本日、10/30は本当なら、神保町で、「神保町ブックフェスティバル」が開催されるはずだったのですが、あいにくの天気、屋外のイベントは中止になってしまったようですね。我々ファンにとっても残念なんですが、いちばんがっかりしているのは早くから準備を進めてきた関係者の方々でしょう。「神保町ブックフェスティバル」は「神田古本まつり」開催期間中の土日、2日間。明日は晴れるといいですが……今日の天気ではどうかなあ……。
さて。古本といえば。前回の記事で紹介したこの本、早速入手しましたよ。
日本古書通信社編『古本屋名簿 古通手帖2011』 (日本古書通信社) 先の記事には、《約10年ぶり、ということになりますね。全国の古本屋さんの数や分布がどんなふうに変わったか、見るのが今から楽しみです。》と書きました。楽しみにしていただけに、今回の出来にはちょっとがっかりしてしまいました……。
↑全国を対象にした古書店ガイド、最近のものではこの2冊があり、当然これらと比較することになりますが、残念ながら大幅な「後退」です……。
【“古本屋めぐりには、どんな地図があればいいんだろう”の続きを読む】
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先日ご紹介しました、吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」のイベント、ブックンロールの第2弾。理論社を勝手に応援するという今回のイベント、名称が「わっしょい!理論社」に決まりました。
日時・内容・予約方法など、詳細が、今回のイベントの会場である西荻窪のブックカフェbeco cafe のサイトにアップされています。また、情報はbeco cafeのサイトと重なってますが、吉っ読のサイト「吉っ読日記」 にも詳細をアップしました。よろしければご覧ください。
ちなみに、「理論社」で「応援」といえば、こんなうれしいニュースもあったので、紹介しておきますね。「北海道書店商業組合、理論社の支援に」 (10/25 新文化)。《同組合の久住邦晴理事長(くすみ書房)はこのほど、民事再生法を申請した理論社の再生支援を文書で表明した。書面では理論社を「ヤングアダルト向きの良書を出し続けてきた良心的な出版社」とし、組合員に在庫を売り切るよう求めた。久住理事長は今後、上層部の日書連にも陳情していく考えである。》
本日から神田古本まつりが神保町で始まりました。初日の今日、心配だった天気にも恵まれたようで、やや肌寒い一日ではあったものの、雨にも降られず、ほんと、よかったよかった。そのせいか、昼頃の神保町はなかなかのにぎわい。こうして、たくさんの本好きのみなさんが集まっている様子を見るのは、出版関係者としても、一本好きとしても、そして神保町で働く者としても、やはりうれしいものです。
食事を済ませてから、歩道にずらりと並ぶワゴンをじっくり眺めるぞ、などと楽しみにしていたんですが、なんと、財布を持たずに出てしまいました。しかも、気づいたのが、ランチに入った店で食事を終え、支払いをする段になってのこと……。ふだん、こんなことないのになあ、よりによって古本市の初日にこんな失態を……。救いは、顔を覚えてもらってるお店だったこと。すぐにお金取ってくるからと言ったんですが、次でいいよ、とのこと。名前も社名も知らないはずなのになあ。ちょっとうれしいかったけど、でも、はずかしい……。
おかげで、古本ワゴンはのぞくだけ、気になる本が何冊か目についたけど、もちろん、1冊も買えませんでしたとさ……。ワゴン以外にも、巌松堂の全品半額(店頭ワゴンとかじゃなくて、ほんとに、店内の商品が全部半額、とあった)なんて、ものすごーく気になったけど、なまじ何か見つけたら悔しいから、泣く泣く素通りしちゃったしなあ。
古本と言えば、こんな本が出るようですね。『古本屋名簿 古通手帖2011』。ツイートで見かけて気になってたんですが、もう入手された方もいるようで。明日、神保町で忘れずに手に入れなくちゃ。
古本屋さんの地図、それも特定の地域ではなく、全国を網羅したものだと、21世紀版をうたった、この版↓が最後かな。
↑2冊持ってますが、出張や旅行で地方に行くたびに、そのエリアのページを切り取って持って行ったり、閉店・開店情報や、店の印象などを書き込んだりと、使いに使いまくったので、1冊は完全に崩壊、1冊もぼろぼろ。最近流行りの、辞書引き指導で小学生が付箋だらけにした辞書みたいな、使用感あふれる本になってますよ。
約10年ぶり、ということになりますね。全国の古本屋さんの数や分布がどんなふうに変わったか、見るのが今から楽しみです。
あと、本がらみの本の話では、またまた雑誌で本・本屋さん関連の特集です。続くときはつづくものですねえ。
特集は「本のある空間、本とある時間。」。まだ購入していないんですが、目次などの詳細が見られる版元のサイト によれば、「本屋さんへ行こう!」「本を愉しむ喫茶店」「古本屋を巡る」などの記事がありますから、本屋さん、古本屋さん、ブックカフェなどが好きな向きは、今回もまた購入することになりそうですね。
こちらは、『OZ』と違って、はっきりと、《男のこだわりと情報を満載した中年向男性誌 》とうたわれていますから、我々オヤヂが読んでも大丈夫な中身になっていることでしょう、きっと。
入手しましたら、感想と合わせて、またあらためて紹介する予定です。
さて。明日も晴れるかなあ。明日の昼休みは、忘れずに財布もって出かけるぞ。
昨日閉店の、福家書店銀座店について、こんな記事を見つけました。「苦しい総合書店、イベントでも「集客」できずか」 (10/23 PJニュース)。
お店の様子をご覧になっての感想が記されています。同店をご存じない方にも、また、最近の様子を見る機会のなかった方にも、店内の様子がよくわかる文章になっていますので、引かせていただきます。
《福家書店の銀座店は、落ち着いた雰囲気の新刊総合書店である。内装は明るく、ゆったりとした空間が確保されている。入店してすぐに、懐石料理や、和菓子、日本料理の四季などの本が目についた。伝統工芸による木製の箸や手ぬぐいも並べられており、銀座という場所にふさわしい。文芸書も豊富で、各種教育テキスト、旅行書、辞典、画集、洋書、美術書、児童書、ビジネス書など、幅広い知性を提供している。グラビアアイドルの「本人直筆・サイン本」のコーナーもあるが、売り場面積は小さく、配置は目立たない場所であった。》
記事の最後はこう結ばれています。《イベントを開催して人を集めていたとしても、それが必ずしも、新刊総合書店としての売り上げ向上に貢献していたわけではない、ということであろうか。》
ぼくも、同店の閉店について紹介した記事 で、品揃えやイベントで個性を発揮できていたように見えていたユニークなお店の閉店はショックだ、という主旨のことを書きましたが、ほんと、このような工夫が売上げやお店の維持につながらないのだとしたら、在庫量で勝負できない大型書店以外の書店は、いったいどうすればいいんだ、と考えこんでしまいますよね……。
書店の閉店がらみの話では、10/31(日)のBOOK EXPRESS 東京南口店がありますが、これは、すでに紹介した通り 、比較的短い準備期間をおいてのリニューアルが予定されているようですから、こちらはあまりショックや悲壮感がないのが救いです。
閉店の話だけではなんなので、オープンのほうも。今週10/29(金)は、ジュンク堂書店 郡山店のオープンですね。730坪、在庫65万冊。場所はうすい百貨店の9階で、先月閉店の八重洲ブックセンターの跡地のようですが、八重洲時代からはかなりの増床・増量になるようですね。リンク切れで全文が読めなくなっているようですが、こちらの記事に少し紹介があります。「大手書店ジュンク堂出店へ うすい百貨店、八重洲ブックセンターは閉店」 (7/27福島民報)。売り場面積で3・5倍、取扱冊数は6・5倍はすごいですね。地元の本好きは“本の森”の出現にうれしい思いをすることになるでしょうが、近隣の書店への影響は相当に大きいことが予想されます。
書店のオープンと言えば。今朝の朝日新聞 のBOOK TiMES 。このコーナーには、本の紹介のほかに、イベントや新規店オープンなどの情報が載った大手チェーン書店の広告が載りますが、今回掲載されたなかでは、開店情報がずらりと並ぶ文教堂書店 のそれが目を引きました。
「ぞくぞくopen!」の文言とともに、武蔵小山駅店(「カルチャーエージェント文教堂」名義)、名古屋北店(「コジマブックス文教堂」名義)、広尾店、熊谷ニットーモール店、練馬高野台店と、5つもの新店が紹介されています。
うち、広尾は流水書房の、熊谷は新栄堂書店の、練馬は三省堂書店の跡地への出店のようです。ジュンク堂書店 といい、文教堂書店 といい、このペースでの新規店出店は、もちろん戦略あってのことなんでしょうが、それにしても、他のチェーンが撤退した場所にこんなに続けて出店して大丈夫なんだろうか……まったくよけいなお世話以外の何物でもありませんが、でも、書店好きとしては、そんなことが気になってしまうのです。
いよいよ明日からです。第51回東京名物神田古本まつり 。ベンチやワゴンや棚が設置され、ちょうちんがぶら下がり、横断幕がはられ、と、神保町では着々と準備が進んでいましたよ。以下、その様子を写真でご紹介します(写真は、一昨日の様子です。)
↑青空掘り出し市の会場準備の様子その1。靖国通りの南側歩道では、このように、ワゴンと棚の設置が進んでいます。サイトには《書店と書棚に囲まれた約500mにもおよぶ「本の回廊」が出現します》とあります。
