心配になるぐらいに(苦笑)。


以前の記事にも書きましたが、石井さんは、出版営業が本業でない編集者としては、ちょっと異例といっていいぐらいにあちこちの書店に顔を出している方。紹介リストに並んだ店名は、こちらも書店好きなのでまったく知らないお店こそさすがにあまりないものの、実際に訪れたことのないお店もたくさん混じっています。その意味では、写真を見ながら隣で話をしているぼく自身も新鮮で、ほんとに楽しかったですね。


これは、ふだんから二人でしょっちゅう話していることで、今回も、この点はぜひ強調しよう、お客さんに実感して帰っていただこう、と事前に話していたことなんですが、書店の棚って、同じものなんてないんですよね。「金太郎飴書店」だなどと、新刊書店の品揃えの非個性を揶揄する言い方がありますが、「金太郎飴書店はない」、それが「他店の棚」の石井さんの、そして「空犬通信」の空犬の、持論というか、信念というか、とにかく、強い思いなのです。今回のトークでも、そのことは十分に伝えることができたのではないかと、話して側としては手応えがあったんですが、聞いてくださったみなさんはいかがだったでしょうか。


でるべんの会のみなさんが、アンケートを用意していてくださったので、後日、集計結果を見せていただきました。アンケートのほか、わたくし空犬宛てにも数件、メールやツイッター、ブログのコメント欄経由で直接感想を寄せてくださった方もいらっしゃいます。アンケートやこちらへの直接の感想を拝見するかぎり、今回のトークはおおむね評判がいいようで、ちょっと安心しました。また、対談スタイルにしたことも正解だったようで、そのことを評価いただく声がいくつかあったのも、こちらにはうれしいことでした。


(ただ、失敗も。後から気づいたんですが、最初の自己紹介が簡単過ぎたので、石井さんのみ目当てで来た方や、でるべんの会ルートで来た方にとっては、いったい、この「空犬」というのが書店の話をするのはなぜなのか、という部分が伝わらず、わけがわからなかったのではないか、という気がしました。「空犬通信」なる「他店の棚」のブログ版のようなことをやっていること、書店員の会をやっていることは、いちばん最初に説明すべきでしたね。やや反省。)


アンケートの声のなかには、もっと俯瞰的な話を聞きたかった、という主旨のご意見もありました。そういうテーマを期待していた方には、我々のトークは雑ぱくに過ぎたかもしれません。ご満足いただけるトークにできなかったことを、申し訳なく思います。


ただ、(別に弁解するわけではないのですが)おそらく石井さんが「他店の棚」を作ることでいろいろな書店員さんに伝えたいこと、そして、ぼくが「空犬通信」や往来堂の冊子などを通じて伝えたいと思っていることは、大文字の「書店」の話、ではないんですね。「書店」とは、書店の「棚」とは、みたいな、俯瞰的で大上段な話は(「ほんころ」担当者の石井さんはともかく)ぼくには荷が重いし、そもそも、そのようなことは目指していません。そういう大きなテーマをきちんとまとめるのは、やはり、今回のトークを聞きにきてくださった『「本屋」は死なない』の石橋毅史さんや、『書棚と平台』『書物の環境論』の柴野京子さんのような、取材力と筆力とを兼ね備えたプロの出番だと思うのです。


ぼくは、また同じようなこと書いてるよ、と言われるかもしれないけれど、このお店の棚・平台はこんなにおもしろいよ、とか、このお店ではこんなおもしろいフェアをやってるよ、とか、そういう個別の話を紹介していきたいんです。「書店」とは、「棚」とは、を考えるのは、それら「個別」の事例を目にした人が、できれば、いちばんの当事者である、書店員さんたちが考えてくれればいいことだし、もっと言えば、そんな大きなことを考えてくれなくても、こういう棚があるのか、こういう棚がありなんだ、それだけでもいい、と、そのように思うのです。


トークのいちばん最初に、石井さんが、ジュンク堂書店仙台ロフト店の佐藤純子さんのインタビュー動画を流しました。「他店の棚」の感想を聞かれた純子さんが、(正確な文言は失念しましたが)くそー、かっこいいなあ、くやしいなあ、と思う、といった主旨のことを答えていたのが印象的でした。


この反応こそ、まさに、「他店の棚」の作り手である石井さんが引き出したかったものだと思うのです。そして、それは、「空犬通信」の書店紹介記事の書き手であるぼくが、書店員のみなさんから聞けたらうれしいだろうなと思うことでもあります。書店の棚っておもしろいぜ、ということを、やり方としては下手くそかもしれないし、俯瞰的でないかもしれないし、情報も技術も足りないかもしれない、でも、それでも伝え続けていきたい。そのようにしながら、いつも思うんですよ。俺たちも、私たちも、という人たちに出てきてほしい。やってみたい、やれるかもしれない、もっとうまくやれる、などと思う人に出てきてほしい、と。