↑青空掘り出し市の会場準備の様子その2。神保町交差点(左)と、岩波ブックセンター脇の道路。
このところあいにくの天気で、せっかく設置されたワゴンがびしょ濡れになっているところも。先ほど確認したところ、現時点では、明日の予報は晴れのようですが、木曜日から日曜日までは傘と雲マークが続いています。曇っていても、多少寒くても別にかまいませんが、雨だけはなんとか降らずにもってほしいものですよね。古本者のみなさんは、願かけ、よろしくお願いします(苦笑)。
というわけで。明日からの神田古本まつり 、本好きのみなさんはどうぞ神保町に遊びに来てください。ぼくも昼休みは毎日、ワゴンをのぞいて歩く予定ですよ。なお、もし初めて、または久しぶりに神保町に来られるという方がいらっしゃいましたら、以前の記事で紹介した、無料冊子 や、ガイド本 なども参考になると思いますから、ぜひ。
以前の記事 でお伝えしましたが、福家書店 銀座店が、本日、10/25で閉店となりました。福家書店 のサイトには、閉店に関する案内が出ていて、店舗営業は今日で終了だけど10/31までイベントは継続することが説明されているほか、閉店後の連絡先などもあがっています。
銀座界隈で見ると、近藤書店がなくなり、旭屋書店も閉店、そして今回の福家書店で、路面店は、教文館ぐらいになってしまいましたね。さびしい感じです……。
さて。書店関連の雑誌では、『OZ magazine』の本屋さん特集が現在も店頭に並んでいるかと思いますが、めずらしいことに本屋さんネタが重なりましたね。『東京グラフィティ(Tokyo graffiti)』 の最新号#074 の特集は「みんな大好き!!ヴィレッジヴァンガード」。
表紙には「ヴィレッジヴァンガード445連発!!」の文字が躍ります。同店最大の特徴の1つ、黄色いPOPが、大フィーチャー、ページをめくってもめくっても、ひたすらPOPが出てくるという、物量的なインパクトのものすごい特集になっています。
ヴィレッジヴァンガードといえば、本だけでなく、音楽関係から雑貨からおもちゃから、いろんなものを扱っているわけですが、POPも本だけでなく、あんなものにも、こんなものにも、という感じでつけられているのがわかります。なにしろ、おまけページとして、スーパーの商品にヴィレッジヴァンガード現役店員がPOPを書いたりまでしていますから(笑)。こんなPOPが立ってる野菜売り場があったらおもしろいだろうな。
書店好き、POP好き、ヴィレッジヴァンガード好きには読み応えのある充実の内容で、おすすめです。おすすめなんだけど、1点だけ、あえて苦言を呈するとしたら……POPと説明のテキストの字が小さくて、それが見開きにいっぱい詰まってるものだから、おやぢには視覚的になかなかつらいところが……。まあ、いい意味でのごちゃごちゃ感にあふれる同店店頭の雰囲気の反映とみれば、これはこれでいいのかも。
ところで。先に出た『OZ magazine』の本屋さん特集。賞賛の声の一方で、否定的な意見も目につきますが、とくに書店関係の方から、かなり辛口の意見、残念な感想も出ているようですね。それについて、ちょっとだけ。(以下、余談です。)
【“OZに続いてまたまた雑誌で書店関連特集……東京グラフィティがヴィレッジヴァンガード特集”の続きを読む】
突然ですが、吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」のイベント、ブックンロールの第2弾が決定しましたので、お知らせします。
今回は、理論社を勝手に応援する小規模なイベントです。児童書版元の理論社は、大人が読んでもおもしろい本をいっぱい出してるんだぜ、ということで、そういう本の存在とその魅力を大人の本好きに知ってもらおう、という主旨のものです。イベント名はまだ決まっていません。
日時は、11/26(金)19:30~21:00。日は確定ですが、時間は予定で、変わるかもしれません。場所は、西荻窪のブックカフェ、beco cafe で。
イベントの内容や、予約のことなど、詳細は、まもなくbeco cafe のサイト、「吉っ読日記」 、空犬通信 などでご紹介するほか、ツイッターでも#booknrollのハッシュタグで随時情報を流していく予定です。
理論社LOVEのみなさんよりもむしろ、 「理論社って、いろいろ大変らしいけど、どんな本出してるの?」 「子どもの本出してるとこらしいけど、大人が読む本もあるの?」 という方にこそ、ぜひ来ていただきたいと思います。
古本イベントとして、すっかり定着した感のある一箱古本市。全国のあちこちで開催されていて、その数や広がりっぷりにはびっくりさせられるほど。南陀楼綾繁さんの「ナンダロウアヤシゲの日々」で紹介されている、この秋に開催されるもの だけで、こんなにあるんですよ。すごいですよねえ。
関東では、近場の例としてこんなのがあります。《千葉県を根城にしている本好きの集団》「本toちば」 のみなさんが、来月、一箱古本市を開催するそうですよ。
サイトの文章によれば、このような内容です。《2010年11月14日(日)津田沼「ワイがや通り」で一箱古本市やりますよ~。 段ボール一箱に店主の想いを詰め込み、本を通して会話をする、そんなイベント「一箱古本市」。中身は今や絶版の古書からマンガまで。ノンジャンル、異種格闘技、店主の個性たっぷりな一箱。親子で楽しめるような絵本もありますよ。CD や雑貨にも巡り会えるかも…。 箱から箱へ、ひやかし大いに結構です。秋の一日、みなさんおそろいでいらっしゃいませ。》
開催日は2010年11月14日(日)。時間は、11~16時で、会場は津田沼「ワイがや通り」だそうです。会場の地図は、出店の申し込みなど詳細は、こちら 。過去の「一箱古本市」の様子も、「本toちば」 のサイトで見られますよ。
東京西部在住者には、やや遠いんですが、まあ行けなくはない距離。中央・総武線だとアクセスも簡単ですしね。というわけで、千葉の本好きはもちろんのこと、東京近郊の本好きのみなさんも、「本toちば」 一箱古本市、ぜひ駆けつけてください。
千駄木の書店、往来堂書店 で出している「往来っ子新聞」。これまでも何度か紹介したことがありますが、オール手書きで、週刊という驚異的なスペースで刊行され続けている、強力かつユニークな書店発フリペで、空犬も愛読しています。
製作を手がけているHさんがフリペにかける情熱が、どことなく我らがBOOKSルーエ の花本氏のそれを思わせるものだったので、前回の吉っ読の会にHさんと店長の笈入さんのお二人をお招きし、花本氏と引き合わせた、という話はいつだったかの記事に書きましたっけね。何かコラボでも生まれたらいいなあ、という希望もあって。まさか、こんなに早く実現するとは思いませんでしたよ。花本氏が「往来っ子新聞」に寄稿した号が早くもできたというではないですか。早速いただきにいってきましたよ。
↑これがその62号。「本屋さんにいってもいいんだからねっ!」なる文章が掲載されています。
↑前後の号もいただいてきましたよ。
Hさんが「ルーエの伝言」に登場する機会もまもなくありそう。BOOKSルーエ と往来堂書店 、東京の東と西に離れてはいますが、どちらもユニークな(しかも担当者の過剰といっていい愛情が注がれた)フリペの発行店。どちらも決して広くはないけれど、棚のあちこちに、「こんな本が!」「こんな並べ方が!」的な驚きと工夫があるお店。そして、非チェーンのお店。いろんな共通点と、それと同じくらいいろんな違い、独自の点のあるお店です。そんな2店で、共通のフェアもまもなく始まります。これについては、もう少し近づいたら、この空犬通信でも紹介しますね。
↓本日のお買い上げ本はこちら。往来堂書店 の東京本棚は、東京本好きには気になる棚の1つ。所有本が多いのでなかなか抜けないんですが、今年出た新書で買いそびれていた、こちらをゲット。
「こんなの作ってるって、お話しましたっけ」とHさんが見せてくれたのがこちら↓。俳句の同人誌です。Hさんも句を寄せているほか、デザインも手がけたんだとか(これが1号目とは思えないぐらい、なかなかにかっこいいデザイン)。
↑通し番号入り、「001」を買ってしまいました(笑)。「あっ、もうサイトもあるんですね!」「あっ、それ、まだとれてないんです。申請中で……」って、いちいちすばらしいのでした(笑)。広げるとA3サイズで、中の絵/カレンダーもなかなかすてきですよ。ぜひ現物で確認を。
「初心者なんですよ」「へえ。俳句、何年ぐらいやってるんですか?」「一か月ぐらいかな」……えええええーっ! ひと月って、それでいきなりこんなオールカラーの同人誌を作っちゃうの? BOOK EXPRESS 上野、長谷川さんの名言を思い出します。「書店員には、フリペを作る人と、作らない人がいる」(あれ、これでよかったかな。ちょっと細部が違ってる気がするけど、主旨はこんな感じだったはず;苦笑)。この俳句誌、見た目はずいぶんかけ離れてる感じですが、ノリは「往来っ子新聞」と同じですよね(笑)。Hさんや花本くんや長谷川さん、あとブックンロールで紹介させてもらった大阪のフリペ職人のみなさんたち も、確実に前者の人種だということです。
【“早くもコラボ実現?!……「往来っ子新聞」に吉祥寺ルーエ登場です”の続きを読む】
書店回り、といっても、こちらは営業ではなくて編集が本業、ふだん都心のごく限られた範囲しか回れません。昨日は、ちょっと遠出をしまして、京王線のずっと先のほうまで行ってきましたよ。
まずは、多摩センターで降りて、啓文堂書店 多摩センター店へ。ここは昨年の10月から仮店舗での営業中 ですが、もう1年になるんですね。
仮店舗といっても、120坪ほどの縦長のお店、店内の様子には「仮」造りなところは見当たらず、規模に見合ったバランスのいい品揃えになっています。全体のバランスからすると、文庫がやや多めの印象、POPもたくさん立っていてにぎやかな感じで、この広さならもっと減らされそうな岩波にも棚が割かれています。コンパクトないいお店だけに、改札を出たお客さんの動線からすると、駅の直下にしては入り口がややわかりにくいのがちょっと残念ですね。
Nさんに会えたので、しばしおしゃべり、いろいろ話をうかがったところ、現在の仮店舗営業は11/25まで。いったん店を閉じて、12/1に、2階の改札階に戻ってのリニューアルオープンとなるようです。ということは、あとひと月半もないわけで、今は担当の方にとってはいちばん忙しい時期ですよね。悪いときにおじゃましてしまった……。今度は、200坪を超えるということで、今よりも少しスペースに余裕ができる分、児童書や語学書などジャンルによっては棚も少し増やせるだろうとのこと。新しいお店が楽しみです。
多摩センターは、京王の駅直下の同店のほかに、小田急駅前のカリヨン内にあるくまざわ書店カリヨン店、その1つ上のフロアに同コミックランドカリヨン店、駅側から見てその奥、イトーヨーカードーが入っている丘の上プラザ内には、くまざわ書店丘の上店と、近距離に3つも新刊書店があり、激戦区と呼ぶのは大げさでしょうが、それなりの競争はあるはず。
うち、くまざわ書店丘の上店は、ぼくが初めて訪れた数年前(かなり前かも)は、ショッピングセンターの中にあるふつうの本屋さんというイメージでしたが、リニューアルなったのは4、5年前でしたか、壁側が広く窓に面したとても明るいお店に変身しています。在庫量こそそれほど多くはなさそうですが、その分空間の使い方に余裕があって、お店のサイズからすると広めにとられた児童書コーナーなんて、いい感じですよ。お店の前が広く空いていて、ベンチなどが置かれたオープンスペースになっているのも、お店を広々と見せるのにプラスにはたらいています。これで、啓文堂書店多摩センター店のリニューアルとなると、タイプの異なる3書店がいいかたちでそろうことになりますね。近隣の本好きにはますますいい環境になるのではないでしょうか。
さて、今回、京王線の先のほうまで遠出したのは、先月開店のあるお店を見てみたかった、というのもあるんですね。以前の記事で紹介した 新店のうち、くまざわ書店グループのACADEMIA橋本店(以下、アカデミア)がそれ。で、行ってきましたよ。
↑アカデミアが入っているモール、アリオ橋本は駅前にはなくて、橋本駅から少し歩きます。かなり大きいモールで、入り口についてから、駅側から見ていちばん奥のアカデミアまで、また少し歩きます。
↑通路側から。ご覧の通り、広くて、店舗デザインがなかなか洒落ています。
同店のオープンは9/17。ちょうどひと月ぐらいたった感じですね。着いてまず最初の印象は、大きい!明るい! 公表されているサイズは約530坪ですが、明るく開放的な雰囲気と、天井の高さのせいか、数字よりもさらに大きい店に見えます。
上の写真でも少しは雰囲気が伝わるかと思いますが、過度なおしゃれに走ってかえってふつうの人にはわかりにくい、というところがまったくない、上品で洗練された雰囲気です。柱の表示などに欧文は使ってあっても、基本の表示はわかりやすく示されています。什器は、アクリルでしょうか、クリアな素材が多用されていて、なかなかに美しい。商品の間から向こう側が見えるだけで、イメージがずいぶん変わることがわかります。
棚も高すぎず、低すぎずで、天井が高いせいか、棚の間の通路を歩いても圧迫感がありません。店内のメインの通路はかなり広めにとられていて、ベビーカー利用客や買い物荷物を抱えた人たちで多少混み合ってもぜんぜん問題なさそう。
↑店内は撮影するわけにいかないので、代わりにこれを。左がアリオ全体のガイドで、中と右がアカデミアのフロアガイド。
【“多摩エリアで書店回り……アカデミアくまざわ書店橋本店他を見てきましたよ”の続きを読む】
先日書いた記事「書店で起きた「事件」を忘れないために……札幌の事件からまもなく1年」 に関する追記です。
先の記事に書きました通り、この件のその後のことはずっと気になっていたんですが、最近、以下のような記事を見つけました(いつものことながら、ツイッター経由で気づかされたものです。書店関連の情報をすばやく、こまかく提供してくださる方々に、ほんと、感謝です)。「本棚の安全性数値化 消費者庁 札幌の倒壊事故受け」 (10/16 北海道新聞)。
上の記事と同じで、しばらくするとリンク切れで読めなくなってしまうでしょうから、書店的には重要な記事ということで、全文引かせていただきます。
【“札幌の書店事故の件、追加情報です”の続きを読む】
今日は、長いだらだら文を1本すでに書いてますが、書店の閉店・開店関連ニュースということで、追加です。
10/31に閉店することがすでにアナウンスされているBOOK EXPRESS 東京南口店ですが、わずかな改装期間をおいて、すぐにリニューアルオープンとなるようで、BOOK EXPRESS のサイトでは告知がされていませんが、求人関係のサイトに情報があがっていました。「【駅ナカの本屋さん】ブックエキスプレスが東京駅構内に11月OPEN予定!」 (fromAnavi)。
サイトには、《各線が乗り入れる東京駅の構内にブックエキスプレス11月オープン!本が好きな方大歓迎★駅ナカだから雨の日も通勤もラクラク♪みんなで新しいお店を盛り上げよう!》とあり、店名は、《ブックエキスプレス東京南口新規店(仮)》となっています。ちなみに、応募は終了しているようです。
開店日が示されていませんが、はたして、短期間で、どのように変わるのか(または変わらないのか)、また今後についてのアナウンスのない他の閉店店舗がどうなるのか、いろいろ気になりますね。
ちなみに、今回は、ツイッターでご教示いただいた情報です。書店関係の情報は、いつもたくさんの方に助けていただいています。ありがとうございます。
発売前から話題になっていたポプラ社の百年文庫、とうとう発売になりましたね。
↑朝日新聞に掲載された全5段広告。背で並べてもきれいですね。
↑内容見本(左)、注文書(右)
これ、すごいなあ。まずなんといっても、内容がすばらしい。日本と海外の短篇を、和洋で分けることなく混ぜ混ぜでテーマ別に分けているところがgoodだし、名短篇を集めたといっても、必ずしも著者の代表作ではなくて、隠れた名作、他の版で手に入りにくい作が多く含まれている点も、よくある名作集的なアンソロジーには食傷気味の、うるさ型の本好きの心をもがっちりとらえそう。
装丁もいいよね。シンプルなカバーもいいし、カバーをとると本体に安井寿磨子氏による木版画が出てくるのもいい。本文組は上品で読みやすいし、スピン(しおりひも)の色を各巻変えているあたりの、こまかいこだわりもいいぞ。
とてもすてきなシリーズだと思う。いいなあ、ほしいなあ、気になるなあ。でも、この巻数の叢書、書店での棚の確保が大変だろうなあ、なんて心配も。全部で100巻と決まっているから、大型書店はまだなんとかなるだろうけれど、でも、これ、ただ棚にさしてるだけじゃあ、造本の魅力が伝わりにくいから、どうしても面や平を使うことになるよね。すると、場所とるだろうなあ……。
場所と言えば、個人宅でも大変そうだなあ。1点、2点じゃなくて、何点かほしくなるようなラインナップ。気に入ったテーマの巻を数点買ったら、この装丁・造本だとやはり棚にきちんと並べたい。そうなると、いくらコンパクトな新書判の本とはいえ、10だの20だのになれば当然スペースが……。全部買っちゃったりしたらもう大変。悩ましいなあ。
ずらりと並んだ書名、漢字的に気になるのは、やはり「本」、それから「月」「幻」「妖」「異」「賭」あたり。作品・作家の組み合わせで気になるのは、「湖」「駅」「日」……って、書きあげてるときりがない。とりあえず、5、6巻、まとめ買いしたい気分。
昨日今日はたまたまたくさん書店を回ったので、都内の大きな書店でどんなふうに並んでいるか、いろいろ見てきたんですが、どこでもなかなかいい扱いでしたね。全部面にしているところもありましたよ。装丁がいいので、面で並ぶと壮観、圧巻。
ただ、分売ありとはいえ、50巻のセットということで、どこにでも並ぶ本ではないようですね。仕事で回っている途中では買えないからと、昨日最後に訪れた吉祥寺のルーエで買おうと思っていたら、残念ながらルーエには入っていませんでした。そのあたりのことが、こちらの記事に。「ポプラ社「百年文庫」、取次3社が買切り」 (9/2 新文化)。
《ポプラ社が国内外の文学150作品を50点にまとめて10月13日に創刊する「百年文庫」について、日販、トーハン、大阪屋の取次3社はこのほど、初版6500セットのうちおよそ3500セットを買切ることを決めた。公共・学校図書館向け商品として書店に納品する。買い切ったセットは分売不可。》
《また、店売用はポプラ社の特約店44法人・約500店を中心に通常委託で流通する。「百年文庫」は2011年10月に100点で完結するが、同年 12月末まで陳列することを条件に、販売冊数と実売率から最大4%の報奨金を支払う。店売用は分売可。》
《ポプラ社販売局では単品とA・B・Cの3セットに分けて受注している。紀伊國屋書店では全店、ジュンク堂書店でもほぼ全店で展開することが決まっているという。本体価格は50巻セット=3万7500円。各巻=750円。》