……すみません、なんか、単なるゲストで、石井さんの話に合いの手を入れていただけの者にしては、ちょっとえらそうですね。失礼しました。


会に参加くださったみなさん、またメール他で応援してくれたみなさん、このような機会を与えてくださった、でるべんの会のみなさん、そして何より、トーク相手に指名してくださった石井さん、ありがとうございました。


なお、今回のトーク、紹介しきれなかったお店もあるし、何より、話しているこちら側も楽しいので、勝手に続編(のようなもの)も構想しています。企画が実現できそうになったら、空犬通信で報告します。書店の棚の話は、本好き書店好きならどなたに聞いていただくのでもうれしいんですが、とくに、書店員の方に聞いていただけるとうれしいなあ。



ところで。でるべんのトークとは、ちょっと話は変わります。当日、吉祥寺の出版&飲み仲間である、夏葉社の島田さんが駆けつけてくれたんですが、その島田さんが、熊本県熊本市にある書店、長崎書店さんからの「おみやげ」を届けてくれたんです。


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beco talk vol.2 ハマザ企画会議の全貌が?!……予約受付まもなく開始です

おかげさまで好評をいただきました、7月のbeco talk。まもなく、第2回の受付開始ということで、トークの内容をくわしく紹介したいと思います。じゃーん。


    beco talk vol.2 公開編集会議
    ハマザ企画会議
    〜ハマザ聞くか? あの恐ろしい編集者に色々聞いてみる〜

    日時:10月26日(金)
    OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
    会場:beco cafe(東京・西荻窪)
    会費:1000円(ワンドリンク付き)
    出演:ハマザキカク(社会評論社)、空犬(吉っ読)

出版業界内外では、へんてこ本・おもしろ本を次々に世に送り出している「珍書編集者」として、また、ツイッター上では、珍書ネタのほか、出版求人や音楽(ヒップホップとデスメタル)に関する詳細過ぎるマニアックなネタの発信人としておなじみのハマザキカクさん。この段落に挙げたキーワードだけでもすごいのに、これだけではありません。彼は実に引きだしの多い人で、話していると、本にしたいネタ、トークイベントなどに使いたいネタが、それこそ次から次に出てくる人なんです。


で、これは、ぼくが聞いているだけではもったいない、ということで、企画したのが今回のイベント。とにかく、油断していると1つのテーマで予定時間をフルに使ってしまいそうなので、ご本人とも相談のうえで、こんなテーマと構成を考えてみました。


  • ハマザキか?
  • ハマザキ過去
  • ハマガキサクPart1 =「ハマが奇策」
  • ハマガキサクPart2 =「ハマが気さく」
  • ハマザキ書け

五部構成なんかにしちゃったりして、はたして時間が足りるのかと、企画した本人が言うのもなんですが、ネタを盛り込み過ぎなのではないかと、ちょっと心配です(苦笑)。テーマ小見出しは、すべて本人が考案した「ハマザキカク」のもじりになっています(こういうのを考えるのが好きなんだそうで、よくネタとして考えているのだとか。なんて話もトークで紹介されることでしょう;笑)


「ハマザキか?」……と、ぼくに聞かれたハマザキさんが、自分について語り出す、というパート。編集者としての「ハマザキカク」を知るには、まずはその人となりやらパーソナルヒストリーやらを知ってもらったほうがおもしろいに決まってますからね。入社の経緯や手がけた本などの話はもちろん、好きな音楽のことなど、趣味的な話も一部聞けると思います。ちなみに、「ハマザキカク」という名前についての説明も、このパートであるはずです。


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町歩き、一泊旅行、デパート……最近読んだ東京本たち、そして関連イベント

遅めの夏休みをとっていましたので、久しぶりの更新です。東京をテーマにした東京本、とくに文庫・新書の東京本が好みであることはこれまでにも何度かふれてきましたが、最近、気になる東京本(「広義の」東京本も含めて)が続けて出たので、まとめて紹介します。


  • 川本三郎『いまむかし東京町歩き』(毎日新聞社)
  • 池内紀『東京いいまち一泊旅行』(光文社新書)
  • 長野まゆみ『あのころのデパート』(新潮社)

川本三郎さんの著作のうち、とくに東京本は大好きで、過去のものもほとんど全部目を通しているのですが、また気になる1冊が出ましたよ。「まえがき」によれば、この本は《語られた風景、描かれた風景を取り上げている。つまり、当時の文学作品や映画のなかで都市風景がどう描かれたかを跡付けている》というもの。