記事中にある紀伊國屋書店のうち、新宿本店に寄ってきたんですが、1階、文芸の新刊のコーナーにじゃーんと並んでましたよ。紀伊國屋書店では、書店員のみなさんが稿を寄せた無料冊子があるという情報を事前にいただいていたので、店頭でもらってきましたよ。それがこちら。
【“ポプラ社の百年文庫がすばらしい!”の続きを読む】
今日は、昼休みに、東京古書会館 で開催中の新宿古書展 をのぞいてきましたよ。即売展の情報は、古書会館に置いてある一覧 (リンク先、PDFです)でチェックしてますが、忙しいと忘れがち。今回は、ツイッターで直前に情報を拝見していたので、忘れずに駆けつけることができました。
今回の収穫は、尾崎一雄『冬眠居閑談』他。この『冬眠居閑談』、書名もいいし、「本とつきあう法」とか「木山捷平を悼む」が入ってるから、前から読みたかったんだよね。
ほかにも、『百頭女』の親本とか、河出文庫旧カバー版『東京遁走曲』とか、誰かが探してたっけなあ、などと気になる本数点を見つけたり。他人の探求本まで気にしてるんだから、古本屋・古本市巡り、いくら時間があっても足りないわけですよ(苦笑)。
この新宿古書展 、今回は今日までで終わっちゃいましたが(次回は12月)、秋は、ほかに神保町だけでもいろいろありますから、冊子やマップがあるものを中心に本関連のイベントを、おさらいも含めて紹介しておきましょう。
↑こちらは、もう先日紹介済みの、神田古本まつりのチラシ。まだ先だと思っていたけど、おお、なんだ、もう来週ではないですか! 神保町、靖国通りの歩道には、竹製のベンチが並べられるなど、なんとなく準備が進んでいる感じ。
↑こちらは、神田古本まつり期間中の土日に開催される神保町ブックフェスティバル。節目の20回ということで、チラシの表紙も派手ですね。紙芝居、オークション、救世軍の演奏、サイン会など、例年通りイベントが盛りだくさんですが、書店好きの興味を引きそうなのが、「ブックディレクター幅允孝氏×造本家町口覚氏 公開トークイベントby本屋の歩き方公開トークイベントby「本屋の歩き方」」 。参加無料・事前申込制。くわしくはサイトで。
↑無料の「神保町応援雑誌」、「おさんぽ神保町」の第10号は、「神保町ブックフェスティバル」の特集号。
↑神田古本まつり、神保町ブックフェスティバル、そして、神田スポーツ祭り2010の3つを中心に、千代田の秋のイベントを紹介するのがこちら「千代田の秋まつり2010 公式ガイドMAP」。それぞれのおまつりのイベントの内容・場所・時間が一覧できるほか、「秋まつり号」なる無料シャトルバスの運行案内も載っています。遠方からイベントに合わせてこられるという方には便利な冊子だと思いますよ。無料。
↑「神保町が好きだ!」の第4号の配布も始まりましたよ。三省堂書店社長の亀井忠雄さんと岩波ブックセンター社長の柴田信さんの対談「書店のいまとこれから」、ニューウェーブと言われる古書店主4人による座談会「古書はもちろん神保町」が掲載されています。新刊書店好き、古書店好き、いずれも必読の冊子です。
【“秋は本のおまつりが目白押し……神保町、そしてちょっとだけ高円寺の話も”の続きを読む】
さっき、だらだらとくだらない文章を書いちゃったばかりですが、書店的に重要なこのニュースにも今日のうちにふれておきたいと思って連投です。この数字、吉祥寺や中央線沿線の書店関係者の方々は、いったいどう見るのでしょうか……。「ジュンク堂書店吉祥寺店、3日間で2240万円」 (10/18新文化)。
記事を引きます。《10月15日に東京・吉祥寺の伊勢丹跡地の商業施設・コピス吉祥寺の6・7階に約1100坪でグランドオープン(13日からプレオープン)。売上げは15日583万円、16日803万円、17日858万円。》
地域で待たれていた大型複合商業施設のグランドオープンに合わせての開店で、地域で同一業種中最大の売り場面積、そんなお店の、オープン初日を含む金土日の3日間ですから、数字が悪いわけがない、という感じですが、それにしてもすごいものです。1日平均、約746万。坪単価だと、平均値で0.7万円、日曜の数字で0.8万円(新文化発表の1035坪で計算)。
このうちの半分、いや何割かが、吉祥寺の他の書店の売上げだったかも……そんな声もツイッター他で目にしました。なるほど、ついそう思いたくなってしまいますよね。ぼくもついついそんなふうに思ってしまいます。
ただ、このお店だから売れた、そして、上に列記したような状況だったから売れた、という部分は少なくないでしょうし、さらに、ジュンクの在庫を考えれば、そもそも、それまで吉祥寺の他の書店には並んでいなかったような本の売上が多く含まれている可能性も高いわけで、いちがいに、他の書店の分がここに流れてそうなった、とは言えないわけです(むしろ、新宿と立川の主要店の売上げが、この3日間、前年や前月と比べてどうだったか、という数字があれば、お客さんの流れを考えるうえで、とても興味深い資料になるだろうと思うのですが、新文化さん、調べてくれませんでしょうか……って、それはまた別の話)。ですが、それでも、この分の何割かが云々、と考えたくなる気持ちは、すごーく、すごーくよくわかります。
ちなみに、後段、先日オープンの広島の件にもふれられているので、そちらも引いておきます。《また、10月9日に広島・中区の天満屋八丁堀店7・8階に約1200坪でオープンしたMARUZEN&ジュンク堂書店広島店は17日までの9日間で約 4700万円の売上げ。オープン3日間の実績は9日685万円、10日805万円、11日716万円。》こちらも、初日3日で2000万円を超えてますね。いやはや。
広島のことも気にはなりますが、でも、こちらの最大の関心事はやはりなんといっても、吉祥寺の書店事情が今後どうなるのか、ということ。吉祥寺、街全体の新刊書店総売り場面積2000坪超の時代は今まさに始まったばかり。しばらく目がはなせません。
それを「読書会」と呼ぶのかどうかは別として、ノリの合う相手(この場合、ジャンルなど狭義の趣味の合う合わないは必ずしも重要ではない)と、読んだ本、読んでる本、読みたい本、好きな本などについて、お酒を飲みながらあれこれおしゃべりするのは、それはもう、たいそう楽しいものですよねえ。もちろん、本に限らなくて、これを音楽や映画や、いろいろな趣味のものに置き換えてもいい。ぼくは友人の少ない人生を送ってきて、というか、今もそうなので、長くそういう機会・相手に恵まれなかったんですが、最近はときどきではありますが、そういう機会を持てるようになったのは、ほんと、ありがたいことです。
ぼくの周りで、「読書会」っぽいのといえば、この前ご一緒 したアルテス さん、夏葉社 さんとの酒席は、まさにそういう会でしたね。次も吉祥寺で、同じメンツで、今度は音源を持ち寄ってBGM付きでやろうなどと、早速盛り上がっています。
吉っ読も、集まって読書会をやっているわけではないですが、まあノリとしては近いですね。ほかにも、書店仲間と、小説以外の本を読む小規模な読書会のような飲み会を吉祥寺でときどきやってます。ああ、あと、遠足もぼくにとっては、同じようなノリかな。別に本の話がメインの会じゃないんですが、本好きが集まって、ごろごろ、ひたすら本を読む会だから、これがいちばん「読書会」らしい集まりかもしれない。
ぼくが関わっているなかでもっとも本格的なのが、この空犬通信でも何度か紹介している立川読書倶楽部 。すっかりサボり気味で、もうメンバーにカウントされていない可能性が高いのですが(苦笑)、ぼくがブックンロールやら何やらにうつつを抜かしている間に、若くて熱心な本読みが何人も参加したようなので、もう老兵(ゲストをのぞくと、おそらくぼくが最年長)は引退扱いでいいでしょう。とにかく、海外文芸、それも純文学系と、古典(日本文学含む)が中心で、担当編集者や翻訳者まで呼んでしまったりするうえ、毎回の成果を書店店頭で配れるペーパーにまとめることまでしているのだから、大したもの。アマチュアの読書会としては、相当にレベルが高い会と言っていいでしょう。
って、なんんだかものすごーく前置きが長くなりましたが、何の話かというと、西荻窪のブックカフェ「beco cafe」 で読書会「becobu」が始まる そうなんです。第1回は、11/17(水)18:00ごろの開始。取り上げる本は、大江健三郎『美しいアナベル・リィ』(新潮文庫)。文庫化に際して、タイトルが変更になるようです。10/28発売。
↑こちらは親本。
前々から読書会やったらいいね、なんて話を一緒にしていて、相談も受けたりしてたもので、こちらも、奥のbeco文庫から必ず選ぶようにすれば、とかなんとか、いろいろアイディアを出したりしてたんですが、最終的にはとてもシンプルなかたちに落ち着いたようですね。参加者は、発表をしなくちゃいけないとか、一文書かなきゃいけないとか、そういうのは一切ないようです。それどころか、読まなくてもいい、とあるし、さらに予約も何も必要ない。なんだか、とてもハードルの低い会になってます。
ご興味のある方は、店長雑録 で詳細をご確認のうえで、11/17、ぜひ、西荻窪のbeco cafeにお集まりを。
【“独り読書もいいけれど、「読書会」もまた楽し”の続きを読む】
年内、これから新規オープンになる書店としては、ジュンク、精文館、くまざわそれぞれの支店など、この空犬通信でも紹介済みのものがいくつかありますが、10月も半ば、さすがに年内はこれ以外には新しいものはないだろうと思っていたら、またまた書店オープンのニュースです。(圧倒的な速さで業界関連ニュースを届けてくださるbookseller56 さんの情報です。いつも参考にさせていただいています!)
「広文館が11月下旬東京進出」 (10/16 中国新聞)がそれ。広文館(店の看板やお店のサイト では「廣文館」表記)といっても、東京近郊の本好きにはあまりピンとこないかもしれません。長野の平安堂、四国の宮脇書店など、地方にはエリア限定でがんばっているチェーンがいくつかありますが、この広文館もその1つ。広島ベースで約20店を展開している、大正創業の老舗チェーンです。
その広文館が東京に進出するというニュース。記事を引きます。《11月下旬、墨田区に「広文館イトーヨーカドー新曳舟店」を開く。出版社との連携を深め、売れ筋情報などを収集する拠点と位置付ける。》とのこと。《イトーヨーカ堂(東京)が手掛ける新設の大型商業施設の4階に入居し、売り場面積は約530平方メートル。一帯は再開発が進み、多くの大型マンションが立地しているため、家族層向けの実用書や児童書の品ぞろえに力を入れる。蔵書数は約10万冊。》
坪換算で約160坪。大型店ではないですが、ファミリー層が中心の商業施設内の店舗としてはほどよいサイズ。新しく商業施設ができたり、リニューアルされたりする際に書店が誘致されるのはよくあることですが、地方チェーンが選ばれたのはどのような経緯があったんでしょうね。
気になるのは、《今後、首都圏で複数の出店を目指す。》とあること。《東京進出により、首都圏に集中する出版社との連携強化も狙う。出版前の書籍や、東京で話題になりつつある作家などの情報を収集し、広島県内の既存店の店づくりに生かす。》ともあります。地方で独自にがんばっているように見えるチェーンでも、やはり東京の情報一極集中には悔しい思いをさせられることもあったのでしょうか。
開店日もまだ正式発表されていない段階ですし、なにより東京西部エリア在住者には、心理的に遠いエリア(なにしろ、墨田区・新曳舟と言われても、すぐに何線沿線のどのあたりと、地図が浮かばない……)ではあるのですが、オープンなったらぜひ見に行ってみたいものです。
ところで、この記事に《広島県外への進出は初めて》とあります。先に、東京近郊の本好きにはあまりピンとこないかもしれません、などとも書きましたが、実は、神保町周辺利用者にはなじみのある店なんですよね。神保町交差点の一角にあるのが、まさにこの広文館の東京、唯一のお店だからです。なじみ、どころか、神保町利用者なら確実に毎日のように前を通るお店です。同店サイトの店舗一覧 にもあがっていますから、同名別店ということはなさそう。単なる間違いか、それとも東京店だけ別組織とかだったりするのかなあ、と不思議に思ってつぶやいたら、《神保町の店はご親戚かなにかで、別会社と聞いたことがあります》との情報を、先日書店員飲み会に呼んでくださったFさんから教えていただきました。なるほど、そうだったのか。
【“広島のチェーンが東京進出!……広文館の新店が11月に登場”の続きを読む】
昨日は、吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」のイベント「ブックンロール」にも駆けつけてくれたFさんに声をかけてもらい、書店員さんと図書館員さんたちの飲み会に寄せてもらってきました。
新刊の帯やポスターの推薦コメント、この前の『OZ magazine』のような書店特集でたびたび名前をお見かけするような「有名」書店員が数人、しかも国立国会図書館の方々まで。ただ書店が好きでよく出入りしているというに過ぎない当方が末席に紛れ込むのは、もう場違いとしかいいようのない席で、隅っこでちっちゃくなっておりました……。
でも、遠慮しながらも楽しませていただきましたよ。Fさん、またここでお名前を上げることはしませんが、同席くださった書店・図書館のみなさん、ありがとうございました。
その会に参加する前に、昨日グランドオープンなったコピス吉祥寺 内にできたジュンク堂書店 吉祥寺店に、駆けつけてきましたよ。プレオープンのときに行ったじゃないか、って言われそうですが、あちらはあくまで「プレ」オープン。他のエリアの、他のチェーンならともかく、今回は我が地元吉祥寺で、しかもジュンク、しかも、こちらは一応「吉祥寺書店員の会」なんて大仰な名前のついた会に関わっている身ですからね。やっぱり開店当日の様子を見ておかないわけにはいきません。
この日も、知り合いの顔がちらほら見えたんですが、なにしろプレオープンのときと違って、店内は大賑わい。忙しそうに飛び回る彼らに声をかけるのははばかられたので、今回は店内を見るのに集中しました(とかいって、結局何人かに「今日も来てたんですか(笑)」という感じで見つかって、話を聞かせてもらったりしたんですけどね;苦笑)。
まずお客さんの入りですが、先に書いた通り、2日前とはうってかわって、とくに6階では、棚によっては通るのが大変なところがあるほど、盛況のようでした。知り合いに聞いたところでは、朝から好調だったようですね。プレオープンがあまりきちんと告知されていなかったのに比べると、グランドオープンは、駅からサンロードから、いろんなところで大アピールされてましたし、主要紙の投げ込みもありましたからね。お客さんも、待ってました、という感じだったのでしょう
平日夕方ということで、ざっと見た感じ、(あきらかに関係者とわかる人たちをのぞくと)女性が多いような印象ですが、学生らしい人、また年輩のお客さんの姿も多く、とくに年代・層の偏りもないようですね。親子連れもけっこういましたね。18時半を過ぎるころには、会社帰りの人たちも加わったせいでしょうか、レジには行列ができることも。
店内のフェア、全部の棚をチェックしたわけではないですが、目についたのは、「読書論」などがある文芸の棚の端で展開されている「武蔵野文学フェア」。吉祥寺・武蔵野に縁のある作家の作品が棚2本ほどにまとまっています。「ラテンアメリカへの誘い」という、ある意味、タイムリーなフェアも。リョサの受賞も意識してのことなんでしょうが、場所が海外文芸の棚ではなく、雑誌の奥、地図ガイドの脇の壁側で展開されてました。
以上が6階。7階では、晶文社50周年フェアが展開中でした。晶文社の代表作と在庫僅少の帯がかかった本がずらり。JJこと植草甚一さんのTシャツと缶バッジももちろんありましたよ。
同店のイベント、これが初ということになるかと思いますが、明日日曜日には、小錦が初めて手がけたという翻訳絵本『タラとベラ~なかよしになったゾウとイヌ~』(産業編集センター)の刊行記念サイン会が行われるようです。詳細はこちら 。
先の記事に書いたように、カフェやイベントスペースが店内に確保されていないので、店内のどこをどのように使うのか、ちょっと気になるところ。明日は所用でお店に行けないのですが、サイン会の様子をご覧になった方がいたら、ぜひ情報をいただければと思います。
そうそう、絵本といえば、先の記事に書いたことで、ちょっと訂正があります。《子持ち家族がターゲットの施設内であれば、もう少し児童書が多くてもいいのかなと思ったのが、この年齢設定だと子どもが小さいので、幼児向けなど売れるものに偏りが出るとふんだのか、意外に控えめ》と書きました。旧知の児童書ご担当Kさんに会えたので、ちょっと聞いてみたら、通路が狭いからスペースの印象から少なく感じるかもしれないが、棚は5列あって、渋谷よりも多いのだ、とのこと。言われてみれば、数はその通りで、今回は時間があったので、じっくり棚を見てきましたが、なるほど、点数的にもカバーエリア的にも抜けや不足はまったくなさそうでした。この点は修正しておきます。
ただ、それだけにちょっと通路が狭いのはもったいないですね。でも、子どもたちにはそんなこと関係ないのかな。この日も、早速お気に入りの本を抱えて、通路にべったり座りこんで読んでいる子どもたちが何人もいましたからね。児童書関係では、15~17は偕成社の人気キャラ「ノンタン」がやってくるようです。握手したりできるほか、風船のプレゼントもあるようですよ。「ノンタン」ファンは、時間をチェックのうえで、親子でぜひ。
ツイッターやWebで同店の感想・印象を見ているとおもしろいですね。いかにもジュンクらしい、という意見もあれば、ジュンクらしくない、という正反対の印象も。広くて(大きくて)びっくりした、うれしかった、という声もあれば、意外に(サイズ的に)たいしたことなかった、なんて意見も。お店の印象は、どのようなタイプが好みか、どんな本・ジャンルを求めているか、でずいぶん変わりますから、いろいろあっていいでしょう。
個人的には、いつものジュンクらしいお店作りを維持しつつ、吉祥寺という街と、若年層ファミリーがターゲットという商業施設全体両方の感じをうまく取り込み、お店づくりに反映できているのではないか、という印象を受けました。どの書店にも言えることですが、店、棚は変わるものですから、1回2回の訪問で、あまりいい悪いを決めてかからずに、何度もふらりと寄ってみるのがいいと、個人的には思います。
↑開店当日の朝日新聞に掲載された全面広告。「THE「書店を楽しめ!」宣言」なるコピーは渋谷のとき と同じもの。広島のときはどうだったのかな。
【“ジュンク堂書店吉祥寺店、グランドオープン。そして、がんばれ、20周年のブックスルーエ”の続きを読む】
連日、本・出版・書店関係の大事な飲みで、酔っぱらい、へなへなの空犬です。
昨日は、吉祥寺出版仲間の夏葉社 島田さんと、アルテス・パブリッシング の鈴木さんと3人で、吉祥寺で一杯やってきました。で、今日は新宿で、有名書店員さんたちが集まるという会に、なぜか間違いのように呼ばれてしまって、隅っこで恐縮しながら、飲んできた次第。
まずは昨日の話を。夏葉社 さんは、この空犬通信にもたびたび登場している通り、もうすっかり吉祥寺・吉っ読仲間、という感じなんですが、アルテス さんは、同じ地元で出版を、それも、こちらの趣味の範疇ど真ん中の音楽関係をやっていらっしゃるところ、ということで、以前から気にはなっていたんですが、接点がないままにいたところ、今回、夏葉社 島田さんの紹介で、初めてお会いできたもの。
飲みに行くのは初めてという組み合わせだったんですが、いやはや、これがもう、初顔合わせとは思えない盛り上がり。音楽ネタで言えば、ビートルズから、アイリッシュトラッドから、ボサまで、ジャンルもあれこれ、アナログレコードからストリーミングまで音楽メディアの変遷の話もあり、そこから、歌詞を聴く聴かないの話になって、読書論に発展、さらには書店・出版の業界の話はもちろん、吉っ読のような地域書店の会、地域でできることは何か、みたいなコアなテーマにまで話はいろいろ広がって、もう話題は尽きません。説明抜きで、こんなに話題を共有できる人がまだいるのかと、あらためて驚くほど、楽しいひとときになりましたよ。
この、すてきな出版社の本を紹介しておきますね。
夏葉社 さんと言えば、最近は、ツイッターでもブログでも大いに話題のこの2冊、ですよね。ふつうに考えれば、最初の2冊がこのラインナップだと、やっていけるの?と心配になってしまうぐらい、地味で渋い本なんですが、やっぱり見る人は見てるんですよね。前者は、三省堂書店 神保町本店だけで200を売ったという話だし、後者も、新刊書店だけでなく、古本ネットワークに広まったこともあり、初版完売が目前に見えてきたといいます。いやはや、すごいことですよ。