もちろん、川本さんと当方では年齢、世代が違いますから、ここでいう「当時」は、当方が思い浮かべるものとは時代が違っています。こちらがなつかしいと思うような街や風景が取り上げられているわけではなく、実際、目次に並ぶ地名や施設名を見ても、まったく知らないもの、名前しか知らないものがけっこう混じっていてます。《本書は昭和三十年代へのノスタルジーの濃い本になっている》とありますから、昭和40年代生まれの当方は、まったくかすっていないものも多い。なのに、取り上げる風景の選球眼がいいのか、語り口がいいのか、なつかしく、そして、おもしろく読めてしまうんですよね。だから、川本さんの東京本は毎回手にとることになるのかなあ、とそんなことを思いながら、読み進めています。


ちなみに、少し日が迫っていますが、関連イベントが予定されていますので、紹介しておきます。「『いまむかし東京町歩き』刊行記念 川本三郎さん×坪内祐三さんトークイベント「東京の記憶を語る」」(8/29 東京堂書店)。


9/6(木) の18:30〜20:00、東京堂書店神田神保町店6階の東京堂ホールにて。トークのお相手は、こちらもまた複数の東京関連著書をお持ちの坪内祐三さん。この組み合わせで、テーマが「東京の記憶を語る」となれば、話がおもしろくないわけはありませんよね。イベントは、要予約です。申し込み方法などの詳細は、サイトの案内をご覧ください。


次の池内紀さんも、川本さん同様、東京本・旅本を手がけてきた書き手であり、個人的には、新刊が出るたびに必ず手にしている書き手であります。下手な内容の要約より、「まえがき」からご本人のことばを引くほうがいいでしょう。《東京一泊旅行はまた、「記憶の忘れもの」をひろっていく小旅行だ。日常だと気づかないものが、「一泊」という余分の時間のおかげで、ふと見えてくる》。こちらにも、偶然「記憶」というキーワードが出てきていますね。


このほか、同じ光文社新書の今月の新刊では、《独自の意識調査などをもとに、これからの東京の都市、郊外のあり方を提言する》内容だという、三浦展さんの『東京は郊外から消えていく!』も気になります。


最後の『あのころのデパート』は、タイトルの通り、デパート、それも昭和のデパートが中心の本なんですが、登場するデパートがほぼすべて東京のデパートなので、広義の東京本として楽しめます。


長野さんとは世代は少し違うんですが、「おでかけ」先だった、特別感の残る時代の昭和のデパートを体験しているという点では、わずかに世代が重なっています。そのような身には、実におもしろく読める1冊でした。昔はよかった式のノスタルジー全開の語り口ではなく、長野さん自身、デパートで働いた経験があるということで、当事者側の視点がたくさん入っている点もユニーク。


《デパートというのは昭和文化の展示場であったのだな、とあらためて実感するとともに、今、苦戦している理由もそこにある気がする。もはや昭和の生活様式はなつかしむものであって、実態とはかけはなれるばかりだ》など、今のデパートのありようを鋭くついた文章もあちこちに見え、興味を引かれます。


長野まゆみさんのblog「Kotorico」によれば、9/8(土)にリブロ吉祥寺店で『あのころのデパート』のサイン会が行われるそうだ。本文にも出てきますが、長野さん、吉祥寺でデパートガールとして働いていたことがあるそうです。店名は明記されていないものの、おそらく近鉄百貨店のことでしょう。かつて働いていた街で、当時の職場のことにもふれた本のサイン会をするなんて、なんか不思議な縁ですよね。


ところで、(東京本の話からちょっとはずれますが)「近鉄百貨店」といえば、個人的にとてもなつかしい名前なんです。もちろん、吉祥寺にあった近鉄も知っていますが、ぼくにとっての近鉄百貨店といえば、というよりも、子どものころのぼくにとって、デパートと言えば、それはイコール、大阪・天王寺にあった近鉄百貨店のことでした。


近鉄百貨店は、子どものころのぼくにとって、まさに「お出かけ」先、特別感に満ちていた場所でした。関西在住作家ではない方によるデパート本で、(店名は明記はされていないものの)近鉄百貨店に関する記述に出会うことになるとは、まさか思ってもみなかったので、うれしい驚きです。デパートの屋上遊園地、書籍売場、おもちゃ売り場、地下の食品売り場にあったキャンディ類を量り売りする回転台(あれの名前はなんていうんでしょうか)……あのころのデパートのことを思い出しながら、なつかしく読みました。