吉祥寺の、それも独り出版社ということで、どうしてもひいき目に見てしまうところはあるんですが、でも、仮に吉祥寺の出版社でなくても、応援していたと思います。この路線を、商業的に成り立つ前提で続けていくことは並大抵のことではないと思います。でも、確実に、本好きの目は、この小さな版元の出版活動をとらえていると思います。ぜひ、この路線でがんばってほしいものです。
一方のアルテスさんは、音楽ものがメインの出版活動です。新著のほか、過去の音楽本の良書の復刊も含め、30数点をすでに刊行しています。音楽専門といっても、あなどれないのは、旬の書き手、内田樹さんや、古川日出男さんの著書も出していること。
【“吉祥寺の出版社がいまおもしろい!……吉祥寺版元仲間と飲んできましたよ”の続きを読む】
本日、10/13は、コピス吉祥寺 のプレオープン。近隣の方には説明するまでもないでしょうが、念のため、コピス吉祥寺 とは、今年3月に閉店した伊勢丹吉祥寺店の跡地にできた複合商業施設ですね。「伊勢丹跡の複合商業施設「コピス吉祥寺」、10月15日開業へ」 (9/1吉祥寺経済新聞)。
武蔵野エリア在住者・吉祥寺利用者としては、施設全体のこともいろいろ気になるのですが、注目のテナントは、まずはなんといっても、これ。「ジュンク堂書店 吉祥寺店 10月15日グランドーオープン!」 (ジュンク堂書店 公式サイト)。で、そのジュンク堂書店 吉祥寺店、早速、様子を見てきましたよ。
↑左は、メンチカツのサトウの前あたりからのショット。ロゴのサインや建物のカラーリングなど、グリーンが基調になっているのがわかります。右は、もう少し近づいたところ。2階部分に、主要テナントの看板が出ていて、右端にジュンク堂のそれが見えます。手前の建物、元の伊勢丹FFがコピスのA館、奥、元の伊勢丹本館がB館となっています。
↑コピスのフロアガイド。表紙は井の頭公園で、こちらもグリーンが基調。右はジュンク堂書店 の入っている6・7階のページを開いたところ。B館の6・7階を丸ごと使っています。
↑A館からB館への連絡通路から、ジュンク堂書店 6階入り口をぱちり。右は、入り口右脇のフロアガイド。店内ではさすがに撮影はできませんので、写真はここまで。
↑フロアガイド。いつものジュンクの感じです。2フロアのうち、7階が人文・理工ほか「かため」の本、6階が文庫・文芸・雑誌・実用ほかの「やわらかめ」の本。中を開けると、ジャンル下位区分まで棚位置が示してあって、ぎっしり。
開店時にはよくあることですが、ほかのお店からヘルプの方が来ているようで、池袋店・新宿店の知り合いの顔がちらほら。プレオープン初日で、関係者でいっぱいだったら、おしゃべりもあいさつもできないな、と思っていたら、意外に空いてたので、何人かに声をかけ、お店の様子、初日の様子、開店準備の苦労などを聞かせてもらうことができました。先日、吉っ読の会に来てくださった八木店長にも、あらためてご挨拶。
今日は短時間だったし、お店の様子は、やはり正式にオープンになって、お客さんも入ってから(この日も、別に入場制限などは一切なく、一般のお客さんも入れるようになっていたんですが、天気のせいか、告知の少なさのせいか、あまり人はいませんでした)の様子をこそきちんと見たいので、今日はざっとフロアを回る程度にしました。
気づいたことだけ少し。コピスは、施設としては、ファミリー、それも若い世代のファミリーをメインターゲットにしているようで、先の記事でも、《ターゲットは20代後半~30代前半の子持ち家族と、その親の3世代を中心に据え》とあり、《「武蔵野ライフスタイル」「吉祥寺トレンド」をキーワード「世代を越えて支持、共感されるライフスタイルとトレンドを提案する」という。》となっていました。
【“吉祥寺書店地図にこれまでで最大の変化が……ジュンク堂書店吉祥寺店、プレオープン”の続きを読む】
ぼくは食に対する興味が薄いというかなんというか、苦労してお店を開拓したり、おいしい店を探したりがおっくうなタイプで、昼も夜も、いつも同じような店ばっかり利用しています。長年神保町界隈で働いてますが、お昼に食べる店なんて、よくいくところなら片手で、たまに行く店を入れても両手で数えられるもんね(って、それはいくらなんでも我ながら少なすぎな気が;苦笑)。
事情は、街が変わっても同じ。新宿でも、吉祥寺でも、よくいく店はいつも同じ。驚くほどお店のストックがありません。自慢じゃないけど、『Hanako』に取り上げられている店なんて、ぜーんぜん知らんもんね。吉祥寺なんて、ほぼ毎日歩いてて、これだけしょっちゅうブログやツイッターに書いているものだから、さぞかしくわしいのだろうと勘違いされることもときどきあって、初めて飲みに行く相手だと、どっかおいしいこと教えて、なんて言われるですが、それはもうまったく、聞く相手を間違っているとしかいいようがないのです。
と、前置きが長くなりましたが、上に書いたような性格と嗜好のために、書店回りでしょっちゅううろうろしている新宿でも、よく行く店は数えるほどしかありません。その数少ない選択肢の1つが、閉店の危機にさらされているとあれば、これはもう筆をとらずにはいられません。まずは、こちらの文章をお読みください。「【店長ブログ】 お知らせ」 。
ベルクについては、新宿を日常的に利用している人には説明するまでもないでしょう。JR新宿駅の東口改札からすぐにある、非チェーンのカフェです。ご存じない方は、上のサイトに説明がありますから、ご覧ください。メニューの数・種類、手頃な値段、狭さを気にさせないお店の空間、いい意味でおしゃれとは無縁のアットホームな雰囲気……都内でも最高のお店の1つだと思います。新宿で書店回りをする途中に、ちょっと珈琲を飲みに寄ったり、それが帰りなら、ビールを一杯やりに寄ったりはしばしば。
ベルクについては、過去にも立ち退きの危機にさらされたことがあり、このお店を愛する多くの人たちの署名運動によって救われたという経緯があります。それが、またしてもこのような事態になるとは……。
今回の期限は、2011年の3月中。それって、あと半年を切ってるってことじゃないですか! しかも、店長さんのブログによれば、《通知書の差出人が、前回はルミネエストの責任者でした。今回は株式会社ルミネの社長になっています》とのこと。事態がより深刻なことになっていることをうかがわせます。
店長さんのブログの最後には、こうあります。《私どもも宛先をルミネ社長に変え、前回署名していただいた方にもまたあらためて署名していただけるよう、請願書を作り直そうと考えております。》
というわけで、同店の利用者のみなさんはもちろん、これまで名ばかり聞くが使ったことはない、という予備軍の方も含め、ここはぜひ、全面的に応援&協力でいこうではありませんか。
このすばらしいお店がなくなっちゃったりして、跡地に、どこにでもあるチェーンのお店(が悪いわけでは別になくて、ふだんはぼくも利用しますが、ベルクと交換可能な存在ではない、という意味で)が入っちゃったりしてから嘆いたりすることにならないように。
↑応援者の基礎資料。
広義の「本」関係の特集雑誌が、偶然同じ日に発売となりました。そして、どちらも書店関連本でもあります。
『OZ magazine』 11月号 No.463 (スターツ出版)『週刊ダイヤモンド』 10/16号(ダイヤモンド社)『OZ magazine』の特集は、「本屋さん&本」。表紙には、「そこは、きっともう物語 本屋さん」なるコピーが踊っています。
女性誌にありがちな、おしゃれに偏った本・書店の特集って、実は苦手だったりするもので、この特集もどうかな、と思ったんですが、店頭でぱらぱらやってみたところ、取り上げられている本・書店の数もけっこう多そうだし、店頭・棚の写真も多い。ふだん行けないエリアの本屋さんを写真で楽しめるだけでも、買う価値ありと判断。
まだぱらぱらやっただけで、こまかくは見てないんだけど、本屋さんのある街を歩こうと、西荻窪や吉祥寺も取り上げられていて、西荻窪のページでは、なんと、我らがbeco cafeも紹介されているではないですか! これは読むのが楽しみだぞ。
発売前からツイッターでも話題になっていた『週刊ダイヤモンド』のほうの特集は「電子書籍入門 読み方・買い方はこう変わる!」。仕事に必要だから「電子書籍」がらみの本なり特集なり、紙・Webを問わず記事なりには、できるだけ目を通すようにはしているけれど、雑誌に新書に単行本にと、紙だけでもこれだけ出てくるとちょっとうんざり気味なのが正直なところ。お勉強モードで読んでるから、そんなに楽しくないしね。
でも、この雑誌を買っちゃったのは、60ページ超におよぶ特集のボリュームに期待したのと、数ページ割かれているリアル書店の記事が読みたかったから。
最近、空犬通信でも取り上げる機会の多い書店の減少が、地域・県別にまとめられているのはデータとしてありがたい。また、「電子とは違う読書体験の提供」を実現している場として、小さな書店がいくつもか紹介されているのもうれしい。とりあげられているのは、イハラ・ハートショップ(和歌山)。隆祥館書店(大阪・谷町六丁目)、往来堂書店(東京・千駄木)。ね、書店派も読みたくなるでしょ?
もちろん、書店以外の記事も、なかなか読み応えがありそうな感じ。目次など、特集の詳細は、週刊ダイヤモンド のサイトで確認できますよ。
ただいま戻りました。久しぶりに更新の空犬です。ネタがあるときは、1日に2本書いたりすることもあるくせに、めずらしく連休中3日もさぼったりしたせいか、どうしたの?などとメールやコメントで心配されたりもして、大変にありがたいことです。元気にしてますよう。
来月、人前でギターを弾くことになって、そのバンドのスタジオ練習があったりして、それで、ちょっと気分が音楽モードになってたもので。
あと、いくら書店ネタ中心のブログとは言え、さすがに書店の閉店・開店ネタが続いたので、ちょっと内容とノリのワンパタン化が自分でも心配になってきたもので(苦笑)。書店のことをいろいろ書いているうちに、以前よりも多少注目されるようになってきたのは実にうれしいことなんですが、でも一方で、本・書店以外のネタ、とくに、こちらの偏愛する音楽や映画(とくにホラーとか特撮とかね)のネタが書きにくくなってきたり……。過去記事見ていただければすぐにバレちゃうんですが、けっこうくだらないこと、いっぱい書いてるんですよね。怪獣のこととか、あと、怪獣のこととか、怪獣のこととか。
それに、あんな駄文でもね、けっこう時間かかるんですよ、書くのに。なもので、ちょっと疲れも出たようで。軟弱なこと言ってますが……。
この連休は、そういうわけで、ちょっと書店のことから気分が離れてしまっていたのです。なにしろ、9日のMARUZEN&ジュンク堂書店広島店 のオープンについて、ふれるのを失念していたぐらいですからね。「広島市中心部に大型書店-天満屋に「丸善&ジュンク堂書店」2号店」 (10/8 広島経済新聞)。
で、何してたかというと、ギターの練習したり、あと、『機動戦士ガンダム』の劇場版3部作をDVDで観なおしたりしてました(←よく観る)。先日紹介した『俺は生ガンダム』の触発されて(笑)。
(以下、どうでもいい話が続きますので、そういうのに寛容な方だけどうぞ。)
【“いよいよ明日、コピス吉祥寺/ジュンク堂書店吉祥寺店、プレオープン”の続きを読む】
さて、昨日に引き続き、書店レポートを。3店目は、ブックストア談改め文教堂書店 浜松町店。
「文教堂GHD、2カ月間で5店舗の出店・増床」 (9/13新文化)という記事に基づいて、この空犬通信でも、文教堂書店 の出店については、しばらくまえの記事で紹介しました。記事を引いておきます。《9月17日に武蔵小山駅店(東京・10坪)、同25日にFC店としてコジマブックス文教堂名古屋北店(名古屋・200坪、フランチャイジー・コジマ)、10月2日に広尾店(東京・110坪)、10月下旬に新栄堂書店跡地に熊谷ニットモール店(埼玉・210坪)を出店。9月中にブックストア談浜松町店を450坪から550坪に増床する。帳合はすべてトーハン。文教堂GHDの店舗数は9月13日現在182店。》
うち、ブックストア談浜松町店がどうなったのかずっと気になりながら、なかなか顔を出すチャンスがなかったんですが、先日、同店をのぞいてきました。
まず、冒頭に書いた通り、店名がブックストア談浜松町店から文教堂書店 浜松町店に変わっています。
↑入り口やフロア内には、店長さんのお名前で改称をお客さんに告知する、このような貼り紙が。
↑入り口の表示もこのように。
もともとワンフロアで400坪ほどあった広めのお店でしたが、新文化の記事にあったとおり、増床されています。下のフロアガイドを見てください。元のお店の様子をご存じの方なら、どこが変わったかすぐにわかるかと思いますが、「文教堂」と中央にある部分の上、お店でいうと、JR側の入り口を入って、左奥の部分が店舗スペースになり、コミックコーナーとなっていて、レジもできています。
ただ、お店を見る限り、全面的なリニューアルというわけではなく、増床とそれに伴う部分的な改装だったようで、店内のおおよその配置(たとえば、JR側の入り口を入って左のあたりが文芸ほか、正面の右側がビジネスなど、左側が雑誌など)は変わっていません。
談時代からお世話になっている担当の方にお会いできたので、経緯をうかがったところ、変わったのはフロアの広さとレイアウトの一部で、店名こそ変わったものの、もともと談は文教堂グループだったので、スタッフの体制などは大きな変更なし、とのことでした。実際、お会いしたご担当のSさんも、談のときと担当は変わっていませんでした。
このお店、ブックストア談時代から、いいお店だったんですよね。JR浜松町駅の改札階でもある、世界貿易センタービルの2階にあり、立地は抜群。駅から徒歩1分もかかりません。モノレールへの乗換駅ですから、ビジネスマン・旅行者の利用客が多く、品揃えも基本的にはビジネス向けに重点を置いた感じになってはいますが、一方、やわらかめのジャンルも充実していて、ビジネスマンでなくても、楽しめる品揃えになっています。
品揃えだけでなく、広々とした店内も魅力です。通路が広めで、天井も高く、店の見通しがよくて、開放的な印象です。在庫量は多そうなのに、圧迫感がないので、ゆっくり本を見られます。ブックストア談時代の印象については、以前に取り上げたこともあるので、よろしければ参考にこちら も見てみてください。
ブックストア談、どうなっちゃうのか、なくなっちゃうのか、ふつうの店になっちゃうのか……などなど、いろいろ心配な声もあったようですが、以前のお店と大きく雰囲気が変わったわけではありませんから、古くからの同店の利用者、談のファンのみなさんは、どうぞご安心ください。
【“増床? 改称?……ブックストア談改め文教堂書店浜松町店を見てきましたよ”の続きを読む】
続いて、啓文堂書店 を。「10月7日(木)荻窪店がオープン致しました!」 (啓文堂書店 公式サイト)。
↑店内をぱしゃぱしゃやるわけにはいきませんので、通路・エスカレータあたりから撮影した様子を。真ん中の写真がレジ裏あたり、左右のが、それぞれレジ脇の入り口あたり。
この日、改装リニューアルオープンとなった荻窪タウンセブン の6階。閉店となった、新星堂書籍の跡地で、常連のお客さんへの配慮もあったのでしょうか、場所だけでなく、サイズ、レジや棚の配置なども、おおむね新星堂時代の感じが踏襲されているような印象を受けました。
こちらは、商業施設内、それも西友+専門店という(お隣のルミネに比べると)庶民的な感じの商業施設内の書店ですので、客層に合わせた、明るくわかりやすい棚作りがされているようでした。棚の上が抜けていて見通しがよく、照明も明るめ。ジャンルも、雑誌やコミック、学参などが多めでしょうか、先ほどの書原と比べると方向性の違いがよくわかりますね。
タウンセブンのオープン初日のせいもあるのでしょうが、平日の午後だというのに、お店は年輩のお客さん中心にけっこうにぎわっていましたよ。オープンを待っていたお客さんもいたんでしょうね。
全体に、客層を考えたオーソドックスな感じで、特筆すべきフェアなどは目につきませんでしたが、レジ裏の棚には、荻窪の本のコーナーがありました(たしか、吉祥寺の本なども一緒に並んでいましたが)。あと、児童書コーナーでは、わが家でも大人気の絵本『100かいだてのいえ』『ちか100かいだてのいえ』がフィーチャーされてましたよ。写真はこちら で。
荻窪の書店事情については、以前の記事でも取り上げてふれていますので、よろしければこちら とこちら もご覧ください。
比較のためと思い、久しぶりに、八重洲ブックセンタールミネ荻窪店 ものぞいてきました。こちらは、お隣、駅側から見ると手前に隣接し、タウンセブンとは連絡通路で行き来のできる商業ビル、ルミネの4階にあります。
以前は、特筆すべき特徴のあるお店というよりは、(とくに悪い意味ではなく)商業施設内のふつうの書店という感じだったんですが、正確にいつのことかわからないんですが、しばらく前に改装され、洒落た感じのお店に変身していました。
↑エスカレータ前あたりから見た正面(?)の様子。奥がレジ。中は、その左側あたり、右は、さらにその左奥、通路側の壁あたり。
【“啓文堂書店の新しいお店、荻窪店を見てきましたよ”の続きを読む】
今晩(正確には、日が変わって、3時ごろ)は新月。曇り空でまだらっぽいですが、外が暗い感じ。月がきれいな夜もいいですが、この暗い感じもいいですよね。これで、天気のいい田舎なら、星がきれいに見えたりするんだろうなあ。
さて、しばらく前に、最近の書店開店状況 を記事で紹介しましたが、うち、その記事でも取り上げた書原 本郷店、啓文堂書店 荻窪店、記事ではふれていませんが増床・改称となったブックストア談あらため文教堂書店 浜松町店の様子を見てきたので、紹介します。
まずは、書原 から。神保町から距離的には近いんですが、歩くとそれなりにあるし、地下鉄でも乗り換えが必要だったりで、用事がないとなかなか行く機会のない本郷三丁目。今日も、ずいぶん久しぶりです。お店は、本郷三丁目の交差点を東大と反対側のほうに進んだ右側。駅から徒歩ですぐの、路面店です。
↑目印の看板(左)。そして入り口の様子。開店3日目ということで、小学館他の版元からの花がまだ飾られています。昼時に訪ねたこともあって、人の出入りがたえません。
広さは49坪。決して広い店ではありませんが、東大のそばという立地と書原らしさのバランスをうまくとった品揃えで、すてきなお店になっていましたよ。
まずはレジ前。書原と言えば、下の本にも紹介されていますが、レジ周りの陳列にいろいろ工夫をしているお店ですが、ここでも、『校正練習帳』『記者ハンドブック』『悪文』『THEの使い方』など(広義の)文章術関連がいろいろ並んでいます。それに混じって、論語関連本や『ネコのI.Q.テスト』なんて本も。このレジ前台を見るだけで、ちょっと楽しくなってしまいます。
レジの正面の平台は、売れ線の文芸本が平積み。これはまあよくあることですが、その棚がすごい。文芸と語学が同じ列にあるんですが、文芸よりも語学のほうが多いんですよ。奥に追いやられることの多い語学が入り口を入って、レジ脇抜けてすぐの棚に、文芸と並んでいるのも独特ですが、量もふつうではありません。
その棚、裏は人文で、半分を哲学などの単行本が占めています。残り半分は、学術文庫などかための文庫と新書。文庫コーナー自体は店の奥にあるんですが、わざわざこれらかための文庫を前に持ってきているわけですね。しかも、中公や河出の歴史ものは、文庫のレギュラーとは別に、こちらの棚にまとめてあります。いやはや。この棚1列とっても、こうしたジャンルをちゃんと売るぞ、見せるぞ、というお店の方々の意気込みが感じられます。
その向かいの端にはサイエンス。これも店の広さからすると、きちんとセレクトされたことがわかる本が、十分な量、きちんと並んでいます。表紙が萌え絵のなんちゃってサイエンス本は1冊も平になっていない。これもちょっとうれしい。
その脇に平台があって、見ると、山本七平の『日本人とは何か』をはじめ、小林秀雄、丸山真男、武士道などの本が平積みで並んでいます。日本人と日本文化をテーマにしたフェアのようですが、驚いたのは、冨山房百科文庫まで平積みになっていること。『近代の超克』ですよ。テーマとしては、オーソドックスなフェアかもしれませんが、これ、50坪を切る店の、開店時のフェアですからね。すごいなあ。
↑両方、セットで並んでました。
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今日は、1つ記事を、それもなかなかにつらい内容の記事を書いちゃったばかりなんですが、またしても、衝撃的かつ残念なニュースを取り上げなくてはなりません……。たったいま、ツイッターと報道で知りました。「児童図書の理論社、民事再生法の適用申請 「チョコレート戦争」「兎の眼」など」 (10/6 ITmedia NEWS)。
記事を引きます。《「北極のムーシカミーシカ」「チョコレート戦争」「兎の眼」など児童文学の名作を出版してきた理論社が民事再生法の適用を申請。》……なんてことだろう。記事を読んでも、にわかに信じられない……。
続きを引きます。《帝国データバンクによると、児童図書などで知られる中堅出版社の理論社が10月6日、東京地裁に民事再生法の適用を申し立てた。負債総額は約22 億円。》
《1947年創業。いぬいとみこ「北極のムーシカミーシカ』、大石真「チョコレート戦争」、灰谷健次郎「兎の眼」「太陽の子」などのほか、今年アニメ映画化された森絵都「カラフル」など、児童図書やヤングアダルト(YA)向け作品を中心に出版していた。》
書名を見ただけで、内容はもちろんのこと、その本を最初に読んだころの幸せな読書の記憶が浮かび上がってくる、そんな本ばかりです。このような良書を長く出し続けるだけでも大変なことですが、記事にある『カラフル』のように、比較的最近の作で早くもスタンダード化しているものも出しているのです。そして、空犬通信でも取り上げたことがあります が、「よりみちパ!ンセ」で、王道の児童書・YAだけから飛び出しちゃってるところもすごい。大好きな出版社の1つです。
↑この夏のルーエのフェアでも、森村さんの本をセレクト、大推薦したばかりでした……。
最近は、メジャーな出版社の倒産騒ぎが報じられることが、いっときに比べると少なくなって、ちょっと落ち着いたのかな、と油断していたところにこのニュース……。本当に、本当にショックです。
【“理論社、民事再生法の適用申請の報に大ショック……”の続きを読む】
他の業種がらみのものならいいというわけではもちろんありませんが、本好き書店好きには、本にからむもの、とくに書店が舞台になった事件・事故の報道は、やはりふだん以上にショッキングなもの。書店がいかに楽しい場所であるか、そのことをただひたすら訴えたいためにこのような駄文を連ねまくっている身にとって、書店で起きた事件というのはもっともふれたくないニュースといっていいぐらいです。
書店での事件といえば、この事件、みなさん、覚えているでしょうか。「書店の本棚倒れ姉妹下敷き、妹は重体…札幌」 (10/13読売新聞)(※新聞の記事はリンク切れ;リンクは空犬通信の過去記事)。ほぼ1年前の事件だったんですね。先日、「札幌・古書店事故から1年」 (9/30朝日新聞)という記事を見つけ、会社の机だったというのに、思わず落涙しかけました。
《札幌市東区の古書店で本棚が突然倒れ、小中学生の姉妹が下敷きとなった事故から、まもなく1年を迎える。事故の衝撃で低酸素脳症となった妹の鈴木愛菜さん(11)は、今も意識不明のまま眠り続けている。戻っておいで――。父の敦博さん(45)はかすかな希望を抱きながら、毎日病院を訪れて娘の手を握り、声をかけている。》……今も、こうしてリードを引用しているだけで、涙腺が決壊しそうです。この記事、事故にあったお嬢さんとそのお父さんの年齢が、わが家のそれとあまり違わないせいもあって、本屋さんが大好きな子を持つ親としては、もう読むだけで、涙をおさえるのが大変です。つらいです……。
一年前のブログ記事に、《意識不明の重体だという小学生の女の子の無事を祈らずにはいられません。元気になって、また本屋さんに来られるといいね。》と書いたのですが、残念ながら、回復されていないとのことです。なんということだろう……。
どの事件にも言えることですが、この空犬通信で取り上げた書店関係の事件報道も、その後どうなったのかをきちんと追えているものはあまりありません。やはり事件が起きたときに比べ、その後の扱いは小さかったり、目立たなかったりすることもあるし、そもそも報道すらされないこともあります。また、こちらの関心も、つい新しいニュースのほうに傾きがちです。
でも、二度と同じような事件を、本・書店に関係する世界で起こさないようにするためには、やはりその後のことも含めて、今回のような事件のその後的な記事できちんと報じられるべきだろうと思いますし、我々も関心を持つべきだろうと思うのです。自戒も込めてそう思います。
というわけで。書店関係者にはぜひ読んでいただきたい記事です。新聞記事は、しばらくするとリンクが切れちゃうので、勝手ながら、記事の続きを全文引用させていただきます。
【“書店で起きた「事件」を忘れないために……札幌の事件からまもなく1年”の続きを読む】
書店、それも中央線沿線の書店、それも吉祥寺を含む書店関連の話題だというのに、紹介しそこねていました。「学生デザイナーが書店店頭を盛り上げるプロジェクトがスタート~10月1日から都内9書店で~」 (9/27トーハン)。
中身については、サイトから文章を引かせてもらいます。《株式会社トーハンは、中小書店の店頭活性化を支援し学生の就労体験をサポートする「『書店×デザイン』=∞プロジェクト」を昨年に続き実施します。デザインを学ぶ学生が店頭活性化、販売促進を図る目的で装飾品やPOPなどを制作し、店内にディスプレイ。》
なるほど、なかなかおもしろそうですね。で、ねらいは何かというと。《学生に作品発表の場を提供するとともに、クライアントとの打ち合わせを体験してもらうことでデザイナーとしての就労体験をサポートします。一方、書店にとっても、従来にない発想による店内ディスプレイで新規顧客の開拓と店頭活性化による集客力アップが期待できます。》学生の就労サポート兼書店店頭活性化、なんですね。ふむふむ。
昨年は、国立の増田書店で開催されていたようですが、気づきませんでした。で、今回は規模が拡大され、《西武池袋線沿線の4書店とJR中央線沿線の5書店で開催します。期間は10月1日から10月31日まで》とのこと。
中央線沿線の書店でこんなのがあるなんて、知らなかったなあ、どこでやるのかなあ、とつぶやいたら、早速このサイトの情報をご教示いただきました。(morimoriさん、ありがとうございました!)
で、肝心の中身ですが、これもサイトから。《JR中央線の5書店については、中央線のまちづくりを支援している地元デザイナー集団「中央線デザイン倶楽部」が企画から運営、PRに至るまでプロジェクトを全面的にバックアップ。各書店を担当する学生デザイナーが「ホンヤデプロジェクト」という名称の下、“デザインを活かして、本屋さんの楽しみ方を提案”します。》
全部紹介していると長くなるので、中央線の「ホンヤデプロジェクト」 のほうに話をしぼります。参加店は、フレンド書房(立川)、増田書店本店(国立)、BOOKSルーエ (吉祥寺)、ブックスオオトリ西荻窪店(西荻窪)、ブックスオオトリ高円寺店(高円寺)の5店。お店によって、どのジャンルをどんなふうに「デザイン」するのか、テーマやコンセプトが異なっているようです。くわしくはサイトを見てみてください。
で、そのお店ですが、知らなかったも何も、ええーっ、ルーエも入っているではないですか。これは早速チェックしなくては、と、本日、早速会社帰りに訪ね、花本氏の案内で見てきましたよ。
↑入り口の看板に案内が。場所は2階、児童書売り場です。
↑レジの脇、児童書コーナーが、こんなふうに。天井からを空に、床を芝生に見立てたような感じ(左)。ふだんはスチールのネットになっている棚の側面がこんなふうに、お家になっています。黒板も、学生さんたちのアイディアだとか(字は、ルーエ児童書担当のTさんによるもの)。
アイディアから設置までぜーんぶ含めて、おまかせだったそうです。学生さんたちは開店前から詰めてせっせと作業、開店には間に合わなくて、午前中もずっと作業していたというから気合いが入ってます。
休日は、子どもたちが、「あれ、さわりたい!」などと言って、お父さんに高い高いをしてもらう絵などが見られたそうな。いいなあ、うちも子連れで来たいなあ。
ルーエでは、この1か所だけ。1か所でも大変だったようだから、あんまりいろいろ望んではいけませんが、ルーエ2階と言えば、花本氏担当の美術書コーナーもあります。せっかく美大生たちがやってきたんだから、そっちの棚にも何か「工夫」をしてもらえばよかったのに、と言ったら、花本氏、悔しがってました。児童書コーナーのような「遊び」ができる棚ではないかもしれませんが、棚の最上段と天井の間の壁面が少し空いているから、ジャンルを示す紙の案内を、ちょっと洒落たものにするだけでも棚のイメージが変わると思うんだけどなあ。学生デザイナーのみなさん&トーハンさん、いかがですか?
ホンヤデプロジェクト のサイトには、ルーエを手がけた「吉祥寺チーム」のみなさんによる記事が写真入りであがっています。今日の時点では、手を入れる前の売り場の様子と、作業中の風景とがあがっていて、完成後の様子は、こちらにはあがっていないようです。他のお店の様子も紹介されていますから、遠くて行けない、という方は、ぜひこちらでチェックしてみてください。
【“学生が書店店頭を「デザイン」?!……ルーエで「ホンヤデプロジェクト」をチェックしてきましたよ”の続きを読む】
開店・閉店、とくに閉店に関わるヘビーな話題が続いたので、今日は軽くて楽しいネタで。書店のフリーペパーを3種、紹介します。まずは、BOOKSルーエ のこちらから。
いつだったかの記事 で、千駄木の書店、ブックスアイ を紹介したことがありました。ユニークな品揃えやに目を引くフェアと、お店自体もすてきなところでしたが、手製のマップがこれまたすばらしいのは、その記事でご紹介した通り(一部ですが、写真を上の記事にあげています)。早速その日にBOOKSルーエ の花本氏に見せにいったら、大いに感化されたようで、これのルーエ版を作る!と張り切ってました。で、できたのがこれ、というわけです。
作った本人がツイートしてますので、ちょっと引用しておきますね。《ブックスアイさんの素敵な店内マップに刺激されて、そういうのを作ってみたもののあんまり素敵にはなりませんでしたが、そうゆうもののマニアックなファンの方は一応手に入れておきましょう。》
写真はあえて表紙だけにしておきます。中がどんなものになっているかは、ぜひ店頭で実物を手に入れてチェックしてみてください。イラストを使ったブックスアイ さんのとはちょっと、というか、かなりテイストの違うもの(笑)に、結果的にはなっていますが、これはこれでルーエらしくていいかなあと思います。
千駄木といえば、もちろん往来堂書店 を忘れるわけにはいきません。先日の、吉っ読の飲み会にに、「往来っ子新聞」の最新号を持ってきていただき、会場で配布させていただきました。
これも、いつだったかの記事 で紹介した、同店の独自フェア「D坂文庫」の売上ランキング、20位までの結果が載っています。1位こそほかにゆずったものの、10位までに5冊が、20位までだと6冊がランクインと、羽鳥書店Iさんのセレクトの大健闘が目を引きます。吉っ読の飲み会でも、自分のセレクトした本でランク入りしなかったのは1冊しかない、と大変に得意げに語っておられました(笑)。選者冥利につきますよね。詳細はぜひ「往来っ子新聞」実物をご覧ください。
ちなみに、「D坂文庫」、この冬にも開催されるようで、裏面には、選書参加のお願いが載っています。興味のある方はぜひ詳細を「往来っ子新聞」で確認のうえで、チャレンジしてみてはいかがでしょう。わたくし空犬も何にしようかと考え始めているところです。
この「往来っ子新聞」、本文の下には、(ほぼオール)手書きの広告がずらりと並んでいて、そのなかには、夏葉社さんの新刊『昔日の客』も混じっています。その夏葉社さんにこの前お会いしたら、新刊営業で大阪を回ったときに、これを届けてほしいと大阪のある書店から預かってきた、というフリーペーパーをいただきました。
以前に何度か紹介したことのある、紀伊國屋書店 本町店の「文芸と文庫通信」の最新号です。いやあ、うれしいなあ。
【“ルーエ手帖、往来っ子、文芸通信……書店フリペを3種紹介します”の続きを読む】
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